[スポンサーリンク]

元素の基本と仕組み

元素紀行

[スポンサーリンク]

先日、こんな記事を読みました。内容を一言で申せば、筆者の前川ヤスタカさんご自身の著書タイトルである「勉強できる子 卑屈化社会」という現象を問題視する内容です。

この記事の捉え方は学歴や世代によって様々であろうと私は思っています。しかし、客観的に見て高学歴である30代後半の私の個人的な感想を敢えて申せば、まったくもって著者の前川ヤスタカさんが主張されていることに同意いたします。

私自身もかつては学歴ゆえに少し肩身の狭い思いをしたような気もしますが、大きな問題はそこではなくて、日本社会では、例えば野球エリートが冷笑的に扱われることなどないのに、なぜ学歴エリートは冷笑的に扱われることがあるのだろう?と言う点です。これは言うなれば「スポーツ>学問」というような「価値差別」ではないか?と。。。救いは、以前よりもこのような風潮は弱まっていると(少なくとも私は)感じることです。

確かな理由はわかりませんが、ソーシャルメディアの普及による価値観の多様化や、日本人ノーベル賞受賞者が増えてきた(「日本人」と付けなければならないところが、もどかしいわけですが、それは別の機会に)ために、スポーツや芸術よりも低かった(と少なくとも私が感じている)学問の「地位」が相対的に高まったがことが理由だったりするんでしょうか。

まあともかく、何事も冷笑的に扱うこと無く、特に子供たちには、サッカーができたら「すごい!」、ピアノができたら「すごい!」、化学のお勉強ができたら「すごい!」と接してあげたいものですね。自戒も込めて。

さて、本題。学問の地位向上などと上述しましたが、これと似て非なるものとして、学問のフレンドリー化というものがあると思います。

クイズのテレビ番組などはその典型でしょうか。

そんな流れの末端ではありますが、化学にフォーカスを当てた楽曲がありますので紹介できればと。演奏しているのは、その名も「相対性理論」、活動歴も長いようですのでご存知の方も多いと思います。そして、今回紹介するこのサイトにふさわしい楽曲が表題の「元素紀行」。ちなみに、この曲は「シフォン主義」というアルバムに収録されています。

グループ名が物理学で、曲名は化学、アルバムタイトルは経済学と手広く学問をやっておられますね(笑)。当世流に言えば「ヘタカワ」なヴォーカル、そして、頭に残るリフとか、私は好きです、彼らの音楽。試しに「元素紀行」を聴いてみてください。

「元素紀行」というタイトルですが、出だしの歌詞は

酸素 水素 二酸化炭素

となります。ん?。。。そして2番の歌詞の始めも

塩素 窒素 過酸化水素

やっぱり。。。そう、このサイトの閲覧者の多くは二酸化炭素と聴いた瞬間、「分子じゃん?」とツッコんだのではないでしょうか?ついでに申せば「元素」でなく「分子」なら、キコウの部分もダブルミーニングにできるのに、、、と、私はお節介を焼きたくなりました。いえ、断じて冷笑的になるつもりはありません。お勉強もちょっとできると、話題もふっと展開し、世の中ももっと楽しくなるかも、ってことです。

今回はこんなところで。普段は頭の中で分子機構を巡らせている化学者のみなさまも、たまにはその身を音楽紀行に委ねてみてはいかがでしょう?化学な音楽、もっとご存知でしたら、教えてくださると嬉しいです。

ちなみに執筆中に知ったのですが、ニホニウム記念で同名の著作も最近出ているようですが、これは余談。

Arlequin

投稿者の記事一覧

化学は生物の文法である。と、勇んで始めた発酵研究。文法だけでは物語は書けないのであった。。。昔も含めてその他研究分野は、医薬化学、糖鎖化学、酵素化学、夏目漱石。良き物語を書きたいものです。

関連記事

  1. ケムステV年末ライブ & V忘年会2021を開催します…
  2. 非平衡な外部刺激応答材料を「自律化」する
  3. 2017年12月14日開催: 化学企業4社によるプレミアムセミナ…
  4. 二量化の壁を超えろ!β-アミノアルコール合成
  5. オキシトシンを「見える化」するツールの開発と応用に成功-謎に包ま…
  6. 化学者のためのエレクトロニクス講座~めっきの基礎編~
  7. ⾦属触媒・バイオ触媒の⼒で⽣物活性分⼦群の⾻格を不⻫合成
  8. 立体選択的なスピロ環の合成

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 4-メルカプト安息香酸:4-Mercaptobenzoic Acid
  2. 第21回次世代を担う有機化学シンポジウム
  3. 有機合成化学者が不要になる日
  4. 抗ガン天然物インゲノールの超短工程全合成
  5. 近況報告PartIV
  6. ハートウィグ ヒドロアミノ化反応 Hartwig Hydroamination
  7. マテリアルズインフォマティクスでリチウムイオン電池の有機電極材料を探索する
  8. 徹底比較 特許と論文の違い ~明細書、審査編~
  9. 高速液体クロマトグラフィ / high performance liquid chromatography, HPLC
  10. 元素に恋して: マンガで出会う不思議なelementsの世界

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年3月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

注目情報

最新記事

材料開発の変革をリードするスタートアップのデータサイエンティストとは?

開催日:2023/06/08  申し込みはこちら■開催概要MI-6はこの度シリーズAラウ…

世界で初めて有機半導体の”伝導帯バンド構造”の測定に成功!

第523回のスポットライトリサーチは、千葉大学 吉田研究室で博士課程を修了された佐藤 晴輝(さとう …

第3回「Matlantis User Conference」

株式会社Preferred Computational Chemistryは、7月21日(金)に第3…

第38回ケムステVシンポ「多様なキャリアに目を向ける:化学分野のAltac」を開催します!

本格的な夏はまだまだ先ですが、毎日かなり暖かくなってきました。皆様お変わりございませんでしょうか。…

フラノクマリン -グレープフルーツジュースと薬の飲み合わせ-

2023年2月に実施された第108回薬剤師国家試験において、スウィーティーという単語…

構造の多様性で変幻自在な色調変化を示す分子を開発!

第522回のスポットライトリサーチは、北海道大学 有機化学第一研究室(鈴木孝紀 研究室)で博士課程を…

マテリアルズ・インフォマティクス適用のためのテーマ検討の進め方とは?

開催日:2023/05/31 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の…

リングサイズで性質が変わる蛍光性芳香族ナノベルトの合成に成功

第521回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院理学研究科理学専攻 物質・生命化学領域 有機化…

材料開発の変革をリードするスタートアップのプロダクト開発ポジションとは?

開催日:2023/06/01 申し込みはこちら■開催概要MI-6はこの度シリーズAラウン…

種子島沖海底泥火山における表層堆積物中の希ガスを用いた流体の起源深度の推定

第520回のスポットライトリサーチは、琉球大学大学院 理工学研究科海洋自然科学専攻 地殻内部水圏地化…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP