[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑤

[スポンサーリンク]

 

「極限からの一手」コーナーでは筆者の独断と偏見に基づき、全合成における優れた問題解決とその発想を紹介してみたいと思います。困難に直面した全合成化学者がいかにして創造的発想からの解決に至ったか、それを追体験できるようなクイズ形式にしています。

さて第5回は、Sturmer・Hoffmannによるエリスロノリド類縁体の全合成(1993)について。”脱保護プロブレム”の突飛な解決法を取り上げたいと思います。

(※過去の問題はこちら:

本合成では酸性条件に弱い複数の保護基が共存する中で、シクロペンチリデンアセタールのみを選択的に脱保護することが求められた。この目的にて、驚くべきことに2,4,6-トリニトロトルエン(TNT)の添加が効果的であることが見出されている。TNTの役割を説明せよ。

next_move_5q_1

解答はこちら

 

関連書籍

[amazonjs asin=”3527306447″ locale=”JP” title=”Dead Ends and Detours”][amazonjs asin=”B00DXJLDK6″ locale=”JP” title=”More Dead Ends and Detours: En Route to Successful Total Synthesis”]

 

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. MOF 内の水分子吸着過程の解析とそれに基づく水蒸気捕集技術の向…
  2. 「Python in Excel」が機能リリースされたときのメリ…
  3. Arcutine類の全合成
  4. 一人三役のリンイリドを駆使した連続光触媒反応の開発
  5. エチレンをつかまえて
  6. セブンシスターズについて① ~世を統べる資源会社~
  7. ノーベル賞受賞者と語り合おう!「第16回HOPEミーティング」参…
  8. 2018年 (第34回)日本国際賞 受賞記念講演会のお知らせ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 「イオンで農薬中和」は不当表示・公取委、米販2社に警告
  2. 「転職活動がうまくいかない」と思ったらやるべきリフレクションとは?
  3. 分子構造を 3D で観察しよう (1)
  4. 抗ガン天然物インゲノールの超短工程全合成
  5. 富士フイルムが医薬事業に本格参入
  6. 化学者のためのエレクトロニクス講座~無線の歴史編~
  7. 分子モーター / Molecular Motor
  8. フッ化セシウムをフッ素源とする立体特異的フッ素化有機分子の合成法の開発
  9. マテリアルズインフォマティクスでリチウムイオン電池の有機電極材料を探索する
  10. 水入りフラーレンの合成

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年5月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP