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ケムステまとめ

化学の成果で脚光を浴びた小・中・高校生たち

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ケムステの読者は大学生・大学院生がメインですが、それよりずっと若い世代である、小・中・高校生が化学の話題で市井を賑わせることも最近とみに増えてきたようです。過去記事からピックアップしてご紹介します。

 

中学生の研究が米国の一流論文誌に掲載された

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光学異性体の分離過程を再結晶溶媒でスイッチできるというユニークな研究を、科学者育成プログラムによるサポートで埼玉県の中学生2年生が担当。米国化学会の有機化学トップ誌であるJ. Org. Chem.に見事掲載されました。

Solvent-induced Reversed Stereoselectivity in Reciprocal Resolutions of Mandelic Acid and erythro-2-Amino-1,2-diphenylethanol
Hiroaki Shitara, Toshiki Shintani, Koichi Kodama, and Takuji Hirose J. Org. Chem2013,  78,9309. DOI: 10.1021/jo401517q

 

 京都の高校生の学術論文が優秀賞に輝く

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スーパーサイエンスハイスクールの高校生が担当した、「グリセリンの結晶化から水素結合ネットワークを観測」した研究。日本化学会欧文誌Bulletin of the Chemical Society of Japanに掲載されたばかりか、見事Selected Paperに選出されるという快挙!

Observation of a Hydrogen-Bonded 3D Structure of Crystalline Glycerol
Kusukawa, T.; Niwa, G.; Sasaki, T.; Oosawa, R.; Himeno, W.; Kato, M. Bull.  Chem. Soc. Jpn  2013, 86, 351-353. doi:10.1246/bcsj.20120300

 

秋田の女子高生が「ヒル避け」特許を取得

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厄介者のヤマビルを追い払う忌避剤、名付けて”ダウンヒル”で特許を取得。秋田県の女子高生たちが行った研究のたまものです。

 

大分の高校生が特許を取得!

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大分県の高校化学部に属する学生たちの研究成果が特許として認められたというニュースです。高分子膜「コロジオン膜」を作る高分子間の孔径を変えたり、孔径の中に物質を閉じ込めたりする制御技術を開発しました。全国高校総合文化祭の自然科学部門:化学で最優秀賞もゲットしています。

 

仙台の高校生だって負けてません!

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仙台の高校化学部に所属する3名が行ったJournal of Material Science誌に報告されました。強力な抗菌作用をもつ酸化銀クラスレートの発見についてです。

Ag2O3 Clathrate is a Novel and Effective Antimicrobial Agent
Ando, S.; Hioki, T.; Yamada, T.; Watanabe, N.; Higashitani, A. J. Mater. Sci. 2012, 47, 2928.  DOI: 10.1007/s10853-011-6125-0

 

茨城の女子高生が快挙!

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こちらもスーパーサイエンスハイスクール水戸第二高の数理学同好会に属する女子高生が発見。

BZ反応とよばれる化学振動が、止まったはずなのにしばらくすると復活するという面白い現象を突き止めました。実験をほったらかしてカラオケに行ってしまい、次の週の月曜日に学校へ来てみたら液の色が変わっていたというセレンディピティがきっかけだそうです。

Rebirth of a Dead Belousov-Zhabotinsky Oscillator
Onuma, H.; Okubo, A.; Yokokawa, M.; Endo, M.; Kurihashi, A.; Sawahata, H. J. Phys. Chem. A  2011, 115, 14137. DOI: 10.1021/jp200103s

 

小学2年生が危険物取扱者甲種に合格!

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危険物取扱者はかつて受験資格が限られていましたが、最近は緩和されたので、こういったニュースがたまにあります。2013年に東京の小学2年生が化学系の難関資格・危険物取扱者甲種を史上最年少で取得しました。初挑戦での合格です。

 

国際化学オリンピックでメダル連発

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世界中の高校生が化学の力を競い合う国際化学オリンピック。2010年には日本でも開催されました。

近年日本は力を付けてきており、毎年メダルを多数獲得する快挙を成し遂げています。

 

化学でカードバトル!『Elementeo』

Elementeo-Anshul-Samar

化学反応をモチーフとしたユニークな海外発ボードゲーム『Elementeo』。驚くべきは開発者がなんと14歳(中学3年生)という点。会社も設立して既にCEO、堂々としたものです。

類似のアナログゲームは日本からも発売されています。その名もケミストリークエスト。こちらも中学生がCEOである会社から販売されています。

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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