アレーン類の直接的カップリング

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Science誌につい最近報告されたパラジウム触媒を用いる酸化的クロスカップリング反応です。クロスカップリング反応は最近特に進展著しく、反応性の低い基質やぱっと見ムリそうな基質でも反応させる触媒系が続々と報告されています。今回の報告はその中でも最先端を行くものと言えるでしょう。

クロスカップリング反応を行うには、sp2炭素にハロゲンや金属元素がついた基質(活性化型基質)を使わなくてはならない、とされてきました。

Fagnouらはそのような活性化基を持たない、非活性化型基質を用いる反応を報告しています。このような直接的カップリング反応を行おうとすると、大抵はたくさんあるC-H結合の位置選択性や、ホモカップリング体の副生などが問題となってきますが、彼らは酸化反応に活性の高いインドール誘導体と、過剰のベンゼン誘導体を用いてこの問題を(とりあえずは、ですが)解決しています。

このような直接的Pdカップリングでは、カルボキシレート系のものを塩基として用いるのがポイントのようです。分子内プロトン引き抜きによるアリールPd生成機構が提唱されています(関連文献[1][2]参照)。

Keith Fagnouは2002年にPh.Dを取得してオタワ大学でポストを獲得した若手研究者です。直接的クロスカップリング反応の研究で、JACSをはじめとした高インパクトファクターのジャーナルにどんどん論文を出しており、もっか売り出し中の要注目研究者です。

文献

Stuart, D.R.; Fagnou, K.Science2007,316, 1172. (DOI: 10.1126/science.1141956)

関連文献

[1] Lafrance, M.; Rowley, C. N.; Woo, T. K.; Fagnou, K.J. Am. Chem. Soc.2006,128, 8754. (DOI:10.1021/ja062509l)

[2] Lafrance, M.; Fagnou, K.J. Am. Chem. Soc.2006,128, 16494.(DOI:10.1021/ja067144j)

関連リンク

Fagnou Group

Pd触媒を必要としない(!?)鈴木カップリング反応(Chem-Station:有機って面白いよね!) 

最近の論文から~ピロールの直接的カップリング(Chem-Station:有機って面白いよね!)

2007年6月 5日 cosine | | コメント(0)

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