[スポンサーリンク]

その他

化学装置~化学業界のリーディングマガジン~

[スポンサーリンク]

概要

半世紀以上、発行を続けてきた化学工業分野唯一の専門技術雑誌。プラントエンジニアリング、化学機器装置の設計、施工から粉粒体処理技術、省資源・省エネルギー技術、環境保全技術(水、排水処理・排ガス処理・固体廃棄物処理)、食品・医薬品・化粧品製造技術までその内容は広範囲に及びます。時代の話題を先取りし、最先端の化学技術情報からネットでは得られない「使える現場技術」情報が満載です。機器・装置の選定決定者や工務担当者、装置開発・設計者必携の月刊技術雑誌です。(引用:Fujisan.co.jp

対象者

食品・医薬品・化粧品を含む化学品の製品開発や製造プロセス、安全管理に関わる技術者。製造に関する内容にとどまらず、大学や研究機関での研究活動でも役立つ内容も掲載されています。

解説

化学の月刊誌と言えば化学現代化学が有名で、これらの雑誌では最新の化学に関する研究トピックを分かりやすく解説しており、専門外の内容について日本語で触れることができる貴重な情報源です。値段も手ごろであり、個人で購入し毎月愛読している人もたくさんいらっしゃるかと思います。そんな化学一般雑誌とは一線を画すのが化学装置であり、化学品の製造活動に主眼を置いた内容を掲載しています。

マニアックな専門誌は各種業界から多く発行されておりますが、一冊五千円以上したり、定期購入のみでしか購入できないなど、企業での購入を前提としている雑誌も多くあります。一方、化学装置はアマゾンで各号販売されていますし、1部1980円と全く手が届かない価格ではないため、個人での購入も現実的な雑誌です。

以下、雑誌の内容を紹介していきますが、自分が購入したのは、化学装置2022年7月号であり、他の号では項目が大きく異なるかもしれません。

まず表紙を開いて掲載されている内容は広告であり、化学品の製造装置や部品が紹介されています。製造装置の購入を検討している場合には大変有用な情報ですが、それ以外にも食品や化学品の製造においてどのような問題があり、その問題を解決するためにどのような工夫が装置に施されているかを知ることができます。

掲載されている食品用ポンプ

製造分野で使う機器以外にも研究用途の機器もいくつか紹介されています。

掲載されているスプレードライヤー

本編の冒頭には巻頭言と技術トピックスが掲載されています。7月号では、iPS細胞由来NK細胞を大量に培養するための自動培養システムの納入について発表しており、技術的な内容としては細胞培養に最適な撹拌方法について詳しく論じられています。雑誌の中で最もボリュームのあるコンテンツは、特集の内容であり7月号では次世代医薬・化粧品(ファインケミカル)製造技術についていくつかの特設記事が掲載されていました。最初の記事である化粧品の最近の市場動向と技術傾向は、コロナで各化粧品の売り上げがどう変わったのか、どのような過程を経て新商品が作られるのか、商品開発におけるAIの活用方法などについて論じており、化粧品の専門家でなくても興味を持つことができる記事の内容でした。

特設記事の多くは製造装置についてで、より安全に効率的に化学品を製造するための各種装置の工夫が内容となっています。こちらは広告とは異なり、技術背景や工夫した点、製造結果などが詳しく解説されています。どの記事も技術的な課題と対策がはっきりしていて、専門外でも楽しめる内容でした。

特徴的な連載記事は安全談話室です。記事は二段構成になっており、一ページ目にProcess Safety Beaconの内容が掲載されています。その上で、談話室のメンバーが内容について議論を行い、事故をオリジナルの内容よりも深堀りしています。7月号では“もし~したらどうなるか?” ハザードレビューのための重要な質問というトピックについて取り上げており、議論では事故の最終報告書を参照しての事故原因解明や防止策の提案、日本での似たような事故事例の確認、事故防止に必要な考え方の提示などがなされています。安全に対する正しい知識と考え方を持っていることも研究者・技術者としては重要な要素ですので、この安全談話室から多くのことを学べると思いました。

読んでみると製造装置だけでなく、化学品製造全体に関する内容をカバーするコンテンツであることが分かりました。今回紹介した内容以外にも興味深い記事はあり、例えば8月号からは新しい連載、AI化学工学への応用が始まっているようです。バックナンバーの購入も可能ですので、自分に興味のある号のみピックアップして読むのも良いかと思います。

化学雑誌に関するケムステ過去記事

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 顕微鏡の使い方ノート―はじめての観察からイメージングの応用まで …
  2. タンパク質の構造と機能―ゲノム時代のアプローチ
  3. レーン 超分子化学
  4. Illustrated Guide to Home Chemis…
  5. サイエンスライティング超入門
  6. Name Reactions: A Collection of …
  7. 【書籍】「世界一美しい数学塗り絵」~宇宙の紋様~
  8. 有機化学1000本ノック【反応機構編】

注目情報

ピックアップ記事

  1. 文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり⑧:ネオジム磁石の巻
  2. ルィセンコ騒動のはなし(前編)
  3. 色素・樹脂材料処方設計におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用とは?
  4. 2005年ノーベル化学賞『オレフィンメタセシス反応の開発』
  5. NITEが化学品のSDS作成支援システムをNITE-Gmiccsにて運用開始
  6. 2014年化学10大ニュース
  7. 軽くて強いだけじゃないナノマテリアル —セルロースナノファイバーの真価
  8. 脱一酸化炭素を伴う分子間ラジカル連結反応とPd(0)触媒による8員環形成反応を鍵としたタキソールの収束的全合成
  9. FT-IR(赤外分光法)の基礎と高分子材料分析の実際【終了】
  10. こんなのアリ!?ギ酸でヒドロカルボキシル化

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

光でゆがむ分子 ― アルミニウム錯体の対称性の破れをコヒーレント振動分光で観測

第711回のスポットライトリサーチは、九州大学大学院理学研究院 化学部門(分光分析化学研究室)・江原…

有機合成のカラム精製に革新を 〜モノリスカラムで変わる「研究のスピード」〜

筆者の研究室では有機合成を行っています。合成も大変ですが、何より大変なのが精製操作。最近、とある…

酸素は系内に入り込み続ける【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

アンモニウム構造によりラジカル種の発生位置を完全に制御!

第710回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の榊原 陽太(さかきばら …

化学つれづれ草【ある研究者の回想】

概要物理化学者で量子機能材料を専門とする著者によるエッセイ集.化学者としての研究,教育,人生…

第60回有機反応若手の会

開催概要有機反応若手の会は、有機化学分野で研究を行う全国の大学院生を中心とした若手研究者が集い、…

ノーベル賞受賞者と語り合う5日間!「第18回HOPEミーティング」参加者募集!

申し込みはこちら概要主催:独立行政法人 日本学術振興会(JSPS)開催地:神奈川…

光触媒による高効率なCO2還元の実現―まさかの光を弱く当てることが重要だった―

第709回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 理学院(前田研究室)博士後期課程2年の仲田竜一 …

「π-πスタッキング」という言葉が生む誤解【芳香環の相互作用を見直す: 前編】

芳香環が平行に並んで近接しているとき、その構造を「π–π スタッキング」と表されることがよくあります…

一重項酸素によるC(sp2)−P結合切断を用いた長波長光によるリン化合物のアンケージング

第 708 回のスポットライトリサーチは、同志社女子大学 薬学部 医療薬学科 5…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP