[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑦

[スポンサーリンク]

「極限からの一手」コーナーでは筆者の独断と偏見に基づき、全合成における優れた問題解決とその発想を紹介してみたいと思います。困難に直面した全合成化学者がいかにして創造的発想からの解決に至ったか、それを追体験できるようなクイズ形式にしています。

すいぶんと間が空いてしまいましたが、第7回です。東京理科大(当時)の林雄二郎石川勇人らによって成し遂げられた、タミフルの短工程合成(2009)における立体制御法について取り上げます。

(※過去の問題はこちら:

以下に示すタンデム鍵反応では、上スキームのように5位立体が逆に出てしまうことが問題であった。しかしone-potでチオフェノール付加体に変換するという本来必要のない変換を挟むことで、下スキームのように望む立体を持つ生成物を単離することができ、 問題を解決できた。成功に至った理由(チオフェノールの効能)を考察せよ。

next_move_7q.gif

解答はこちら

関連書籍

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. Reaxys PhD Prize 2016ファイナリスト発表!
  2. ポンコツ博士の海外奮闘録XXIII ~博士の危険地帯サバイバル …
  3. Fmoc-N-アルキルグリシンって何ができるの?―いろいろできま…
  4. PACIFICHEM2010に参加してきました!①
  5. 元素ネイルワークショップー元素ネイルってなに?
  6. 室温固相反応で青色発光物質Cs₃Cu₂I₅の良質薄膜が生成とその…
  7. シリカゲルの小ネタを集めてみた
  8. C-CN結合活性化を介したオレフィンへの触媒的不斉付加

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 進化するCAS SciFinderⁿ
  2. 発光材料を光で加工する~光と酸の二重刺激で材料加工~
  3. 長井長義 Nagayoshi Nagai
  4. 生体組織を人工ラベル化する「AGOX Chemistry」
  5. お”カネ”持ちな会社たちー2
  6. ルーブ・ゴールドバーグ反応 その2
  7. 交響曲第6番「炭素物語」
  8. グリーンケミストリー Green Chemistry
  9. 原子一個の電気陰性度を測った! ―化学結合の本質に迫る―
  10. 生きた細胞内のヘムを検出する蛍光プローブ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

5/15(水)Zoom開催 【旭化成 人事担当者が語る!】2026年卒 化学系学生向け就活スタート講座

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。化学業界・研究職でのキャリ…

フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

第610回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院理学研究科(依光研究室)に在籍されていた江 迤源…

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP