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アーサー・L・ホーウィッチ Arthur L. Horwich

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アーサー・L・ホーウィッチ(Arthur L. Horwich、1951年1月4日- シカゴ生まれ)は、米国の生物学者である。イェール大学教授。

経歴

1973 ブラウン大学入学卒業
1975 ブラウン大学メディカルスクール博士(M.D)
1975 イェールニューヘブン病院インターン
1978 ソーク研究所博士研究員
1981 イェール大学医学大学院博士研究員
1984 イェール大学助教授
1987 イェール大学准教授
1995 イェール大学教授
1999 ハワード・ ヒューズ医学研究所研究員兼任

受賞歴

2001 Hans Neurath Award, Protein Society
2004 ガードナー国際賞
2006 Stein and Moore Award, Protein Society
2007 ワイリー賞
2008 Rosenstiel Award for Distinguished Work in Basic Medical Science
2008 ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞
2011 ラスカー賞(基礎医学部門)
2011 Massry Prize
2012 Shaw Prize in Life Science and Medicine

研究概要

分子シャペロンの発見

細胞内でのタンパク質のフォールディングを助ける分子マシン、特に、新生タンパク質を活性のある構造に変換する「かご」状構造(GroEL)の発見

1989年にドイツの生化学者Hartlとほぼ同時期に独立して、タンパク質の折りたたみを援助する大腸菌のシャペロニンを発見[1,2]。

1994年にはSiglerとともにX線結晶構造解析でGroELの構造を決定した[3]。1997年にはGroELとGroES(Hsp10)複合体のX線結晶構造解析に成功し、それらが結合するためにはアデノシン三リン酸(ATP)が必要であることがわかった。同時にそれを元にした、タンパク質折りたたみの機構を提唱した[5]

タンパク質の折りたたみ機構

 

参考文献

  1. Cheng, M.Y., Hartl, F.U., Martin, J., Pollock, R.A., Kalousek, F., Neupert, W., Hallberg, E.M., Hallberg, R.L. and Horwich, A.L. (1989). Mitochondrial heat-shock protein hsp60 is essential for assembly of proteins imported into yeast mitochondria. Nature. 337, 620-625.
  2. Ostermann, J., Horwich, A.L., Neupert, W., and Hartl, F.U. (1989). Protein folding in mitochondria requires complex formation with hsp60 and ATP hydrolysis. Nature. 341, 125-130.
  3. Braig, K., Otwinowski, Z., Hegde, R., Boisvert, D.C., Joachimiak, A., Horwich, A.L., and Sigler, P.B. (1994). The crystal structure of the bacterial chaperonin GroEL at 2.8 A. Nature. 371, 578-86.
  4. Fenton, W.A., Kashi, Y., Furtak, K., and Horwich, A.L. (1994). Residues in chaperonin GroEL required for polypeptide binding and release. Nature. 371, 614-619.
  5. Rye, H.S., Burston, S.G., Fenton, W.A., Beechem, J.M., Xu, Z., Sigler, P.B., and Horwich, A.L. (1997). Distinct actions of cis and trans ATP within the double ring of the chaperonin GroEL. Nature. 388, 792-798.
  6. Horwich, A.L. and Fenton, W.A. (2009). Chaperonin-mediated protein folding: using a central cavity to kinetically assist polypeptide chain folding. Q. Rev. Biophys. 42, 83-116.

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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