[スポンサーリンク]

化学教育

ドラえもん探究ワールド 身近にいっぱい!おどろきの化学

[スポンサーリンク]

概要

「化学」への興味の芽を育むマンガ+解説書 子ども(大人も)の毎日は、「化学」とのお付き合いから始まります。

<たとえば>
*寝グセ・・・髪の毛の水分とアミノ酸の結合の問題
*歯みがき・・・口内環境が酸性化しないための習慣
*朝ご飯の卵焼きやヨーグルト・・・タンパク質の変性でできあがる
*不織布のマスク・・・繊維を熱で固めている

これはほんの一部ですが、くらしの中の身近なモノ・コトと、「化学」のつながりを、本書は平易に解説しています。

しかもドラえもんのマンガが導入だから楽しい!化学の面白さに気づく!興味がぐんぐん育つ!.(引用:小学館より)

対象者

ホントに誰でも。ふりがなも振ってあるので小学生でも読めます。

目次

【第1章 ものの成り立ち】
◎まんが/半分の半分のまた半分…
・ものをどんどん切っていくと…?
◎まんが/サンタイン
・どんな変身も自由自在! 物質の変化の秘密

【第2章 家の中で見つける化学】
◎まんが/クモノイトン
・どこまでも続くミクロな世界
・選択で衣類をピカピカに!
◎まんが/おかし牧場
・おかしに欠かせない甘さ
・はじけるうまさ、ふくらむ笑顔
・化学反応で料理を知ろう!
◎まんが/メロディーガス
・からだから出るガスとエネルギー
・からだの中は化学物質の宝庫
◎まんが/歯みがきで強くなろう
・歯みがきでむし歯を防ぐ!
・中和でピカピカに! 家の大掃除

【第3章 まちにあふれる化学】
◎まんが/おおかみ男クリーム
・変身できなくても、おしゃれしたい
・髪の毛も化学の力で思い通り
◎まんが/エスキモー・エキス
・熱エネルギーは引越しがお好き?
・熱のパワーを利用しよう
◎まんが/宇宙戦艦 のび太を襲う
・ウイルスが攻めてきた!!
・地球を侵略しているのは、私たち人間?!
・地球を守るための工夫

【第4章 行事の中の化学】
◎まんが/力をためる力電池
・電気をためて持ち運ぶ
・化学の力でエネルギーをつくり出す
◎まんが/花火のたね
◎まんが/はるかぜうちわ
・季節や行事の中にも化学がいっぱい
・新学期とお道具箱~何が入っているかな?
・夏だ! 祭りだ! 花火だ!
・食欲の秋と紅葉狩り
・新年のごちそうと雪合戦

【あとがき】・・・中 寛史
化学で私たちの未来はどう変わる?

解説

ドラえもんの本なんて、せいぜい教科書レベルの内容だろう。そう思っていましたが、読んでみると知らない化学の内容が満載の興味深い本でした。

本書は、ドラえもん探究ワールドシリーズの中の一巻で、今年の3月に出版されたばかりの新書です。各トピックでは、近い内容のドラえもんのマンガが前座として掲載されており、それに続いて化学の内容が解説されています。マンガは単行本の引用で、いくつかは読んだことがある内容でしたが、関連度が極めて高く、文字が多い解説パートに躊躇なくページを進めることができます。

掲載されているマンガの一例(出典:ドラえもん探究ワールド 身近にいっぱい!おどろきの化学 まんが:藤子・F・不二雄 監修:藤子プロ 中寛史 出版社:小学館

マンガの後に続く解説(出典:ドラえもん探究ワールド 身近にいっぱい!おどろきの化学 まんが:藤子・F・不二雄 監修:藤子プロ 中寛史 出版社:小学館

各章ごとに内容を見ていきます。第1章では化学の基礎として高校化学レベルの内容がまとめられております。しかし、細部の記述は詳しく、例えば周期表では118番の元素に対して金属/非金属と遷移金属か否かまでまとめられています。第2章は、家の中の化学品として繊維や洗剤、化粧品などを解説しています。一般向けの解説では、洗濯洗剤には界面活性剤が入っていて、汚れに対してミセルを形成して剥がすまでを説明していることが多いですが、本書では、漂白剤と洗剤の違い還元型と酸化型の漂白剤の違い洗剤と柔軟剤の吸着の違いなど、かなり踏み込んだ内容までも構造式を交えて取り扱っています。特に洗剤と柔軟剤の違いについて自分は知らなかったので、化学を勉強した方でもこの本を読むと新たな発見があると思います。

第3章は街の中の化学として、化学におけるエネルギーの原理や環境問題、電池、光触媒といったトピックが取り扱われています。第2章と比べると典型的な内容が多いですが、化合物の名前や用語(p型n型半導体など)がぼやかすことなく使われており、詳細をインターネットで調べることができるような構成となっています。第4章では、色に関する化学現象を中心に解説しています。具体的には、消せるボールペンの仕組みや、炎色反応、日焼け止めの違いなどが紹介されており、詳しい文章に対して程よいレベルの図が添えられており、正しくかつ楽しく理解できる内容になっていると思います。

タイトルは覚えていませんが、自分が小学生の頃に宇宙に関する似たような本を図書館で読みました。その本は、本書のように自分の親が知らない内容が満載で面白かったことを記憶しており、ドラえもんの解説本は、科学について知るには最適な書籍だと思います。本書は、京都大学大学院薬学研究科の薬品分子化学分野研究室に所属されている中寛史准教授が監修をされており、最前線で活躍する専門家が出版に関わられたことでこのような質の高い解説本が完成したと想像できます。ドラえもんのマンガを読むついでに身の回りの化学について少し勉強してみませんか。

化学一般書のケムステ書籍レビュー

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 【書籍】ゼロからの最速理解 プラスチック材料化学
  2. ハートウィグ有機遷移金属化学
  3. 藤沢晃治 「分かりやすい○○」の技術 シリーズ
  4. 植物たちの静かな戦い
  5. 2016年8月の注目化学書籍
  6. English for Presentations at Int…
  7. 化学探偵Mr.キュリー6
  8. 香料化学 – におい分子が作るかおりの世界

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 在宅となった化学者がすべきこと
  2. 複雑天然物Communesinの新規類縁体、遺伝子破壊実験により明らかに!
  3. シリル系保護基 Silyl Protective Group
  4. 二酸化炭素をはきだして♪
  5. HTML vs PDF ~化学者と電子書籍(ジャーナル)
  6. メルドラム酸:Meldrum’s Acid
  7. クリスティーナ・ホワイト M. Christina White
  8. グリコシル化反応を楽にする1位選択的”保護”反応
  9. むずかしいことば?
  10. 杏林製薬、ノバルティス社と免疫抑制剤「KRP-203」に関するライセンス契約を締結

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

注目情報

最新記事

二酸化炭素をほとんど排出せず、天然ガスから有用化学品を直接合成

第396回のスポットライトリサーチは、東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 山口研究室の和知 …

「mihub」を活用したマテリアルズインフォマティクスの実践 -実験条件の最適化を促すための活用ケース-

開催日:2022/07/13 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

【7/28開催】第3回TCIオンラインセミナー 「動物透明化試薬ウェビナー CUBICの基礎と実例」

第3回TCIオンラインセミナーを開催いたします。現在、動物透明化技術は注目の手技です。本セミ…

金属アルコキシドに新たなファミリー!Naでも切れない絆

アルカリ金属と1-アダマンタノール (HOAd1)の混合により、平面三角形構造かつ未還元のヒドロキシ…

理工系のAI英作文術

概要英語が苦手な人でもAI自動翻訳を使えば、短時間で英語が得意な人に匹敵する英文が書…

Ni(0)/SPoxIm錯体を利用した室温におけるCOの可逆的化学吸着反応

第395回のスポットライトリサーチは、大阪大学大学院 工学研究科 (生越研究室)・山内泰宏さんにお願…

第27回ケムステVシンポ『有機光反応の化学』を開催します!

7月に入り、いよいよ日差しが強まって夏本格化という時期になりました。光のエネルギーを肌で感じられます…

国内最大級の研究者向けDeepTech Company Creation Program「BRAVE FRONTIER」 2022年度の受付開始 (7/15 〆切)

Beyond Next Ventures株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社⻑:伊藤毅、以下「…

イミンアニオン型Smiles転位によるオルトヒドロキシフェニルケチミン合成法の開発

第394回のスポットライトリサーチは、東京農工大学 大学院工学府 応用化学専攻 森研究室の神野 峻輝…

マテリアルズ・インフォマティクスで用いられる統計[超入門]-研究者が0から始めるデータの見方・考え方-

開催日:2022/07/06 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP