[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

有機化学1000本ノック【命名法編】【立体化学編】

[スポンサーリンク]

概要

命名法編

有機化学を深く理解するために有効な方法は,演習問題を解き,知識の定着を確認することである.有機化学の初期で大学生がつまずきやすい一つが化合物の命名法.有機化学では,この命名法を理解していることが前提となって講義が進むが,きちんと学習する機会は少ない.本書では,基本的な命名法のルールを理解できるまで繰り返せるように,1000問超の問題を掲載.あとは「身体に染みつく」まで解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

立体化学編

構造異性体,立体異性体,立体配置,立体配座など,苦手意識をもつ学生が多い立体化学.分子の構造を正しくとらえ,二次元で表示された構造式を三次元で理解するためには,分子あらゆる角度から眺めるトレーニングが必要となる.『命名法編』と同じく1000問超の問題を掲載.分子構造模型を片手に,「頭の中で自由に分子を回転できる」まで解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

対象

  • 有機化学を学ぶすべての人
  • 大学生以上(高校生でもよいかも)
  • 大学1年生の講義をもつ大学教員

内容

なんてキャッチーなタイトルなんだ!(良い意味で)

はじめの感想がこれ。このタイトルを見ただけで中身がわかる。1000本ノックなので、徹底的に問題を解き続ける本。1000本=まさか1000題あるのかな?と思いきや、、

あります。

命名法編は1002題、立体化学編は1001題ありました。いやはや、とっても単純ですが、いままでにない本で新鮮です。

中身をみていきましょう。

命名法編では、官能基別に、「命名のポイント」「問題」からなっています。ただただ問題の羅列だけでないのもよいところ。しっかりこの書籍だけで自学できるようになっています。

一方の立体化学編も化合物別になっていて、それぞれ、「立体化学のポイント」と「問題」があります。立体化学ではよくでてくるマニアックな化合物群も多いですね。

と、まさに名前通りの書籍です。

これは良い!と思ったのは、講義に使えそうというところ。命名法や立体化学は自分でとかないと身につきません。特に理論があるわけではなく、あるルールにしたがって、名前や立体化学を示すのみ。

「こんな単純なことに講義の時間をつかってられない!」

ということでさらっとやって終わらすんですね。ただ、テストには出しやすい(苦笑)。結果、あんまりできず残念に思うわけです。この書籍で練習問題を宿題でやっていればいいのではないかと思いました。というわけで、即購入

命名法も、立体化学もChemDraw殿に出してもらっている筆者としては、この書籍で無敵になった学生に会うのが怖いですね(苦笑)。ちなみに、皆さんこれがあったらいいのにと思われる【反応機構編】はすでに発売が決定しているらしいです。とっても楽しみですね!

関連書籍

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 【書籍】新版 元素の小辞典
  2. 背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?
  3. レア RARE 希少金属の知っておきたい16話
  4. English for Writing Research Pap…
  5. 交響曲第6番「炭素物語」
  6. HOW TO 分子シミュレーション―分子動力学法、モンテカルロ法…
  7. 海の生き物からの贈り物
  8. 料理と科学のおいしい出会い: 分子調理が食の常識を変える

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 骨粗鬆症、骨破壊止める化合物発見 理研など新薬研究へ
  2. 改正 研究開発力強化法
  3. 天才児の見つけ方・育て方
  4. カリフォルニア大学バークレー校・化学科への学部交換留学
  5. エーザイ、抗体医薬の米社を390億円で買収完了
  6. サンギ、バイオマス由来のエタノールを原料にガソリン代替燃料
  7. 一重項励起子開裂を利用した世界初の有機EL素子
  8. マテリアルズ・インフォマティクスにおける高次元ベイズ最適化の活用-パラメーター数が多い条件最適化テーマに対応したmiHub新機能もご紹介-
  9. 2021年化学企業トップの年頭所感を読み解く
  10. 第122回―「分子軌道反応論の教科書を綴る」Ian Fleming教授

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2019年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

注目情報

最新記事

アメリカ企業研究員の生活①:1日の仕事の流れ

私はアメリカの大学院(化学科・ケミカルバイオロジー専攻)を卒業し、2年半前からボストンにある中規模の…

ラジカルを活用した新しいケージド化法: アセチルコリン濃度の時空間制御に成功!!

第 524回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院 薬学研究科 薬科学専攻 …

第38 回化学反応討論会でケムステをみたキャンペーン

今週の6月7日から9日に九州大学 西新プラザにて第38 回化学反応討論会に参加される皆様にお知らせで…

材料開発を効率化する、マテリアルズ・インフォマティクス人材活用のポイントと進め方

開催日:2023/06/07 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化…

材料開発の変革をリードするスタートアップのデータサイエンティストとは?

開催日:2023/06/08  申し込みはこちら■開催概要MI-6はこの度シリーズAラウ…

世界で初めて有機半導体の”伝導帯バンド構造”の測定に成功!

第523回のスポットライトリサーチは、千葉大学 吉田研究室で博士課程を修了された佐藤 晴輝(さとう …

第3回「Matlantis User Conference」

株式会社Preferred Computational Chemistryは、7月21日(金)に第3…

第38回ケムステVシンポ「多様なキャリアに目を向ける:化学分野のAltac」を開催します!

本格的な夏はまだまだ先ですが、毎日かなり暖かくなってきました。皆様お変わりございませんでしょうか。…

フラノクマリン -グレープフルーツジュースと薬の飲み合わせ-

2023年2月に実施された第108回薬剤師国家試験において、スウィーティーという単語…

構造の多様性で変幻自在な色調変化を示す分子を開発!

第522回のスポットライトリサーチは、北海道大学 有機化学第一研究室(鈴木孝紀 研究室)で博士課程を…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP