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不安定試薬の保管に!フードシーラーを活用してみよう

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皆さんのラボでは空気や水に不安定な試薬、どのように保管していますか?

試薬の空き缶をビニールテープでぐるぐる巻きにしたり、試薬瓶の口をテフロンテープなどで巻いたり、なんとかして密閉しようといろいろ工夫しているのではないでしょうか。お金に余裕のあるラボなら、グローブボックスを丸ごと使っていたりするかもしれませんが、どこでもできる保管法ではありません。ゆえに、それぞれのラボ毎に工夫がある点だと思います。

今回は不安定試薬保管に役立つ、家庭用フードシーラーの活用法をご紹介します。

筆者のいたラボでは昔から、厚手のビニル袋に乾燥剤(青ゲル)を封入し、アルゴン置換し、下記の様な電熱圧着式卓上シーラーを使って密閉保管する、という一連の作業を採用していました。

卓上シーラー(アズワンECサイトより引用)

 

作業自体に特に疑問は持っていなかったのですが、しばしばうまく閉じられないことがあったり、内気を上手く抜かないと膨れて嵩張ってしまうなど、何となく気になる点もあったりしました。

最近、家庭用フードシーラーを使うと良いですよとの意見を頂き、試して見ることにしました。汎用卓上シーラーとは異なり、真空パックまでしてくれることが強みです。さらに家庭用普及品なので安い!

早速コスパの良さそうな下記Tenswall製品を購入してみました。袋も100枚ぐらい最初から付属してくるのでオトク。

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試薬瓶(と必要に応じて青ゲル)を袋の中に入れ、フードシーラーにセットし、ボタンを押すだけで完成。気になる人は、密閉前に内部をアルゴンフラッシュしておけば万全でしょう。

実物の写真。やってみるとめちゃくちゃ簡単です。なぜこの方法を今まで知らなかったのか・・・!もはや普通の密閉作業には戻れません。

ラボ用品の多くは、専門実験用途を想定している場合が多いので、機能の割に不必要に高価な製品が沢山あると思います。そういう場合には、機能が同じ家庭用製品を流用するという方策により、必要十分に安くあげることも可能です。

同じような密閉作業を沢山やる機会のある皆さん、是非一度お試しあれ!

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cosine

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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