[スポンサーリンク]

K

ケック不斉アリル化 Keck Asymmetric Allylation

[スポンサーリンク]

 

概要

チタン-BINOLルイス酸触媒を用いる、アルデヒド・アリルスズ間の不斉アリル化反応。

 

基本文献

 

反応機構

keck_asym_allyl_2.gif

反応例

Epothilone類の合成[1] keck_asym_allyl_3.gif

実験手順

実施例[2] keck_asym_allyl_4.gif

攪拌子を備えた250mL丸底フラスコに(S)-BINOL(1.14 g, 4.0 mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液を調製する。粉末状モレキュラーシーブス4A(16g)を加え、シリンジで1Mチタンテトライソプロポキシド
ジクロロメタン溶液(4.0 mL, 4.0 mmol)を加える。その赤橙色懸濁液を1時間加熱還流する。室温まで放冷後、benzyloxyacetaldehyde
(6.0 g, 40 mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液をシリンジで加える。反応溶液を室温にて5分攪拌後、-78℃に冷却する。それにアリルトリブチルスズ(15.9
g, 14.9 mL, 48 mmol)をシリンジで加え、フリーザー(-20℃)の中で60時間攪拌せずに放置する。飽和重曹水(50mL)を加えて反応を停止し、ジクロロメタン(50mL)で希釈、室温にて2時間攪拌する。モレキュラーシーブスをセライトろ過で除去し、水層をジクロロメタン(2×25mL)で抽出する。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過ごエバポレータで減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製することで目的物を得る(6.16-6.69
g, 収率80-87%, 94-96%ee)。

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Danishefsky, S. J. et al. J. Am. Chem. Soc. 1997119, 10073. DOI: 10.1021/ja971946k

[2] Keck, G. E.; Krishnamurthy, D. Org. Synth. 199875, 12. [PDF]

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

 

関連記事

  1. アーント・アイシュタート合成 Arndt-Eistert Syn…
  2. FAMSO
  3. バートン・マクコンビー脱酸素化 Barton-McCombie …
  4. コッホ・ハーフ Koch-Haaf反応
  5. ジムロート転位 (共役 1,3-双極子開環体経由) Dimrot…
  6. 二酸化セレン Selenium Dioxide
  7. 超原子価ヨウ素 Hypervalent Iodine
  8. ヘイオース・パリッシュ・エダー・ザウアー・ウィーチャート反応 H…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 研究者向けプロフィールサービス徹底比較!
  2. 化学者だって数学するっつーの! :シュレディンガー方程式と複素数
  3. 国内最大級の研究者向けDeepTech Company Creation Program「BRAVE FRONTIER」 2022年度の受付開始 (7/15 〆切)
  4. 日本化学会:次期会長に藤嶋昭氏を選出--初の直接選挙で
  5. 科学史上最悪のスキャンダル?! “Climategate”
  6. 可視光レドックス触媒を用いた芳香環へのC-Hアミノ化反応
  7. 東芝やキヤノンが優位、微細加工技術の「ナノインプリント」
  8. 呉羽化学、社名を「クレハ」に
  9. 根岸 英一 Eiichi Negishi
  10. 第7回HOPEミーティング 参加者募集!!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP