[スポンサーリンク]

K

ノッシェル・ハウザー塩基 Knochel-Hauser Base

[スポンサーリンク]

概要

TMPMgCl・LiClKnochel-Hauser塩基と呼ばれ、芳香環を脱プロトン化して核メタル化を行える有用な試薬である。

このような変換は従来アルキルリチウム・リチウムアミドで行われてきたが、強い求核性ゆえに副反応が避けられなかった。

TMPMgCl・LiClはそれに比して官能基選択性が高く、かつ実用的な温度範囲で行える優れた試薬である。従来使用の難しかった電子不足複素環などに対しても適用可能であり、有用性が高い。

 

基本文献

  • Krasovskiy, A.; Krasovskaya, V.; Knochel, P. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 2958. DOI: 10.1002/anie.200504024

反応機構

 

反応例

 

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

  • Lin, W.; Baron, O.; Knochel, P. Org. Lett. 2006, 8, 5673.
  • (a) Piller, F. M.; Knochel, P. Org. Lett. 2009, 11, 445. (b) Piller, F. M.; Appukkuttan, P.; Gavryushin, A.; Helm, M..; Knochel, P. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 6802.

関連反応

 

関連書籍

[amazonjs asin=”0471999083″ locale=”JP” title=”Grignard Reagents: New Developments”][amazonjs asin=”0824795458″ locale=”JP” title=”Handbook of Grignard Reagents (Chemical Industries)”]関連リンク

 

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ピクテ・ガムス イソキノリン合成 Pictet-Gams Iso…
  2. エヴァンスアルドール反応 Evans Aldol Reactio…
  3. フィッシャーカルベン錯体 Fischer Carbene Com…
  4. 歪み促進型アジド-アルキン付加環化 SPAAC Reaction…
  5. 不均一系接触水素化 Heterogeneous Hydrogen…
  6. PCC/PDC酸化 PCC/PDC Oxidation
  7. マクマリーカップリング McMurry Coupling
  8. ボーチ還元的アミノ化反応 Borch Reductive Ami…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 電気化学と金属触媒をあわせ用いてアルケンのジアジド化を制す
  2. メリークリスマス☆
  3. 光触媒水分解材料の水分解反応の活性・不活性点を可視化する新たな分光測定手法を開発
  4. 飽和C–H結合を直接脱離基に変える方法
  5. 1-トリフルオロメチル-3,3-ジメチル-1,2-ベンゾヨードキソール : 1-Trifluoromethyl-3,3-dimethyl-1,2-benziodoxole
  6. シャピロ反応 Shapiro Reaction
  7. 消光団分子の「ねじれ」の制御による新たな蛍光プローブの分子設計法の確立
  8. クノール ピロール合成 Knorr Pyrrole Synthesis
  9. 富士フイルムが医薬事業に本格参入
  10. グローバルCOE審査結果

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年9月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP