[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

学部生にオススメ:「CSJ カレントレビュー」で最新研究をチェック!

[スポンサーリンク]

今年もあと二か月ほどで終わりですが、大学3年生の方の中には所属する研究室の選択時期が迫っている方も多いのではないでしょうか?

 

日本語の最新レビュー: CSJカレントレビュー

希望の研究室を決める前には研究室訪問とHPを見て研究内容をチェックするのが一般的かと思います。ただ実際にHPを見ると、専門性が高い最先端の研究は授業とかけ離れていて、3年生にとっては内容を理解しにくいことも多いのではないでしょうか?そんな時に教科書に載っていない最新研究の基本を勉強するにはレビュー論文と呼ばれる、通常の論文をまとめた論文を読むのが一番手っ取り早いです。ただし、

 

  • ほとんどのレビュー論文は英語(しかも結構なページ数)
  • レビュー論文の数が多すぎて初心者向けのレビューを探すのが大変
  • 日本語のレビューもあるが数が少なく内容が古いことが多い

 

ため初心者にとっては逆にハードルが高くなりがちです。

 

そこで日本化学会が編集しているCSJカレントレビューを(日本化学会に所属していない私が)お勧めします。

[amazonjs asin=”4759813616″ locale=”JP” title=”驚異のソフトマテリアル―最新の機能性ゲル研究 (CSJ Current Review)”]

 

CSJカレントレビュー: 主な内容

本書は化学同人社より2010年にVol.1出版され、10月末日現在でVol.17まで出版されています(一覧はこちら)。内容は有機無機の分野にとらわれずナノ、バイオ、計算化学、エネルギーなど様々で、一覧を見れば気になるテーマのものが2~3冊は見つかると思います。

本書の構成は基本的に統一されており、以下のようになっています。

 

  Part 1. 基礎概念と研究現場:有名研究者のインタビュー、基礎知識の解説

  Part 2. 研究最前線:6~10ページ程度のレビュー(20本程度)

  Part 3. 役に立つ情報•データ:主要論文の紹介(50本程度)、重要用語解説

 

Part.1Part.3Part.2のレビュー理解する上で参考になりますし、卒論の序論を書く時に使えるデータや内容も多いです。また既に研究の内容がある程度決まっている方は、Part.3に掲載されている主要論文で自分の研究に関連のある論文から読み始めるのも良いと思います。

 

ですが、最も参考になったのはPart.2の各トピックのレビュー集です。最新の研究結果がかなり基礎から解説されており、博士後期課程に進学してから材料の研究を始めた素人の私ですら簡単に理解でき、研究テーマを決める際にかなり参考にしました。また一冊当たり20本以上ものレビューが掲載されているので、関心があるトピックの中で知らなかった研究を知る機会にもなります。私の場合、金ナノ粒子触媒の研究について調べるつもりでVol.9(金属および半導体ナノ粒子の化学)を購入したところ、他の金ナノ粒子に関連する研究(金ナノロッド、プラズモン)を知るきっかけになりました。

 

研究室に配属されれば1~3年間は研究を続けることになるので、有意義な学生生活を送るには関心の持てるテーマを見つけることが重要です。まずは一覧から面白そうなタイトルのものを見つけて、購入もしくは図書館をチェックされてみてはいかがでしょうか?

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4759813756″ locale=”JP” title=”次世代のバイオ水素エネルギー (CSJカレントレビュー)”]

 

関連リンク

 

Ohno

投稿者の記事一覧

博士(理学)。ナノ材料に関心があります。

関連記事

  1. 留学せずに英語をマスターできるかやってみた(4年目)
  2. 光速の文献管理ソフト「Paperpile」
  3. 【速報】2013年イグノーベル化学賞!「涙のでないタマネギ開発」…
  4. 東大、京大入試の化学を調べてみた(有機編)
  5. 触媒表面の化学反応をナノレベルでマッピング
  6. 世界の中心で成果を叫んだもの
  7. ハットする間にエピメリ化!Pleurotinの形式合成
  8. 思わぬ伏兵・豚インフルエンザ

注目情報

ピックアップ記事

  1. アムホテリシンBのはなし 70年前に開発された奇跡の抗真菌薬
  2. ADC薬 応用編:捨てられたきた天然物は宝の山?・タンパクも有機化学の領域に!
  3. 有機合成化学協会誌2025年11月号:英文特集号
  4. 資生堂、製品開発の可能性を大きく広げる新規乳化法開発に成功:プレスリリースから化粧品研究の一端を垣間見る
  5. 水素社会~アンモニアボラン~
  6. 祝5周年!-Nature Chemistryの5年間-
  7. 第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」を開催します!
  8. ルドルフ・クラウジウスのこと② エントロピー150周年を祝って
  9. リチウム Lithium -リチウム電池から医薬品まで
  10. キセノン (xenon; Xe)

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

第61回Vシンポ「中分子バイオ医薬品分析の基礎と動向 ~LCからLC/MSまで、研究現場あるあるとその対処~」を開催します!

こんにちは、Macyです。第61回Vシンポのご案内をさせていただきます。今回は、Agilen…

水分はどこにあるのか【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

「MI×データ科学」コース 〜LLM・自動実験・計算・画像とベイズ最適化ハンズオン〜

1 開講期間2026年5月26日(火)、29日(金) 計2日間2 コースのねらい、特色近…

材料の数理モデリング – マルチスケール材料シミュレーション –

材料の数理モデリング概要材料科学分野におけるシミュレーションを「マルチスケール」で理解するた…

第59回天然物化学談話会@宮崎(7/8~10)

ごあいさつ天然物化学談話会は、全国の天然物化学および有機合成化学を研究する大学生…

トッド・ハイスター Todd K. Hyster

トッド・カート・ハイスター(Todd Kurt Hyster、1985年10月10日–)はアメリカ出…

“最難関アリル化”を劇的に加速する固定化触媒の開発

第 703回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院 理工学府 博士課程前期で…

「ニューモダリティと有機合成化学」 第5回公開講演会

従来の低分子、抗体だけでなく、核酸、ペプチド、あるいはその複合体(例えばADC(抗体薬物複合体))、…

溶融する半導体配位高分子の開発に成功!~MOFの成形加工性の向上に期待~

第702回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理学部(田中研究室)にて助教をされていた秋吉亮平 …

ミン・ユー・ガイ Ming-Yu Ngai

魏明宇(Ming-Yu Ngai、1981年X月XX日–)は米国の有機化学者である。米国パデュー大学…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP