[スポンサーリンク]

ケムステニュース

アレルギー治療に有望物質 受容体を標的に、京都大

[スポンサーリンク]

Nature Immunology細胞内で情報伝達をする生理活性物質の受容体のうち、特定の一つが花粉症などのアレルギー反応の鍵を握っていることを成宮周京都大教授(薬理学)らが突き止め、米科学誌ネイチャー・イムノロジー(電子版)に4日、発表した。
 現在治療に使われている抗ヒスタミン剤は事前の服用が必要だが、この受容体に結合する化学物質を投与すると、アレルギーの原因となる物質(抗原)が体内に入った後でも効果があり、治療薬開発につなげたいという。

 生理活性物質は「プロスタグランジン」で、成宮教授らはこれと結合する特定の受容体に注目。この受容体が欠損したマウスをつくり、ぜんそくの抗原を与えると通常のマウスに比べ炎症がひどかった。(引用:山陽新聞)

花粉症は今年も非常に多く、仕事、勉強に障害が出ている方もいることでしょう。アレルギー関係の研究の進展を望みます。ところでプロスタグランジン(prostaglandin)は非常に有名な物質ですね。ヒト精液から取り出した子宮収縮と血圧降下の作用物質として1930年代初期にEulerにより発見されました。この際、前立腺(prostate grant)で合成されていると考え命名されました。しかし,後に精嚢で合成されることがわかりました。
類縁体が多数ありますが、共通する構造的特徴はシクロペンタノン骨格に2つのカルボン酸側鎖とアルキル側鎖を有しており、その不安定な構造から多くの全合成、合成研究が報告されています。

関連書籍

[amazonjs asin=”4807913387″ locale=”JP” title=”プロスタグランジン研究の新展開 (現代化学増刊 (38))”]

 

関連リンク

  • プロスタグランジン – Wikipediaプロスタグランジン(PG)とは、生理活性物質の一種でありアラキドン酸から生合成される。エイコサノイド(プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン)の一つであり、様々な強い生理活性を持つ。また、プロスタグランジンとトロンボキサンを合わせてプロスタノイドという。

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 混ぜるだけで簡単に作製でき、傷が素早く自己修復する透明防曇皮膜
  2. 不斉触媒研究論文引用回数、東大柴崎教授が世界1位
  3. 大日本住友製薬が発足 業界5位、将来に再編含み
  4. 第一製薬、仏サノフィに脳梗塞予防薬の営業権を返還
  5. 産総研、バイオから環境まで応用可能な新しい質量分析技術の開発に成…
  6. 自動車のスリ傷を高熱で自己修復する塗料
  7. 第54回国際化学オリンピックが開催、アジア勢が金メダルを独占
  8. ResearchGateに対するACSとElsevierによる訴…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 酢酸ビニル (vinyl acetate)
  2. 技術セミナー参加体験談(Web開催)
  3. 天然物の構造改訂:30年間信じられていた立体配置が逆だった
  4. 環境、人体に優しい高分子合成を開発 静大と製薬会社が開発
  5. 真空ポンプはなぜ壊れる?
  6. クノール ピロール合成 Knorr Pyrrole Synthesis
  7. 科学雑誌 Newton 2019年6月号は化学特集!
  8. ライセルト反応 Reissert Reaction
  9. アルコールのカップリング、NHC塩がアルとおコール
  10. 第138回―「不斉反応の速度論研究からホモキラリティの起源に挑む」Donna Blackmond教授

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年4月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP