[スポンサーリンク]

ケムステニュース

国際化学五輪、日本代表に新高校3年生4人決定/化学グランプリ2017応募始まる

[スポンサーリンク]

世界の高校生が化学の実力を競う「第49回国際化学オリンピック」の日本代表に新高校3年生4人が決まった。日本代表は4度の強化訓練合宿に臨んだうえで、タイで7月6日から開催される大会に挑む。(高校生新聞オンライン2017年3月17日)

「夢・化学-21」委員会と日本化学会では今年も、日本全国の中高生が化学の実力を競う“化学の甲子園”、 『化学グランプリ 2017』を開催する。4 月 3 日(月)~6 月 8 日(木)まで参加者の募集を行い、 7 月 17 日(月・祝)に全国 66 会場で一斉に一次選考を、8 月 18 日(金)~19 日(土)には、一次選考を通過した 約 80 名による二次選考を筑波大学で実施する。(一般社団法人日本化学工業協会)

日本代表に決まったのは、灘高校の海士部佑紀さん、海陽中等教育学校の坂部圭哉さん、岡山朝日高校の守田脩究さん、岡崎高校の柳生健成さんです。坂部さんと海士部さんは前回大会にも出場していてそれぞれ金メダルと銀メダルを獲得しており、2年連続の出場となります。四人は昨年の国内大会「化学グランプリ2016」で数回にわたる筆記・実技試験を突破して選ばれたスーパー高校生で、大会は7月6日から15日までタイのマヒドン大学で行われます。各国の代表が勉強する準備問題が公開されていますが、筆記は全合成の穴埋めや反応速度論、錯形成反応などといった大学院入試レベルの問題で、実験の課題も専門課程の学生実験ほどのレベルだと思います。参考図書も典型的な大学の教科書が指定されています。代表の四人には、日本を代表してぜひ頑張ってもらいたいものです。

2018年の代表を決める「化学グランプリ 2017」の応募も4月3日から始まっています。一次選考の筆記試験は、全国66会場で7月17日に行われ。実技試験の二次選考は8月18日(金)と19日(土)に筑波大学で行われます。過去問は、公式HPにて公開されていますが、高校の教科書に載っているレベルから大学の専門課程の内容まで出題されています。化学的な思考で問題を解くことができるかを求められているため、高校範囲外の知識が無いと解けない問題はありません。

筆者も高校生の時に受験しましたが、惜しくも一次選考で敗退してしまいました。当時は今のマークシート形式とは異なり記述式であったためより難しかったと思いますが、高校のテストとは異なりとても面白く勉強していたと思います。化学グランプリ1998年の第一回大会参加者は131人でしたが、2016年には3792人が参加するようになりとても盛り上がっています。

理系オリンピックは、化学だけでなく物理、生物、地学、地理、情報、数学と一通り予選が日本で開かれるようになり、東京大学のように国際オリンピックに出場した人向けの大学入試を行う学校も出てきています。推薦入試による学力低下が一時期問題になりましたが、このような専門に極めて秀でた人を集める推薦入試はどんどんやってもらいたいと思います。

参加費は無料なので化学に自身のある高校生は、ぜひ応募して挑戦して見てください。化学グランプリの対象は高校生以下なので、研究室の大きいお友達は参加できません。

関連書籍

[amazonjs asin=”4535787042″ locale=”JP” title=”完全攻略 化学オリンピック 第2版”] [amazonjs asin=”4759811478″ locale=”JP” title=”化学オリンピック完全ガイド”]

関連リンク

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 2011年日本化学会各賞発表-学会賞-
  2. オルト−トルイジンと発がんの関係
  3. 黒よりも黒い? 「最も暗い」物質 米大学チーム作製
  4. 同仁化学研、ビオチン標識用キットを発売
  5. 2008年10大化学ニュース2
  6. 脂肪燃やすアミノ酸に効果 「カルニチン」にお墨付き
  7. 子供と一緒にネットで化学実験を楽しもう!
  8. 第63回野依フォーラム例会「データ駆動型化学が拓く新たな世界」特…

注目情報

ピックアップ記事

  1. もっと化学に光を! 今さらですが今年は光のアニバーサリーイヤー
  2. プラスチックを簡単に分解する方法の開発
  3. 論説フォーラム「研究の潮目が変わったSDGsは化学が主役にーさあ、始めよう!」
  4. 準結晶的なナノパーティクルスーパーラティス
  5. 有機ルイス酸触媒で不斉向山–マイケル反応
  6. 第五回 超分子デバイスの開発 – J. Fraser Stoddart教授
  7. 有機合成化学協会誌2021年8月号:ナノチューブカプセル・ナノグラフェン・芳香環C-H変換・メタルフリー複素環合成・スピロシクロプロパン
  8. 紹介会社を使った就活
  9. ガボール・ソモライ Gabor A. Somorjai
  10. 科学系のLINEスタンプを使おう!!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年5月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

欧米化学メーカーのR&D戦略について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、欧米化…

有馬温泉でラドン泉の放射線量を計算してみた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉は、日本の温泉で最も高い塩分濃度を持ち黄褐色を呈する金泉と二酸化炭素と放射性のラドンを含んだ…

アミンホウ素を「くっつける」・「つかう」 ~ポリフルオロアレーンの光触媒的C–Fホウ素化反応と鈴木・宮浦カップリングの開発~

第684回のスポットライトリサーチは、名古屋工業大学大学院工学研究科(中村研究室)安川直樹 助教と修…

第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」を開催します!

第56回ケムステVシンポの会告を致します。3年前(32回)・2年前(41回)・昨年(49回)…

骨粗鬆症を通じてみる薬の工夫

お久しぶりです。以前記事を挙げてから1年以上たってしまい、時間の進む速さに驚いていま…

インドの農薬市場と各社の事業戦略について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、インド…

【味の素ファインテクノ】新卒採用情報(2027卒)

当社は入社時研修を経て、先輩指導のもと、実践(※)の場でご活躍いただきます。…

味の素グループの化学メーカー「味の素ファインテクノ社」を紹介します

食品会社として知られる味の素社ですが、味の素ファインテクノ社はその味の素グループ…

味の素ファインテクノ社の技術と社会貢献

味の素ファインテクノ社は、電子材料の分野において独創的な製品を開発し、お客様の中にイノベーションを起…

サステナブル社会の実現に貢献する新製品開発

味の素ファインテクノ社が開発し、これから事業に発展して、社会に大きく貢献する製品…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP