[スポンサーリンク]

ケムステしごと

企業研究者たちの感動の瞬間: モノづくりに賭ける夢と情熱

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4759819320″ locale=”JP” title=”企業研究者たちの感動の瞬間: モノづくりに賭ける夢と情熱”]

概要

有機合成化学およびプロセス化学に関係した研究の現場での,企業化や商品化に賭けるそれぞれの企業の情熱が伝わってくる読み物.産業界に所属する研究者の「企業における成功体験」や「企業化,プロセス化に向けた研究時の感動の瞬間」などのエピソードがまとめられている.素晴らしい成功の裏に隠された苦労話や失敗の教訓は,毎日研究に勤しむ学生だけでなく,企業研究者にとっても,役に立つコトバに満ちあふれている.(引用:化学同人

対象

  • 化学で飯を食うことを志す人
  • 就職活動中の人
  • 大学生以上(内容の完全理解は大学院生以上が望ましい)
  • 一流の研究者を目指す人

内容

ついにでた!!待望の書籍「感動の瞬間シリーズ」(勝手にシリーズ化している)第二弾!第一弾である『化学者たちの感動の瞬間』は大学、つまり偉大な教授陣が感動した研究の発見物語を記したもの。それに対し、今回の第二弾は、企業研究者が対象である。世界中でしられている製品を作り上げた企業研究者の感動の瞬間を紹介している。

ちなみに第一弾は私にとってもバイブルそのもの(参考:化学の魅力を伝えるために)。昔はちょっと気分が落ち込んだときに覗いてみることが恒例になっていた(今は学部生に貸して、帰ってきません。そろそろ返してくれるとよいのだけど苦笑)。

内容は対象とする製品を、I. 医農薬 II. ファインケミカル・材料に分類し、34人(会社)の感動の瞬間を紹介している。研究者を紹介する前に、1ページ企業の紹介がある。世界で活躍する製品を生み出した化学・製薬会社だけに、掲載されている企業も一流企業ばかりだ。各企業の目標が1ことで述べられているが、ここには何も感じない。

記事は1つのストーリが4〜6ページほどで紹介されており大変読みやすい。そして、アツい!

「アツさ」は説明するものでもないのでぜひ閲覧して確認して欲しい。執筆している研究者も学生の時も含めてかなりブイブイいわせていた人が多く、よく知っている名前も多い。企業とか大学とか関係ない。優秀な研究者は一握りであるが、彼らが企業を支えているのだと感じさせる。

記事の中身は有機合成化学協会と日本プロセス化学会が企画、編集を行っただけに、基本的には(ないものもあります)構造式がふんだんに使われている。下記の例のようにかなり複雑化合物(医薬品)の合成の例も多い。

記事例(出典:化学同人)

 

余談となるが、正直って、内容のほとんどない一般向けの会社説明パンフレットつくり、特に中身の語らないカッコイイ言葉をならべるよりも、このような研究の話を紹介・配布したほうが100万倍よい。本当に合成化学が好きで、できる学生はその会社を選ぶはずだ。私は、こういう書籍を楽しそうに読む学生と一緒に研究をしたい。

以上、有機化学を主に、企業研究者になりたいならば(アカデミックであっても)絶対に自分の手に持っておきたい書籍である。今年一番のおすすめ本です。ぜひ購入してください。

関連書籍

[amazonjs asin=”4759810803″ locale=”JP” title=”化学者たちの感動の瞬間―興奮に満ちた51の発見物語”]

ケムステ紹介関連書籍書評

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. リビングラジカル重合ガイドブック -材料設計のための反応制御-
  2. 【書籍】ゼロからの最速理解 プラスチック材料化学
  3. 【書籍】セルプロセッシング工学 (増補) –抗体医薬から再生医…
  4. だれが原子を見たか【夏休み企画: 理系学生の読書感想文】
  5. Spiber株式会社ってどんな会社?
  6. お”カネ”持ちな会社たちー2
  7. 企業の研究開発のつらさ
  8. 赤外線の化学利用:近赤外からテラヘルツまで

注目情報

ピックアップ記事

  1. アミドをエステルに変化させる触媒
  2. [6π]光環化 [6π]Photocyclization
  3. 【好評につき第二弾】Q&A型ウェビナー マイクロ波化学質問会
  4. NHC‐ZnBr2触媒を用いた二酸化炭素の末端エポキシドへの温和な付加環化反応
  5. 海洋シアノバクテリアから超強力な細胞増殖阻害物質を発見!
  6. 第十二回ケムステVシンポ「水・有機材料・無機材料の最先端相転移現象 」
  7. 可視光を吸収する配位子を作って、配位先のパラジウムを活性化する
  8. ここまで進んだ次世代医薬品―ちょっと未来の薬の科学
  9. ソープ・チーグラー反応 Thorpe-Ziegler Reaction
  10. 化学研究者のためのやさしくて役に立つ特許講座

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年4月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

酸素は系内に入り込み続ける【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

アンモニウム構造によりラジカル種の発生位置を完全に制御!

第710回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の榊原 陽太(さかきばら …

化学つれづれ草【ある研究者の回想】

概要物理化学者で量子機能材料を専門とする著者によるエッセイ集.化学者としての研究,教育,人生…

第60回有機反応若手の会

開催概要有機反応若手の会は、有機化学分野で研究を行う全国の大学院生を中心とした若手研究者が集い、…

ノーベル賞受賞者と語り合う5日間!「第18回HOPEミーティング」参加者募集!

申し込みはこちら概要主催:独立行政法人 日本学術振興会(JSPS)開催地:神奈川…

光触媒による高効率なCO2還元の実現―まさかの光を弱く当てることが重要だった―

第709回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 理学院(前田研究室)博士後期課程2年の仲田竜一 …

「π-πスタッキング」という言葉が生む誤解【芳香環の相互作用を見直す: 前編】

芳香環が平行に並んで近接しているとき、その構造を「π–π スタッキング」と表されることがよくあります…

一重項酸素によるC(sp2)−P結合切断を用いた長波長光によるリン化合物のアンケージング

第 708 回のスポットライトリサーチは、同志社女子大学 薬学部 医療薬学科 5…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける画像解析の活用ガイド

開催概要材料開発において、電子顕微鏡やX線トモグラフィーを用いて材料の微細構造を観察するために画…

世界初のPROTAC医薬、ついに承認 ―「タンパク質を阻害する」から「分解する」時代へ

2026年5月、創薬化学の歴史に残る大きな出来事が起きました。米国 FDA は、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP