[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

低投資で効率的な英語学習~有用な教材は身近にある!

[スポンサーリンク]

 

”英語”に困っているのは化学者に限らないけれども、英語が嫌いな(苦手な)化学者が多いのが現実。

それでも必要に迫られて、何とかしようと、英会話教室に行ったり本屋で教材を衝動買いしているものの、なかなか身につかない。

そこで今回は、英語を勉強するポイントである、

1)そもそも知らない単語は聞こえない(理解できない)

2)聞こえることと理解することは別の話

の2点を少々のがんばりで効率的にクリアするために、いかにお金をかけずに、そこら中にありふれた教材でいかに学ぶかについて、ご提案いたします。

matu155.jpg

本稿をごらんになっている方、英語は苦手ですか?

私は英語ができるできないにかかわらず英語が好きだったので、苦手かどうかという気持ちは残念ながら分かりません。

ただ、相手の行っていることを完全に理解し、誤解の無いように伝えられるかといえば、

”NO”です。正直申し上げると、下手の横好き、状態です。eikaiwa.png

ですので、何らかの努力をして、よりよいレベルに持って行こうとは常々試みています。

勉強のスタイルは人それぞれですし、学問に王道は無いわけですが、可能な限り無意味な努力はしたくないものです。

今回は自分の経験を踏まえつつ、これまでの自分自身の英語に対する戒めを含めて、可能な限りいかにお金をかけずに(全く0円と言うことではありません、あしからず)、英語は勉強できると言うことを、大きく2点にまとめて解説いたします。ただし、全く努力しようという気のない人は読まないでください。本稿ではお金をかけない、と言っているだけで、努力は必要ないと申し上げておりませんので。

要点1)単語を拾え

いきなりなんだろう、と言う言葉で始めましたが、私が高校の英語の先生に言われた言葉、

「知らない単語は聞こえない」

と言う事実を踏まえると、まず何をすべきかといえば、単語を覚えると言う、至極単純なことをしなければなりません。

これが面倒くさいから英語の勉強はしたくないんだよ、と言う声が聞こえてきそうですが、残念ながら、日本語のように漢字から意味を推定することが科学の専門用語はほぼ不可能です。漢字なら意味がついてくるので何となく意味は推測できますが、英語はどこからこんな単語が生まれてきたんだ、と言うような単語だらけですから。なので、少々我慢して、単語を覚える努力をしましょう。

と言っても、何から始めれば・・・と言うことなのですが、それは、

「英語の教科書を読むこと」

です。英語をすらすら読むことができないから困っているのに・・・、と思っている方、我慢してもう少しだけ本稿を読んでください。

英語の教科書、と言っても、何も新しいことを学ぶための教科書ではなく、既にある程度理解している分野の教科書を英語版で購入せよ、と言っているのです。

私の場合、学部時代に学んだ分子生物学の知識を英語の教科書で読んだらどうなるかと思い、大枚はたいて”Molecular Biology of the Gene”を買いました。

私はこの”Molecular Biology of the Gene”を大学院入試の英語の教材として活用し、2ヶ月で200ページ読み、知らない学術単語を減らす努力をしました。

それにより、知らない単語が減り論文が読みやすくなるだけでなく、理解できる状態で聞こえる単語が増えていくのです。

 

この量が多いのか少ないのかは実際のところ分かりませんが、言いたいことはたくさん読め、ということでは無く、

①内容を日本語で理解していることは、英語でも理解しやすい。

②教科書の英語は無駄な表現が無く、読みやすい。

という点です。

はっきり言って初学者に英語の論文を読みこなすのはつらいことであり、無理強いしてもなかなか効率が上がらないというもの。

結構英語ができる人であっても、分野外の論文は読みこなせないという点も同様なことがいえると思います。

ですので、日本語である程度理解している分野の英語の教科書を購入し(今は円高ですからチャンスですよ!)、ゆっくりと読むことをおすすめします。意外とこんなに英語を読めたかな?と思うくらい読めると思いますよ。

あ、無料でと言っていたのに、出費しろ?いえいえ、お金を可能な限りかけないと言っただけでそれくらいは我慢してください。だって、教科書は英語の勉強だけではなく、今後の研究活動などに必要なものですから。

要点2)無料の素材は落ちている!

ある程度英語の論文を読みこなせるようになっても、聞き取りと話すことは本質的に別次元の問題であり、難しいと感じている人が多いことでしょう。

月並みな言い方ではありますが、聞いて理解できるようになってから、話せるようになるのですね。子供が言葉を覚えるのと一緒です。

私が海外に行った時に英語ネイティブの人に言われたことは、聞き取り話せるようになるためには、

“listening”

ではなく

”understanmging”

しなければならないとここと。確かにそうです。日本語だって単語がすべて聞こえても、意味を理解したことにはなりませんね。

ですので、できるだけ聞き取りの練習をすることです。

それで、CNNやらBCCやらで英語の聞き取り、もいいのですが、読み取りと同じように、内容を知らない英語はとっかかりが無く、理解できないものです。きれいな発音なので、教材としては優れているのですが、これらをきちんとキャッチアップできる人は本稿はそもそも必要ないですね。

じゃあ、少しでも専門を科学にということで、私は以下の無料podcastをおすすめします。

Nature Podcast

http://www.nature.com/nature/podcast/

Science Podcast

http://www.sciencemag.org/site/multimedia/podcast/

JACS Cover Art Podcast

http://pubs.acs.org/JACSbeta/coverartpodcasts/

もちろん、全部無料です。ただし、ある程度の科学力は要求されますが。

最新号のトピックが聞き流せるので、最新号をあわせて読むと効果倍増です。

しかしいくら無料といえどもなかなか聞き取るのは大変だという方は、例えば、molecular biology of the cellに添付されているDVDを活用することをおすすめします。

他の教科書を知らないのですが、解説のDVDがあるのは珍しいことではありません。

このDVDの優れているところは、動画がついていると言うことです。内容をある程度理解して、単語を知っていれば、かなりフォローできるはずですね。科学は決まり切った表現しか使われないので、しつこく聞いて脳みそにすり込んでしまいましょう。

ちなみにこの教科書のDVDにはプレゼンに使えそうなPPTファイルが収納されています。教育的な場所では効果的に使えそうですね。

今回紹介した教科書は、生化学・分子生物学よりのものですが、”化学”もきちんと解説されていますよ。海外の研究者は、基本となることはきちんと理解するんだと言うことがよくわかります。負けじと幅広く勉強いたしましょう。

最後に、言うまでもないことですが、語学は1日してならず。ゆっくりと、しかししっかりと楽しくがんばりましょう!

あぽとーしす

あぽとーしす

投稿者の記事一覧

微生物から動物、遺伝子工学から有機合成化学まで広く 浅く研究してきました。論文紹介や学会報告などを通じて、研究者間の橋掛けのお手 伝いをできればと思います。一応、大学教員で、糖や酵素の研究をしております。

関連記事

  1. Lindau Nobel Laureate Meeting 動画…
  2. ケムステイブニングミキサー2016へ参加しよう!
  3. 抗ガン天然物インゲノールの超短工程全合成
  4. ムギネ酸は土から根に鉄分を運ぶ渡し舟
  5. CO2を用いるアルキルハライドの遠隔位触媒的C-Hカルボキシル化…
  6. 炭素を1つスズに置き換えてみたらどうなる?
  7. 試薬会社にみるノーベル化学賞2010
  8. シュプリンガー・ネイチャーより 化学会・薬学会年会が中止になりガ…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. セレノフェン : Selenophene
  2. 連鎖と逐次重合が同時に起こる?
  3. CRISPRの謎
  4. 「石油化学」の新ネーミング募集!
  5. 生物のデザインに学ぶ-未来をひらくバイオミメティクス-に行ってきました!
  6. 有機反応を俯瞰する ーエノラートの発生と反応
  7. カーン グリコシド化反応 Kahne Glycosidation
  8. 有機合成化学協会誌2020年10月号:ハロゲンダンス・Cpルテニウム–Brønsted酸協働触媒・重水素化鎖状テルペン・エラスティック結晶・複核ホウ素ヘテロ環
  9. ケムステVシンポ、CSJカレントレビューとコラボします
  10. ハリー・グレイ Harry B. Gray

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

注目情報

注目情報

最新記事

非古典的カルボカチオンを手懐ける

キラルなブレンステッド酸触媒による非古典的カルボカチオンのエナンチオ選択的反応が開発された。低分子触…

CEMS Topical Meeting Online 機能性材料の励起状態化学

1月28日に毎年行われている理研の無料シンポジウムが開催されるようです。事前参加登録が必要なので興味…

カルボン酸に気をつけろ! グルクロン酸抱合の驚異

 カルボン酸は、カルボキシ基 (–COOH) を有する有機化合物の一群です。カルボン…

第138回―「不斉反応の速度論研究からホモキラリティの起源に挑む」Donna Blackmond教授

第138回の海外化学者インタビューはドナ・ブラックモンド教授です。2009年12月現在、インペリアル…

Ru触媒で異なるアルキン同士をantiで付加させる

Ru触媒を用いたアルキンのanti選択的ヒドロおよびクロロアルキニル化反応が開発された。本反応は共役…

化学系必見!博物館特集 野辺山天文台編~HC11Nってどんな分子?~

bergです。突然ですが今回から「化学系必見!博物館特集」と銘打って、私が実際に訪れたいちおしの博物…

有機合成化学協会誌2021年1月号:コロナウイルス・脱ニトロ型カップリング・炭素環・ヘテロ環合成法・環状γ-ケトエステル・サキシトキシン

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2021年1月号がオンライン公開されました。あ…

第137回―「リンや硫黄を含む化合物の不斉合成法を開発する」Stuart Warren教授

第137回の海外化学者インタビューはスチュアート・ウォーレン教授です。ケンブリッジ大学化学科に所属し…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP