[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

PACIFICHEM2010に参加してきました!②

[スポンサーリンク]

(写真は、学会のメイン会場であるヒルトンハワイアンビレッジ)

どくたけによるPACIFICHEM体験記第2弾!前回の記事の続きです!
今回も徒然なるままに書いていこうと思います。

さて、無事に(?)自分の講演をやりきったどくたけは翌日、
早速お目当ての研究者の講演を拝聴しに意気揚々と会場へ向かいました。

しかしながらこのPACIFICHEM、相当の過密スケジュールなのかなんなのか、1番早い講演が何とAM7:30から始まります(苦笑)さすがにこの時間のセッションには間に合いませんでした。自分が早朝のセッションじゃなくてほんと良かったー…なんて。とか何とか考えてるうちに会場に到着。午前のお目当ての会場は”Metal Catalysis for Asymmetric Synthesis”、本会場での全ての講演の感想を述べるのは大変なので割愛しますが、やはり何と言っても(あくまで個人的ですが)お目当ては金井求先生と、小笠原正道先生です。

金井先生のご講演を拝聴するのは、万有シンポジウム以来だったのですが、やはり金井研の研究から受ける印象は群を抜いて鮮やかです。講演の内容は、Cu触媒を用いた不斉四級炭素の構築と新規配位子の開発が主だったようですが、その独自の触媒の設計と開発、生み出された反応の力量は金井先生の卓越した先見的な思想の賜物と感じました。

さて、昨日の疲れもあってか、英語の講演を聞いているとうとうとしてしまいましたが、眠い目をこすって小笠原先生の講演を拝聴しました。講演の内容は、眠気も吹き飛ぶ洗練されたケミストリー、Pd触媒による軸不斉光学活性アレンの合成とその天然物への応用でした。この分野で他の追随を許さない感じのする軸不正アレン界のフロントランナーである小笠原先生は、DeBuPHOS(=デブホス)という名前の新規配位子の開発でも有名です。

デブって(笑)

 
と筆者は率直に思いました。同じような感想をお持ちになった読者の方もおられると思いますが、この独特のユニークな名前の配位子は、(正式名称は失念しましたが)Deca-tBu-phosphineの略称でDeBuPHOSだそうです。本当にデブっぽい(=大きい、かさ高い)構造にちなんで名付けられたんだそうです。その話の真偽はともかくも、相当にかさ高い配位子ですね。筆者が別の機会に小笠原先生の日本語の講演を拝聴した際には、この配位子のデブ的な(笑)特徴についてもお話しされていました。

DEBU.jpg図:DeBuPHOSの構造

(おもしろい名前の配位子の話は、過去記事:「ユニークな名前を持つ配位子」にもあります)

 
 
午後も引き続き、同セッションを拝聴しました。全ての感想を述べる事は出来ませんが、ただ一つ言える事は、White教授は美しいということでした(ノ∀`)(照)講演内容は、まさに畳み掛けるといったような感じで、圧倒されてしまいました。ちなみに、White教授の講演の様子(PACIFICHEM2010ではありませんが)は、気ままに有機化学さんの過去記事:今秋のACSの講演をオンラインで見よう!で拝聴することが出来ます。目見麗しいそのご尊顔に引けを取らない、White教授のしなやかで美しい化学を拝聴してみてはいかがでしょうか?

話が色々な所に飛び火しましたが、今回はこの辺でm(_ _)m
まだまだ続きます!
 
 

Avatar photo

どくたけ

投稿者の記事一覧

HNのどくたけはdoctor Kの略語です。 chem stationを通して、化学の素晴らしさ面白さ等を 伝えていけたらいいなと思います。 宜しくお願いいたします。

関連記事

  1. 蛍光と光増感能がコントロールできる有機ビスマス化合物
  2. 環状アミンを切ってフッ素をいれる
  3. 有機合成化学協会誌2023年6月号:環状ペプチド天然物・フロキサ…
  4. 計算化学:基底関数って何?
  5. 第20回次世代を担う有機化学シンポジウム
  6. 置き去りのアルドール、launch!
  7. 巨大複雑天然物ポリセオナミドBの細胞死誘導メカニズムの解明
  8. 二段励起型可視光レドックス触媒を用いる還元反応

注目情報

ピックアップ記事

  1. 臭素系難燃剤など8種を禁止 有害化学物質の規制条約
  2. IBX酸化 IBX Oxidation
  3. JACSベータ
  4. 死刑囚によるVXガスに関する論文が掲載される
  5. 三菱化学が有機太陽電池事業に参入
  6. 免疫応答のシグナル伝達を遮断する新規な免疫抑制剤CPYPP
  7. YMC研究奨励金当選者の声
  8. 創薬における中分子
  9. MI conference 2025開催のお知らせ
  10. ペロブスカイト太陽電池が直面する現実

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年12月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

条件の「前後」も実験条件である【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

そのpH、“本当にその場所”の値ですか?ニードル式pHセンサーを使ってみた!

突然ですが、「培養の再現性がなんか悪い」「同じ条件のはずなのに結果がズレる」といった経験はあ…

「骨格編集」×「ナノカーボン合成」〜ナノカーボン合成の新戦略を実証〜

第719回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院工学研究科(忍久保研究室)博士後期課程2年の平…

【書評】立体化学 はじめの一歩

立体化学は,分子の三次元構造を理解するための重要な分野であり,有機化学や…

水のシミュレーション入門 — 水分子を計算機の中でどう”描く”か —

身近なのに、計算機にとって手強い"水"。本記事では、点電荷モデルから機械学習まで、その"描き方"の進…

◆◇◆◇ 第36回フォーラム・イン・ドージン開催のご案内 ◆◇◆◇

同仁化学研究所が熊本から世界へ情報発信するフォーラム・イン・ドージンの開催ご案内です。今年は『な…

『力』による円偏光発光のon/off制御を単一分子レベルで実現

第718回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 物質理工学院(相良研究室)博士後期課程2年の野中…

数日かかっていた反応機構解析を、わずか数分に!

機械学習ポテンシャルが変える計算化学の現在近年、DFT計算による反応機構解析は広く行われるよ…

海外ポスドクのオファーをもらう【アメリカで Ph.D. を取る: 進路編】

ポスドクとして海外に留学する場合、希望する研究室の教授に直接連絡を取り、面接などを通して適性を判断さ…

MDで観るトライボロジー 〜原子が擦れるその場をシミュレーション〜

軽くて強いのに摩耗に弱いチタン合金は、航空機や人工関節に広く使われています。原子が擦れ合うその場を分…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP