[スポンサーリンク]

B

ベンジジン転位 Benzidine Rearrangement

[スポンサーリンク]

 

概要

1,2-ジフェニルヒドラジンを酸性条件下転位させることで、4,4′-ジアミノビフェニル(ベンジジン)を得る反応。

基本文献

  • Hofmann, A. W. Proc. Roy. Soc. London 186312, 576.
  • Jacobson, P. et al. Ber.1893, 26, 688.

Review

  • Yamabe, S.; Nakata, H.; Yamazaki, S. Org. Biomol. Chem. 2009, 7, 4631. DOI: 10.1039/B909313C

反応機構

協奏的な[5,5]-シグマトロピー転位機構で進行するとされている。(参考:J. Am. Chem. Soc. 1981103, 955; J. Am. Chem. Soc. 1982104, 2501; J. Am. Chem. Soc. 1984106, 7077)
benzidine_rearr_2.gif

 

窒素のパラ位が置換されているとオルト位で転位が起こる([3,3]シグマトロピー転位, diazaCope転位)

反応例

ListとKürtiらによって独立してキラルリン酸触媒を用いた不斉ベンシジン転位反応による1,1-binaphthyl-2,2-diamine (BINAM)誘導体の合成が報告されている。[1]

2014-09-04_00-41-32

実験手順

実験のコツ・テクニック

参考文献

  1.  (a) Kanta, C.; Fabio, D.; Pesciaioli, F.;List, B.  Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52, 9293. DOI: 10.1002/anie.201304039 (b) Li, G-Q.; Gao, H.; Keene, C.; Devonas M.; Ess, D.H.; Kürti, L.  J. Am. Chem. Soc.. 2013, 135, 7414 DOI: 10.1021/ja401709k

 

関連書籍

[amazonjs asin=”B006OK7LMA” locale=”JP” title=”Organic Syntheses Based on Name Reactions: a practical guide to 750 transformations”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. アッペル反応 Appel Reaction
  2. コーリー・ニコラウ マクロラクトン化 Corey-Nicolao…
  3. 高井・ロンバード反応 Takai-Lombardo Reacti…
  4. テッベ試薬 Tebbe Reagent
  5. クラブトリー触媒 Crabtree’s Cataly…
  6. 求電子的フッ素化剤 Electrophilic Fluorina…
  7. 高井・内本オレフィン合成 Takai-Utimoto Olefi…
  8. ジムロート転位 (共役 1,3-双極子開環体経由) Dimrot…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 化学構造式描画のスタンダードを学ぼう!【基本編】
  2. マイルの寄付:東北地方太平洋沖地震
  3. アーサー・L・ホーウィッチ Arthur L. Horwich
  4. スケールアップのポイント・考え方とトラブル回避【終了】
  5. 米ファイザーの第2・四半期は特別利益で純利益が増加、売上高は+1%
  6. リン Phosphorusー体の中の重要分子DNAの構成成分。肥料にも多用される
  7. 第10回ケムステVシンポ「天然物フィロソフィ」を開催します
  8. 書物から学ぶ有機化学 2
  9. やせ薬「塩酸フェンフルラミン」サヨウナラ
  10. 有機合成化学協会誌2021年6月号:SGLT2阻害薬・シクロペンチルメチルエーテル・4-メチルテトラヒドロピラン・糖-1-リン酸・新規ホスホジエステラーゼ阻害薬

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年1月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP