[スポンサーリンク]

ケムステニュース

旭化成の吉野彰氏 リチウムイオン電池技術の発明・改良で 2019 年欧州発明家賞を受賞

[スポンサーリンク]

日本から4 年ぶり、史上2 度目の「非ヨーロッパ諸国部門」獲得

【ウィーン/ミュンヘン(ドイツ) 2019 年6 月20 日】 欧州特許庁(The European Patent Office 、以下EPO)は、旭化成株式会社の吉野彰氏が、2019 年欧州発明家賞(European Inventor Award 2019)の「非ヨーロッパ諸国部門(Non-EPO countries)」を受賞したことを発表いたします。吉野氏は、今や世界中の何十億ものモバイル機器に電力を供給するリチウムイオン電池を発明し、40 年以上に渡りその技術改良を重ねてきたその功績により、本日ウィーンで開催された式典(現地時間:11 時~13 時、日本時間:18 時~20 時)にて、同賞を授与されました(2019年6月20日:欧州特許庁プレスリリース)。

先日、吉野彰氏2019 年欧州発明家賞にノミネートされたことをお知らせしましたが、最終的に同賞に選ばれ受賞されたそうです。おめでとうございます!

選定理由は?

アントニオ・カンピノス(António Campinos)EPO 長官は、「吉野氏は今日のリチウムイオン技術と産業の基礎を築きました。彼の発明は、世界中の人々を繋ぐスマートフォンや、電気自動車の出現を可能にしたところにも見いだすことができます。彼の技術は私たちの社会を変革しました。一つには、特許を取得した彼の発明を使用するライセンスが、他の会社に与えられたためです。このことは、その商業化が決定的にスピードアップするのに役立ちました。」と述べました。

過去の受賞は?

なお、日本人の欧州発明家賞受賞は、「非ヨーロッパ諸国部門」では今回が6 回目のノミネートで史上2 度目の受賞。2015年、日本人初の「非ヨーロッパ諸国部門」を獲得した「カーボンナノチューブ」開発チームの飯島澄男氏、小塩明氏、湯田坂雅子氏、2014 年、日本人初の「ポピュラープライズ」を獲得した、QR コード発明チームの原昌弘氏、長屋隆之氏、渡部元秋氏、野尻忠雄氏、内山祐司氏に続く、3 度目の受賞となりました。

受賞式は?

本日のウィーン、シュタットハレ(Stadthalle)で開催された、欧州発明家賞授賞式には、知的財産、政 治、ビジネス、科学、学術研究の分野から、約600 名が参加しました。同賞は、技術の進歩、社会、 そして経済成長に大きく貢献したヨーロッパおよび世界中の優れた発明者を讃えるために、EPO に 2 よって毎年授与されます。受賞者は今年の受賞に推薦された何百人もの発明家と発明者のチーム の中から、中立の国際審査委員会によって選ばれました。

紹介動画

*本記事は欧州特許庁によるプレスリリースの提供により作成したものです。

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 米陸軍に化学薬品検出スプレーを納入へ
  2. 石テレ賞、山下さんら3人
  3. 始まるPCB処理 利便性追求、重い代償
  4. ストラディバリウスの音色の秘密は「ニス」にあらず
  5. 「薬草、信じて使うこと」=自分に合ったものを選ぶ
  6. 偽造ウイスキーをボトルに入れたまま判別する手法が開発される
  7. カチオン中間体の反応に新展開をもたらす新規フロー反応装置の開発
  8. Pfizer JAK阻害薬tofacitinib承認勧告

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第二回ケムステVプレミアレクチャー「重水素標識法の進歩と未来」を開催します!
  2. ロイ・ペリアナ Roy A. Periana
  3. 第36回 生体を模倣する化学― Simon Webb教授
  4. アルキンから環状ポリマーをつくる
  5. 積極的に英語の発音を取り入れてみませんか?
  6. カガン・モランダーカップリング Kagan-Molander Coupling
  7. ウイルスーChemical Times 特集より
  8. 有機反応を俯瞰する ー[1,2] 転位
  9. クロスカップリング反応関連書籍
  10. 元素手帳 2018

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2019年6月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP