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高橋 雅英 Takahashi Masahide

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高橋 雅英(Takahashi Masahide, 1967年12月8日 – )は、日本の材料科学者である。独自の有機無機ハイブリッド材料の創成などで顕著な業績を挙げている。2020年現在、大阪府立大学 教授。

経歴

昭和61年(1986年)3月31日 大阪府立泉陽高等学校卒業
昭和62年(1987年)4月1日 神戸大学理学部化学科入学
平成3年(1991年)3月31日 同上 卒業
平成3年(1991年)4月1日 神戸大学大学院理学研究科化学専攻入学
平成5年(1993年)3月31日 同上 修了
平成5年(1993年)4月1日 神戸大学大学院自然科学研究科物質科学専攻入学
平成8年(1996年)3月31日 同上 修了
平成8年(1996年)3月31日 博士(理学)学位取得 (神戸大学)
学位論文題目「Optical properties and structure of rare-earth-doped fluoride glasses」

職 歴
平成5年(1993年)4月1日 ミノルタカメラ(株)光技術部 研究員
平成8年(1996年)4月1日 豊田工業大学大学院工学研究科 博士研究員
平成9年(1997年)5月1日 神戸大学ベンチャービジネスラボラトリー 講師(中核的研究機関研究員)
平成10年(1998年)4月1日 京都大学化学研究所 助手
平成15年(2003年)9月1日 京都大学化学研究所 助教授
平成19年(2007年)4月1日  京都大学化学研究所 准教授
平成21年(2009年)4月1日 大阪府立大学大学院工学研究科 教授(現職)
平成24年(2012年)4月1日  大阪府立大学21世紀科学研究機構
ナノメソ材料国際共同研究所 所長(兼任)

学外兼任
平成14年(2002年)11月1日 科学技術振興事業団さきがけ研究(PRESTO)
「光と制御」領域 研究員 (平成18年3月31日まで)
平成17年(2005年)4月1日   豊田理化学研究所 研究嘱託 (1年間)
平成18年(2006年)9月18日  昆明理工大学(中国) 客員教授(継続中)
平成18年(2006年)10月10日  サッサリ大学ナノテクノロジーおよび材料研究所 客員教授 (平成19年10月9日まで)
平成23年(2011年)4月1日   サッサリ大学建築学科 招聘教授(1ヶ月間)
平成24年(2012年)9月1日 カリアリ大学・サッサリ大学合同化学系PhD課程 教授(継続中)
平成25年度(2013年) 北海道大学電子科学研究所 非常勤講師
平成26年(2011年)11月1日  サッサリ大学建築学科 招聘教授(1ヶ月間)

受賞歴

平成9年 第2回日本応用物理学会講演奨励賞
平成12年 日本セラミックス協会 進歩賞
平成14年 Japan and Australasian Ceramics Society, Joint Ceramics Award
平成17年 日本化学会 BCSJ賞
平成20年 日本セラミックス協会関西支部 研究奨励賞
平成26年  日本セラミックス協会 学術賞

研究業績

有機・無機複合材料の開発と機能性の開拓

分子/ナノレベルで有機物質と無機物質を複合化することにより、それぞれの材料の特性を活かした機能性材料の創出を目指している。精密に分子/組成設計された有機-無機ハイブリッド材料や酸化物交互共重合体は材料となる元素単体の特性に加え、構造特性に由来する高い機能性を利用できる。分子構造・分子間相互作用・ハイブリッド化・核生成・相分離などミクロからマクロなスケールにわたる材料創成のコントロールにより、機能性表面。階層的他行性材料・外部刺激応答性材料・ナノ粒子・分子工学への応用を達成している(図参照)。

主な研究:

  • 元素や分子の特性とマクロな物性の関係解明
  • 精密な化学設計による新規材料創出
  • メソ〜マイクロスケールにおける構造制御およびそれらを活用した熱、光、電気機能材料の実現
  • 新しい材料による光、電気デバイス用材料の確立

名言集

「新しい材料、新しいコンセプトで、もっと多機能・高機能で人体に入れるデバイスを開発する。我々のかしこい材料への夢はこういうところにあります」(2018年 実録・アカデミックカフェ!「材料は科学でどこまでかしこくなるだろうか」)

コメント&その他

関連動画

関連文献

  1. Okada K., Nakanishi M., Ikigaki K., Tokudome Y., Falcaro P., Doonan C.J., Takahashi M.,
    “Controlling the alignment of 1D nanochannel arrays in oriented metal-organic framework films for host-guest materials design”,
    Chem. Sci., (2020). DOI: 10.1039/D0SC02958K
  2. Tarutani N., Tokudome Y., Jobbágy M., Soler-Illia G.J.A.A., Takahashi M.,
    “Microparticles with hetero-nanointerfaces: controlled assembly of cobalt hydroxide and nickel hydroxide nanoclusters towards improved electrochemical functions”,
    J. Mater. Chem. A, 7, 25290–25296 (2019). DOI: 10.1039/c9ta07141e
  3. Ikigaki K., Okada K., Tokudome Y., Toyao T., Falcaro P., Doonan C.J., Takahashi M.,
    “Oriented Growth of Multiple Layered Thin Films of Metal-Organic Frameworks (MOF-on-MOF) ”
    Angew. Chem. Int. Ed., 58, 6886–6890 (2019). (Cover page paper), DOI: 10.1002/anie.201901707
  4. Tarutani N., Tokudome Y., Jobbágy M., Soler-Illia G., Tang Q., Mueller M., Takahashi M.,
    “Highly Ordered Mesoporous Hydroxide Thin Films through Self-Assembly of Size-Tailored Nano-Building Blocks: A Theoretical-Experimental Approach”
    Chem. Mater., 31, 322-330 (2019). (Cover page paper) DOI: 10.1021/acs.chemmater.8b03082
  5. Tarzia A., Takahashi M., Falcaro P., Thornton A., Doonan C., Huang D.,
    “High-Throughput Screening of Metal–Organic Frameworks for Macroscale Heteroepitaxial Alignment”
    ACS Applied Materials & Interfaces, 10, 40938–40950 (2018). DOI: 10.1021/acsami.8b14756
  6. Takahashi M.,
    “Responsive and adaptive micro wrinkles on organic-inorganic hybrid materials”
    The Chemical Record, 18, 1222-1231 (2018). (Invited review paper) DOI: 10.1002/tcr.201800007
  7. Falcaro P., Okada K., Hara T., Ikigaki K., Tokudome Y., Thornton A.W., Hill A.J., Williams T., Doonan C., Takahashi M.,
    “Centimetre scale micropore alignment in oriented polycrystalline Metal-Organic Framework films via heteroepitaxial growth”,
    Nature Mater., 16, 342-348 (2017). DOI: 10.1038/nmat4815
  8. Suzuki K., Tokudome Y., Tsuda H., Takahashi M.,
    “Morphology Control of BiFeO3 Aggregates via Hydrothermal Synthesis”,
    J. Appl. Cryst., 49, 168-174 (2016). DOI: 10.1107/S1600576715023845
  9. Okada K., Asakura G., Nakahira A., Tokudome Y., Takahashi M.,
    “Macroporous Titanate Nanotube/TiO2 Monolith for Fast and Large-Capacity Cation Exchange”,
    Chem. Mater., 27, 1885-1891 (2015)FEB. DOI: 10.1021/acs.chemmater.5b00184
  10. Suzuki K., Malfatti L., Carboni D., Loche D., Casula M., Moretto A., Maggini M., Takahashi M., Innocenzi P.,
    “Energy transfer induced by carbon quantum dots in porous zinc oxide nanocomposite films”,
    J. Phys. Chem. C, 119, 2837–2843 (2015)JAN. DOI: 10.1021/jp510661d
  11. Okada K., Tokudome Y., Konstas K., Makiura R., Malfatti L., Innocenzi P., Ogawa H., Kanaya T., Falcaro P., Takahashi M.
    “Micropattern formation by molecular migration via UV-induced dehydration of block copolymer”
    Adv. Funct. Mater., 24, 2801-2809 (2014) MAY. DOI: 10.1002/adfm.201302812
  12. Okada K., Ricco R., Tokudome Y., Styles M.J., Hill A.J., Takahashi M., Falcaro P.
    “Copper conversion into Cu(OH)2 nanotubes for positioning Cu3(BTC)2 MOF crystals: controlling the growth on flat, 3D architecture and patterns”
    Adv. Funct. Mater., 24, 1969-1977, (2014)APR. (Cover page paper) DOI: 10.1002/adfm.201303303

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ニューヨークでポスドクやってました。今は旧帝大JKJ。専門は超高速レーザー分光で、分子集合体の電子ダイナミクスや、有機固体と無機固体の境界、化学反応の実時間観測に特に興味を持っています。

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