[スポンサーリンク]

ケムステニュース

Bayer/Janssen Rivaroxaban 国内発売/FDA適応拡大申請

 

rivaroxaban.gif
 バイエル薬品は4月18日、第Xa因子阻害剤 XARELTO® (イグザレルト, 一般名:rivaroxaban, 開発コード:BAY 59-7939)の日本発売を発表した。適応は「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」。
 また、 バイエルの提携企業 Janssen  は、5月2日深部静脈血栓症(DVT:deep vein thrombosis)および肺塞栓症(PE:pulmonary embolism)の治療と静脈血栓塞栓症(VTE:venous thromboembolism)の再発抑制に使用する適応追加を、9日に急性冠症候群(ACS)患者のステント血栓症リスク低下のために抗血小板療法と併用する適応追加を、米国FDA販売承認を申請したと発表した。
 Rivaroxaban は、血液凝固に関わる第Xa因子を直接的に阻害して抗凝固効果を発揮する Factor Xa Inhibitor であり、同機序の薬剤販売は国内3番目となる。血液凝固に関わる様々な病態の適応で開発されており、非弁膜症性心房細動患者における脳卒中発症抑制の適応では11年11月に米国、12月に欧州で承認取得し発売済。米国では関節手術後の静脈血栓塞栓予防と心房細動患者の脳卒中予防で承認、急性冠症候群の再発予防で承認審査中。

 

 

rivaro_Xray.gif

 同剤は酵素阻害剤であり、標的タンパク酵素(FXa)と医薬分子の共結晶構造が Protein Data Bank に公開されている。 構造の特徴として、分子中央で90°に折れ曲がって配座固定されており、タンパク活性部位のポケットにぴたりとハマって酵素を阻害している。磨き込まれた美しい化合物デザインではないだろうか。
 英調査会社Datamonitorによる主要7か国の循環器系・代謝系疾患治療薬売上予測 (2011.Feb) によると、rivaroxaban は2019年に売上12位にランクインすると予想されている。

関連書籍

 

関連文献

  • “Discovery of the Novel Antithrombotic Agent 5-Chloro-N-({(5S)-2-Oxo-3- [4-(3-Oxomorpholin-4-Yl)Phenyl]-1,3-Oxazolidin-5-Yl}Methyl)Thiophene-2- Carboxamide (Bay 59-7939) An Oral, Direct Factor Xa Inhibitor” J. Med. Chem., 200548, 5900–5908. DOI: 10.1021/jm050101d
jm050101dn00001
 Despite recent progress in antithrombotic therapy, there is still an unmet medical need for safe and orally available anticoagulants. The coagulation enzyme Factor Xa (FXa) is a particularly promising target, and recent efforts in this field have focused on the identification of small-molecule inhibitors with good oral bioavailability. We identified oxazolidinone derivatives as a new class of potent FXa inhibitors. Lead optimization led to the discovery of BAY 59-7939 (5), a highly potent and selective, direct FXa inhibitor with excellent in vivo antithrombotic activity. The X-ray crystal structure of 5 in complex with human FXa clarified the binding mode and the stringent requirements for high affinity. The interaction of the neutral ligand chlorothiophene in the S1 subsite allows for the combination of good oral bioavailability and high potency for nonbasic 5. Compound 5 is currently under clinical development for the prevention and treatment of thromboembolic diseases.

関連リンク

関連記事

  1. 国際化学オリンピックで日本代表4人メダル受賞
  2. ナノテクノロジー関連の特許が多すぎる問題
  3. ひらめききらめく:/1 「創」のとき、夢の鼓動 /北海道
  4. 独バイエル、世界全体で6100人を削減へ
  5. 人名反応から学ぶ有機合成戦略
  6. 何を全合成したの?Hexacyclinolの合成
  7. 光触媒で抗菌・消臭 医療用制服、商品化へ 豊田通商 万博採用を機…
  8. 不斉触媒研究論文引用回数、東大柴崎教授が世界1位

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. クネーフェナーゲル縮合 Knoevenagel Condensation
  2. 大正製薬、女性用の発毛剤「リアップレディ」を来月発売
  3. ヒドロシリル化反応 Hydrosilylation
  4. よう化サマリウム(II):Samarium(II) Iodide
  5. もっと化学に光を! 今さらですが今年は光のアニバーサリーイヤー
  6. 専門用語(科学英単語)の発音
  7. 大阪・池田 リチウム電池の実験中に爆発事故
  8. のむ発毛薬で五輪アウトに
  9. 超若手科学者の発表会、サイエンス・インカレの優秀者インタビュー
  10. 化学研究ライフハック: Evernoteで論文PDFを一元管理!

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

(−)-Salinosporamide Aの全合成

(−)-salinosporamide Aの立体選択的全合成が達成された。アザ-ペイン転位/ヒドロア…

クラウド版オフィススイートを使ってみよう

クラウド版オフィススイートとはOffice onlineやGoogle ドライブなどのことで、ソフト…

NHCが触媒する不斉ヒドロフッ素化

キラルなN–ヘテロ環状カルベン(NHC)を触媒として用いたα,β-不飽和アルデヒドに対する不斉ヒドロ…

ケミカルバイオロジーとバイオケミストリー

突然ですが、質問です。有機化学と無機化学。違いは説明できますか?「生体物質をあつかうものが有…

改正特許法が国会で成立

特許を侵害したと疑われる企業に専門家が立ち入り検査する制度を新設する改正特許法が10日午前の参院本会…

創薬人育成サマースクール2019(関東地区) ~くすりを創る研究の醍醐味を知る!~

動物や臓器に代わる画期的な実験ツールとして注目される生体機能チップ、原薬(API)合成に不可欠なプロ…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP