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その他

広大すぎる宇宙の謎を解き明かす 14歳からの宇宙物理学

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概要

「宇宙物理学」は、宇宙のさまざまな場所で起こる現象を物理学で説明し、私たちの住む世界に対する理解を深める学問のこと。ちょっと難しい印象がありますが、じつはとてつもなくおもしろい分野で、宇宙の壮大な謎も物理学で少しずつ解き明かされていることがわかります。この本では、若手研究者が宇宙に興味のある中学生以上の読者を対象に、「ちょっと難しいけどもっと知りたくなる宇宙物理学」について数式から詳しく解説。宇宙をかたるのに欠かせない相対性理論の超わかりやすい解説から、「宇宙はいまも膨張している」「宇宙は無数にあるかもしれない」「ブラックホールに吸い込まれたらどうなる?」など、知りたくなる宇宙のひみつを物理学者が最新研究をもとに、イラストや写真満載でお届けします!(引用:KADOKAWA)

対象者

14歳以上。宇宙物理学を知らない大人が読んでも楽しめます。

目次

【1章】物理のキホン
どうして「宇宙」と呼ぶか/1000年続いた天動説/惑星の運動3つの法則/数式は宇宙を語る言葉/かっこいい単位
【2章】重力がわかれば宇宙がわかる!
月が回るのは重力のおかげ/相対性理論をかじってみよう/光を同じ速さで追いかけたら/未来には行けるかも
【3章】宇宙の謎はここまでわかった
今見ている宇宙は昔の姿/宇宙はいまも膨張している/宇宙の年齢を計算しよう/宇宙は無数にあるかもしれない
【4章】天体のひみつ
地球はいったいどこにある?/星の一生/重い恒星が最後に起こす爆発/太陽はあと50憶年輝ける

解説

化学とは関係ありませんが、一部では話題沸騰中の書籍が発売されましたので、さっそく読んでみました。

著者は、京都大学大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 物理第二分野 天体核研究室に所属する武田 紘樹 博士で、Twitter上でコミカルなやり取りを披露したり、博士の任期付きアイドルグループPhD48の設立を目指すオーディションを企画したりと科学界で異彩を放つ研究者です。

そんな宇宙物理学の専門家が中学生以上の読者を対象に宇宙の秘密を解説したのが本書です。具体的には、一問一答のスタイルで宇宙に関する83のトピックを解説しています。1トピック当たり見開き2 ページで、右に文章、左に図や数式のスタイルがとられており、簡潔で大変わかりやすい構成になっています。

では第1章から内容を見ていきますが、第1章は物理のキホンとして宇宙研究の始まりから宇宙における距離や星の明るさの単位、電磁気学、素粒子の基礎について紹介しています。電磁気学や素粒子については、まさしく物理学の基礎であり宇宙を理解するのに必要な原理が紹介されています。一方星の明るさや質量は、どちらかというと直に天体に関する基礎知識のようで、本章から物理と天体の両面の基礎を知ることができました。

第2章は、重力について解説しています。序盤は相対性理論をはじめとした重力に関する内容で、中盤からその質量と光の関係性が示され、終盤ではブラックホールについて取り扱われています。本章における興味深い内容の一つに時間の遅れがあり、光速に近づくと時間の流れが遅くなることは聞いたことがありましたが、本書ではその理由が解説されておりタイトルの通り中学生でも理解することができるかと思います。またブラックホールについても何かすごいものとしか認識がありませんでしたが、本章ではどんな性質を持つのかを知ることができます。

第3章は、宇宙の成り立ちや将来の形、まだ解明されていない謎について紹介しています。章の序盤には難解な数式がいくつか登場し、宇宙物理学の少し踏み込んだ内容に触れることができます。章の終盤ではダークマターや宇宙の果てといったまだわからないことについても触れられており、ついどうなっているのか想像しまいたくなります。それでも学問としての要点は抑えられており、

観測での検証が不可能なことも理論的考えることはできる。

という文言には、宇宙物理学には全く無知ながらもこの学問に取り組む楽しさを感じました。

第4章は、天体に関する内容で、星や銀河について解説しています。小学生の頃に図鑑などで見た内容がより詳しく紹介されており、銀河系には地球に似た惑星があるのか、太陽はこの先どうなっていくのか、星に対するロマンを感じる章だと思います。

化学サイドから見ると、物理=難しい、そして宇宙が付くと全くわからないと思う方も多いかもしれませんが、本書はタイトルの通り分かりやすく解説されており、中高生を含む一般の方が宇宙物理学について知るには最適な本だと思います。一般向けとしても内容に妥協は無く、関連する公式やグラフが多数掲載されており、小学生の図鑑よりもより詳しい内容に触れることができます。化学研究の休憩にロマンあふれる宇宙物理学に触れてみてはいかがでしょうか。

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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