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化学者のつぶやき

【第14回Vシンポ特別企画】講師紹介:酒田 陽子 先生

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今回の記事では、第14回 ケムステバーチャルシンポジウム「スーパー超分子ワールド」をより楽しむべく、講師の一人である 酒田 陽子先生について紹介いたします。

酒田陽子 准教授(金沢大学)

 

略歴

2005.3 東京大学理学部化学科 卒業
2007.3 東京大学大学院理学系研究科化学専攻修士課程 修了
2010.3 東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程 修了
この間、2008.10 – 2008.12 ストラスブール大学(Jean-Pierre Sauvage教授)訪問学生
2009.4 – 2010.3 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2010.4 – 2011.3 日本学術振興会特別研究員(PD)
2011.4 – 2012.2 科学技術振興機構ERATO北川統合細孔プロジェクト 融合細孔グループ 博士研究員
2012.3 – 2014.3 神戸大学大学院理学研究科化学専攻 特命助教
2014.4 – 2018.9 金沢大学理工研究域物質化学系 助教
2018.10 – 現在 金沢大学理工研究域物質化学系 准教授

人物紹介

酒田先生は、東京大学の塩谷光彦先生の研究室で博士号を取得され、京都大学の北川研究室にポスドクとして移られた後、神戸大学 特命助教を経て、2014年より金沢大学 秋根茂久教授の研究室に助教として着任し、2018年より准教授としてご活躍されております。学生時代には、超分子分野のノーベル賞受賞者であるストラスブール大学の Jean-Pierre Sauvage教授の研究室に留学されており、まさしく超分子畑を渡り歩いてこられ、数々の素晴らしい成果を挙げておられます(下図参照)。ケムステーションでの過去記事もご参照ください(こちら;参考文献3、参考文献4)。

また、2020年のChem. Commun. 誌の2020 Emerging Investigators として選出されており、2020年の日本化学会 女性化学者奨励賞を受賞されるなど、現在ノリにノッている新進気鋭の若手の女性研究者です!!

私が酒田先生を知ったのは、2007年に北海道大学で開催された第37回 構造有機化学討論会(現在でいうところの基礎有機化学討論会)でした。とても元気良く明朗快活に魅力的に研究を発表される酒田さんを見て、すごい人がいるなあと幼心(M1くらい)に思ったのを今でも覚えています。実際、この構造有機化学討論会は私が人生で2回目に参加した学会であり、その衝撃はかなり大きなもので、今でもふとした拍子に予稿を見返したくなる時があります。スラムダンクで例えるとしたら、赤木が小学生の時に見て「すごいインパクト強かった」と語っていた、山王工業の選手が表紙を飾っているふっるい週間バスケットのようなもので、「これが俺の原点であり、最終目標なのだ」と言ってしまいたくなるような冊子です。赤木のこの週バスのエピソードに対し三井が「それオレも覚えてるよ」と言ったように、酒田先生や他の先生もこの第37回 構造有機化学討論会についてはいろいろ印象に残っている事が多かったようでいろいろ語り合ったこともありました。まあ現代でそれをやると若い衆から「お前と化学やるの息苦しいよ」だの「ずるずるずるずる、いつまで引きずってるんだ、と」などと言われてしまうのでやりませんが(笑)

インパクトが強かった第37回構造有機要旨集

 

 

さて、そんな酒田先生ですがどのような先生だったのでしょうか? 結局ちゃんと酒田先生とお話しするようになれたのがおそらく2013年ごろからですので、それ以前のことは実は直接詳しく知りません。ということで今回は酒田先生を良く知る先生へのインタビューをもとにお送りいたします(笑)。

 

学生時代(HK特任准教授へのインタビューをもとに)

酒田先生とは,彼女が卒研生で研究室配属になってから3年間,研究室の同じサブグループの同じ部屋で実験する仲でした.彼女を知る人は皆同じ印象をもつと思いますが,とにかく「元気」を具象化したらこうなるだろう,という人物で,いわゆる体育会系の出身で研究室対抗ソフトボール大会でもスタメンを張るだけの体力に加え,ひたすら前向きに研究に打ち込む姿勢に私はただ振り回されて大いに刺激を受けておりました.そんな彼女が4年生の時のある夜,時計はもう24時を回ろうとした頃,ずっと合成に取り組んでいた化合物の鍵中間体がようやく単離できたらしく,興奮冷めやらぬ様子で「原野さん,今から13C NMRとってきてスペクトルください!」(※13Cが感度良くとれるNMRは当時大学院生だけが使えた)を言われたのは強烈な思い出です.

 

ポスドク時代(KM准教授へのインタビューをもとに)

異分野から来て不慣れな実験が多く、最初はなかなかうまくいかず、粉末XRDの前で泣くほど悔しがっていた(感受性が豊かで涙腺が緩いとのこと)こともありましたが、毎日頑張って努力した結果、最終的にはScience論文を出すという快挙を成し遂げました。毎日(のようにレッドブルを飲みながら)がむしゃらに実験し続けていたのでちょっと心配なこともありましたが…(笑)とても、エネルギーに溢れられた先生です。

 

といった感じで、非常に元気とエナジーに溢れる先生だということが非常によくわかりましたね!!なんだか、宮島先生の紹介記事と合わせましても、道を切り開くにはただがむしゃらに頑張るということが一番大事なのではないかと痛感いたしました。若い学生のみなさん、酒田先生を見習って元気かつ情熱的に実験に打ち込みましょう!!

今回の酒田先生の講演タイトルは、「速度論的挙動に着目した超分子金属錯体の化学」です! 酒田先生の努力の結晶をお楽しみいただければと思います!それではお楽しみに!!

 

関連記事

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参考文献

  1. Y. Sakata, et al., Chem. Eur. J. 2010, 16, 3318
  2. 分子の吸着状態を「記憶」し「消去」するナノ細孔物質(Science 2013)
  3. イオンの出入りを制御するキャップ付き分子容器の開発 (Nature Commun, 2017)
  4. 金属イオン認識と配位子交換の順序を切替えるホスト分子 (JACS 2019)
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Kosuge

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高分子、超分子、材料化学専門の大学講師です。

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