[スポンサーリンク]

ケムステニュース

塩野義製薬/米クレストール訴訟、控訴審でも勝訴

[スポンサーリンク]

塩野義製薬は17日、米国で提訴していた高脂血症治療薬「クレストール」の特許侵害を巡る訴訟の控訴審で勝訴したと発表した。米後発薬メーカーのマイランなど7社と争っていたもので、今回の判決により7社は2016年7月までクレストールの後発薬を販売できないという。

 クレストールは塩野義の主力製品。マイランなどが米食品医薬品局(FDA)に同薬剤の後発品を申請したため、塩野義と、同社が販売権を譲り 渡した英医薬品大手、アストラゼネカが特許保護のために提訴していた。一審のデラウェア連邦地裁では特許有効の判決が出たが、これを不服とするマイランなどが米国連邦巡回裁判所に控訴していた。

日本経済新聞 2012/12/17

 

CRESTOR ® (rosuvastatin calcium)は2011年世界売上79億ドルの超大型医薬品ですが、(その知財保護の脇が甘いと考えた?)米後発品メーカー8社が特許期間中の後発薬発売申請を行いました。それに対抗して、塩野義と導出先であるアストラゼネカは特許保護のために、米国内でのクレストール後発薬製造・販売を中止するよう求めて提訴を行い、2010年6月に一審で勝訴しておりました。更に今回の控訴審判決により2016年7月まで保護されることが確定しました。

 

クレストールは、医薬品世界売上1位のリピトール(atorvastatin calcium hydrate) と同じくスタチン製剤と呼ばれる高脂血症治療薬です。リピトールが後発品の登場により売上を下げる一方で、クレストールは2008年16位、09年10位、10年9位、11年5位と順調に売上を延ばしてきております。

今回のニュースにより後発品発売のリスクは遠ざかったのですが、同クラスの薬剤であるリピトール後発品とのシェア争いの激化が予想されます。どうなるか注目です。

 

rosuvastatin.gif

 

外部リンク

 

関連記事

  1. 秋田の女子高生が「ヒル避け」特許を取得
  2. 危険物取扱者試験の乙種全類 磐田農高生6人が合格
  3. 新規作用機序の不眠症治療薬ベルソムラを発売-MSD
  4. 京のX線分析装置、国際標準に  島津製・堀場、EU環境規制で好調…
  5. 塩野義 抗インフルエンザ薬製造・販売の承認を取得
  6. 帝人骨粗鬆症治療剤「ボナロン錠」製造販売承認
  7. 「自然冷媒」に爆発・炎上の恐れ
  8. 新しい抗生物質発見:MRSAを1分で99.99%殺菌

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. コロナウイルスCOVID-19による化学研究への影響を最小限にするために
  2. 常温・常圧で二酸化炭素から多孔性材料をつくる
  3. sp2-カルボカチオンを用いた炭化水素アリール化
  4. 「イカ」 と合成高分子の複合により耐破壊性ハイドロゲルを開発!
  5. 超一流化学者の真剣勝負が生み出した丸かぶり論文
  6. “Wisconsin Process”について ~低コスト硝酸合成法の一幕~
  7. スティーヴンス転位 Stevens Rearrangement
  8. 2011年ロレアル・ユネスコ女性科学者 日本奨励賞発表
  9. スケールアップ検討法・反応・晶析と実験のスピードアップ化【終了】
  10. 緑膿菌の代謝産物をヒトの薬剤に

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年12月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

第8回 学生のためのセミナー(企業の若手研究者との交流会)

有機合成化学協会が学生会員の皆さんに贈る,交流の場有機化学を武器に活躍する,本当の若手研究者を知ろう…

UBEの新TVCM『ストーリーを変える、ケミストリー』篇、放映開始

UBE株式会社は、2023年9月1日より、新TVCM『ストーリーを変える、ケミストリー』篇を関東エリ…

有機合成化学協会誌2023年9月号:大村天然物・ストロファステロール・免疫調節性分子・ニッケル触媒・カチオン性芳香族化合物

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2023年9月号がオンライン公開されています。…

ペプチドの精密な「立体ジッパー」構造の人工合成に成功

第563回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 工学系研究科応用化学専攻 藤田研究室の恒川 英…

SNS予想で盛り上がれ!2023年ノーベル化学賞は誰の手に?

さてことしもいよいよ、ノーベル賞シーズンが到来します!化学賞は日本時間 10月4日(水) 18時45…

ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2023年版】

各媒体からかき集めた情報を元に、「未来にノーベル化学賞の受賞確率がある、存命化学者」をリストアップし…

DMFを選択的に検出するセンサー:アミド分子と二次元半導体の特異な相互作用による検出原理を発見

第562回のスポットライトリサーチは、大阪府立大学(現:大阪公立大学)大学院 工学研究科 電子・数物…

イグノーベル賞2023が発表:祝化学賞復活&日本人受賞

今年もノーベル賞とイグノーベル賞の季節がやってきました。今年もケムステではどちらについても全速力で記…

ポンコツ博士の海外奮闘録XXII ~博士,海外学会を視察する~

ポンコツシリーズ国内編:1話・2話・3話国内外伝:1話・2話・留学TiPs海外編:1話・…

マテリアルズ・インフォマティクスの導入・活用・推進におけるよくある失敗とその対策とは?

開催日:2023/09/20 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP