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ボニー・L.・バスラー Bonnie L. Bassler

bassler

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ボニー・L.・バスラー (Bonnie Lynn Bassler , 1962年XX月XX日-)は、アメリカの微生物学者・生化学者である。プリンストン大学教授。

経歴

1984 the University of California at Davis BS
1990 the Johns Hopkins University PhD
1990 the Agouron Institute Postdoctoral Fellow
1994 the Princeton University Assistant Professor
2000 the Princeton University Associate Professor
2003 the Princeton University Professor

受賞歴

2004年 – AAAS Fellow
2009年 – Wiley Prize in Biomedical Sciences
2011年 – Richard Lounsbery Award
2012年 – ロレアル-ユネスコ女性科学賞
2015年 – Shaw Prize
2016年 – Pearl Meister Greengard Prize
2018年 – Dickson Prize、Ernst Schering Preis
2020年 – Gruber Prize in Genetics、Genetics Society of America Medal
2021年 – Paul-Ehrlich-und-Ludwig-Darmstaedter-Preis
2022年 – Wolf Prize in Chemistry、Clarivate 引用栄誉賞(化学)

研究業績

クオラムセンシングの分子メカニズム解明[1,2]

クオラムセンシング (quorum sensing) と呼ばれる、細菌同士のコミュニケーションは、自己誘導因子を介して行われる。当初研究対象であった海洋発光バクテリアでは種ごとに少しずつ構造の異なるホモセリンラクトン誘導体 (AI-1) が自己誘導因子として利用されていたが、これとは別の自己誘導因子によるクオラムセンシングが並列で行われている。この二つ目の自己誘導因子 AI-2 によるクオラムセンシングは海洋発光バクテリアだけでなく、大腸菌やネズミチフス菌など種をまたいで微生物界で広く使われる。Bassler は自己誘導因子 AI-2 の生合成や応答に関わる遺伝子を解明し[1]、AI-2 の標的タンパク質の構造を明らかにする過程で、AI-2の構造も明らかにした[2]

自己誘導因子 AI-2

 

名言集

 

コメント&その他

TED 動画:

関連文献

[1]  (a) Bassler, B. L.; Wright, M.; Showalter, R. E.; Silverman, M. R. Mol. Microbiol. 1993, 9, 773-786. DOI: 10.1111/j.1365-2958.1993.tb01737.x (b) Suretteet, M. G.; Miller, M. B.; Bassler, B. L. PNAS 1999, 96, 1639-1644. DOI: 10.1073/pnas.96.4.1639

[2] Chen, X.; Schauder, S.; Potier, N.; Van Dorsselaer, A.; Pelczer, I.; Bassler, B. L.; Hughson, F. M. Nature 2002, 415, 545-549. DOI: 10.1038/415545a

[3] Lenz, D.H.; Mok, K.C.; Lilley, B.N.; Kulkarni, R.V.; Wingreen, N.S.; Bassler, B. L. Cell 2004, 118, 69-82. DOI: 10.1016/j.cell.2004.06.009

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