ケムステーションをご覧の方々、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。さて新年早々ですが、第14回ケムステVシンポジウムの告知です。今回のテーマは、かねてより開催要望の声が多かった「超分子化学」。栄えあるタイトルは「スーパー超分子ワールド」!
今回ファシリテーターを務めますのは、第11回ケムステVシンポ「最先端精密高分子合成」よりケムステのスタッフとなりました、阪大講師の石割です。コロナウウィルスは変異種も出てきてしまい、全く収束の気配を見せませんが、今こそこういったVシンポジウムの重要性が出てくるのでは無いかと思います。
さて、この「超分子」という言葉ですが、2021年現在の世の中で一体何を指すのかと言われると、かなり難しいです。超分子化学という言葉自体は、1960年代頃のクラウンエーテル(1987年にノーベル化学賞)の発見を皮切りに、ジャン=マリー・レーン教授らにより提唱された概念であり、非共有結合で結合した分子集合体(1:1のホストゲスト系から疎水効果によるミセルのような集合体などまでも)を扱う分野であったのですが、分子マシン(2016年にノーベル化学賞)として機能するような分子スイッチなども超分子化学として捉えられている感じです。結晶内での分子同士の相互作用も超分子的相互作用の一種と考えると、有機材料のほとんどを超分子化学の一環としてみなすことも可能であり、非常に広範な分野と言えます。このように超分子化学は分野という括りに囚われることのない研究分野ですので、様々な可能性のある非常に楽しい分野です。この東京大学塩谷先生のエッセイでも、超分子化学分野を魅力的に紹介していただいております。
さて、そんな超分子化学ですが、日本は世界をリードする立場にあり、国内の超分子を扱うシンポジウム(基礎有機化学討論会やホストゲスト超分子化学シンポジウムなど)ではハイレベルな発表や討論が行われております。その様な “スーパー超分子ワールド” から今回は、①超分子化学の大家の東京大学塩谷研を卒業されノーベル賞受賞のSauvage研などを渡り歩いてこられた金沢大学秋根研究室の酒田陽子先生(ケムステの過去記事はこちらやこちら。また、つい先日2020年度日本化学会女性化学者奨励賞を受賞されております。おめでとうございます!)、②同じく超分子化学の大家の東京大学相田研を卒業され数々の卓越した業績を挙げられている理化学研究所の宮島大吾先生(ケムステの過去記事はこちら)、③日本発の環状ホスト分子「ピラーアレーン」の生みの親の京都大学の生越友樹先生にご講演いただけることになりました。日本の超分子化学分野を代表するスーパーな若手の先生方ばかりですので、超分子分野に携わる方でもそうでない方でも、その魅力について存分に学び、楽しんでいただけると思っております。多くの方のご参加をお待ちしております!
以下が詳細になります。
実施概要
第14回ケムステVシンポジウム
「スーパー超分子ワールド」
対象:誰でも
開催日:2021年2月3日(水)
講演会:17:00~(1名30分、講演25分+質疑応答5分 “程度” を目安、各講演間に休憩3-5分程度)
会場:オンライン(講演者はZoom使用・YouTubeライブの限定URL配信)
定員:先着2000名(途中参加・退出自由)
言語:日本語
参加費:無料
講演者:
酒田 陽子 先生(金沢大学)「速度論的挙動に着目した超分子金属錯体の化学」
宮島 大吾 先生(理研)「π共役分子を真っ直ぐ並べる」
生越 友樹 先生(京都大学)「柱型環状ホスト分子「ピラー[n]アレーン」の化学」
参加登録:Connpassイベントページで行ってください・開始15分前まで受付(Connpass利用ガイドはこちら)
*参加登録してURLさえゲットすれば、開始時間に間に合わなくても視聴できますので、是非参加登録をお願いします。
Twitterハッシュタグ:#ケムステVシンポ
主催:Chem-Station
協賛:東京化成工業株式会社/ メルク株式会社/ 島津製作所
ファシリテーター:
石割 文崇 & 焼山 佑美(大阪大学)
モデレーター:
念を押しますが、参加登録いただいた方に配布するURLから数日間は講演内容を見返すことができます。それ以降はアーカイブ視聴不可となる貴重な講演内容が大部分を占めますので、参加登録とライブでのご視聴をよろしくお願いします!
協賛企業(東京化成工業)からのお知らせ
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ウェブサイトをリニューアルしました。ぜひお越しください。
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ケミカルバイオロジーの製品カテゴリーページはこちら https://bit.ly/3gMIbBd
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