[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ジョージ・スミス George P Smith

[スポンサーリンク]

ジョージ・スミス(George P Smith, 1941年ー)は米国の生化学者である。ミズーリ大学コロンビア校の教授。2018年度ノーベル化学賞受賞。

経歴

1963 ハバフォード大学卒業
1970 ハーバード大学博士課程修了
1970 ウィスコンシン大学博士研究員
1975- ミズーリ大学コロンビア校助教授・准教授・教授

受賞歴

2018 ノーベル化学賞

研究概要

ファージディスプレイ法(ファージ提示法)の開発

1985年に繊維状ファージ(fdファージ)の感染能は保持しつつキャプシドタンパク質分子g3pのN末端にランダムペプチドをディスプレイさせることができると報告した[1]。標的分子に結合するペプチド(もしくはタンパク質)をライブラリー群から効率よく選別する方法であり、これがファージディスプレイ法の始まりである[2]。1990年には標的分子に結合するペプチド(のちにタンパク質や抗体でも可能であることが報告される)をライブラリーから効率よく同定できることを示した[3,4]。ペプチド、タンパク質のライブラリを構築するのに適した技術であり、多くの研究者に利用されている。ここでライブラリ化されたファージは「ファージライブラリー(phage library)」と呼ばれる。

なお、2010年にファージディスプレイ法により作製されたモノクローナル抗体がFDAに承認された。

関連文献

  1. Smith, G. P. Science, 1985, 228, 1315 DOI: 10.1126/science.4001944
  2. ファージデイスプレイの総説 Chem. Rev. 1997, 97, 391−410 DOI: 10.1021/cr960065d
  3. Parmley SF, Smith GP (1988) Antibody-selectable filamentous fd phage vectors: affinity purification of target genes. Gene 73:305-318.
  4. Scott JK, Smith GP (1990) Searching for peptide ligands with an epitope library. Science 249:386-390.

関連書籍

関連リンク

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 紫綬褒章化学者一覧 Medal with Purple Ribb…
  2. アリ・ワーシェル Arieh Warshel
  3. デニス・ホール Dennis G. Hall
  4. アメリ化学会創造的有機合成化学賞・受賞者一覧
  5. 磯部 寛之 Hiroyuki Isobe
  6. 野副鉄男 Tetsuo Nozoe
  7. ペッカ・ピューッコ Pekka Pyykkö
  8. 文化勲章・受章化学者一覧

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 「重曹でお掃除」の化学(その2)
  2. ディーン・タンティロ Dean J. Tantillo
  3. ユニークな名前を持つ配位子
  4. 化学のためのPythonによるデータ解析・機械学習入門
  5. Scifinderが実験項情報閲覧可能に!
  6. オッペナウアー酸化 Oppenauer Oxidation
  7. 有機反応を俯瞰するシリーズーまとめ
  8. 4-ヨードフェノキシ酢酸:4-Iodophenoxyaceticacid
  9. ノーベル博物館
  10. つり革に つかまりアセる ワキ汗の夏

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2018年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

5/15(水)Zoom開催 【旭化成 人事担当者が語る!】2026年卒 化学系学生向け就活スタート講座

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。化学業界・研究職でのキャリ…

フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

第610回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院理学研究科(依光研究室)に在籍されていた江 迤源…

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP