[スポンサーリンク]

ケムステまとめ

有機反応を俯瞰するシリーズーまとめ

[スポンサーリンク]

本シリーズでは、ケムステ内の有機反応データベース (ODOS) に存在する 500 以上の有機人名反応を反応機構別に分類し、さもなければおびただしい数の有機反応を詠み解いてゆきます。現在 108 反応を俯瞰中! (このまとめ記事では、記事の公開順ではなく、基礎的だと思われる反応から順に並べています。)

縮合反応

高校化学でも登場する有機反応であるエステル合成反応を中心に、その反応が起こるメカニズムを解説します。エステル化反応の反応機構は一見するとステップが多く複雑であると思われがちですが、本質的な部分を抜き出すと、「アルコールを引き寄せて水を追い出す」と要約することができます。

代表例

芳香族求電子置換反応

芳香族求電子置換反応は、芳香族化合物における代表的な反応です。高校化学から登場し、大学学部レベルの教科書でも体系化されている反応なので、わざわざ “俯瞰” しなくてもよい気もしますが、今回はそれらの反応をあえて線引きするべきだという視点で 2 回の記事に分けてまとめていきたいと思います。

代表例

付加脱離

付加脱離反応は、カルボン酸誘導体における置換反応で多く見られます。一方、ある種の芳香族化合物は、付加脱離機構による置換反応を受けます。本記事では、「叩いて押し返す」という合言葉とともに、付加脱離機構に見られる共通の原理をひも解きます。

代表例

エノラートの発生と反応

この記事では、アルドール反応を起点として、エノラートやその等価体が関与する反応を俯瞰します。本記事を通して、エノラートが関与する反応に共通した「負電荷を引き受けて押し流す」という巻矢印の書き方を紹介します。

代表例

Mannich 型縮合反応

Mannich 反応に代表されるいくつかの縮合反応では、カルボニル化合物の付加反応に続いて SN1 反応が起こります。本記事では、カルボニル基への付加反応により生じた四面体中間体が「脱離基を追い出して、求核剤を引き寄せる」というメカニズムにより、様々な反応に発展することについてお話しします。

代表例

ヘテロ環合成

今回は特定の構造 (ヘテロ環化合物) を合成するためにどのような戦略を立てるかという視点でたくさんの反応を眺めます。この前編である「C—X 結合で切る」ではPaal-Knorr ピロール合成のような、カルボニル化合物を用いた縮合反応によるヘテロ環合成を俯瞰します。そして、ヘテロ環の合成戦略を立てる際には、まず炭素—ヘテロ原子結合を切断し、それをカルボニル基とヘテロ原子源に対応させればよいことをお話します。後編の「C—C 結合で切る」では、Knorr ピロール合成Kröhnke ピリジン合成、あるいは Hantzsch ジヒドロピリジン合成のように炭素—炭素結合の構築を含むヘテロ環合成を俯瞰します。ヘテロ環合成によく利用される反応剤の種類についてお話し、ヘテロ環合成に見られる共通の指針を紹介します。

代表例

[1,2] 転位

この記事では、ピナコール転位Beckmann 転位あるいは Baeyer-Villiger 酸化のように、置換基がすぐ隣の原子に転位するタイプの反応、すなわち [1,2] 転位を俯瞰します。これらの反応では、「アルキル基を引き出し押し込む」という共通の電子の流れが見られます。

その他の反応例

挿入的 [1,2] 転位

Wolff 転位のようなある種の [1,2] 転位反応ではカルベンなどの原子価が不完全な中間体が関与します。これらの [1,2] 転位でも、「引き出し押し込む」という原理が働きます。さらにこの記事では、それらの反応を挿入反応として分類しても見通しが良いことについてお話しします。

その他の反応例

シグマトロピー転位

シグマトロピー転位は、π 結合の移動にともなって、それと超共役していた σ 結合の位置がトロピー (ギリシャ語で「変化」の意味) する反応です。この種の反応は、典型的な有機反応のような「求核剤が求電子剤を攻撃する」という機構とは異なっているようです。

代表例

リンの化学

本記事では Wittig 反応Horner-Wadsworth-Emmons 反応あるいは光延反応のようにリン化合物が関与する有機反応を俯瞰します。リンが関わる反応の豊富な実例を紹介することで、それらの反応の駆動力が “リン酸素の親和性の高さ” の一言に尽きることについて見ていこうと思います。「その 1」では Wittig 反応に代表されるような 「4 員環形成からのシン脱離」について、「その 2」では、光延反応のような置換反応についてお話しします。それらの反応の形式は違っても、「リン酸素捕まえて、奪い去る」という原理が一貫していることを眺めてゆきます。

その他の反応例

有機化学を俯瞰する

本連載では分子の化学、特に有機化学の歴史を振り返りながら、現代の合成化学がどのような過程で今に至っているのかを紐解いていきます。この記事では尿素を人工的に合成したことで有機化学が幕を開けたことをお話します。さらに分子構造の化学反応のメカニズム (反応機構) の解明によって有機合成化学の発展に大きく貢献したこと解説します。最後に21世紀の合成化学の様子の一部を俯瞰します。

その他: シリーズ著者による有機反応の解説記事

更新履歴

関連記事

関連書籍

やぶ

投稿者の記事一覧

PhD候補生として固体材料を研究しています。学部レベルの基礎知識の解説から、最先端の論文の解説まで幅広く頑張ります。高専出身。

関連記事

  1. チャート式実験器具選択ガイド:実験メガネ・白衣編
  2. 身近なカガクを説明した記事まとめ
  3. ケムステしごと企業まとめ
  4. 計算化学記事まとめ
  5. ケムステ記事ランキングまとめ
  6. 化学の成果で脚光を浴びた小・中・高校生たち
  7. ケミカルタイムズ 紹介記事シリーズ
  8. 美しい化学構造式を書きたい方に

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 3.11 14:46 ③ 復興へ、震災を教訓として
  2. pH応答性硫化水素ドナー分子の開発
  3. 乙卯研究所 研究員募集
  4. アルケンとCOとジボロンからジボリルシクロプロパンを作る
  5. 芳香族求核置換反応 Nucleophilic Aromatic Substitution
  6. DABを用いた一級アミノ基の選択的保護および脱保護反応
  7. 歯車クラッチを光と熱で制御する分子マシン
  8. 住友化・大日本住友薬、ファイザーと高血圧症薬で和解
  9. 「2010年トップ3を目指す」万有製薬平手社長
  10. ジョン・アンソニー・ポープル Sir John Anthony Pople

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2017年8月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

期待度⭘!サンドイッチ化合物の新顔「シクロセン」

π共役系配位子と金属が交互に配位しながら環を形成したサンドイッチ化合物の合成が達成された。嵩高い置換…

塩基が肝!シクロヘキセンのcis-1,3-カルボホウ素化反応

ニッケル触媒を用いたシクロヘキセンの位置および立体選択的なカルボホウ素化反応が開発された。用いる塩基…

中国へ行ってきました 西安・上海・北京編①

2015年(もう8年前ですね)、中国に講演旅行に行った際に記事を書きました(実は途中で断念し最後まで…

アゾ重合開始剤の特徴と選び方

ラジカル重合はビニルモノマーなどの重合に用いられる方法で、開始反応、成長反応、停止反応を素反応とする…

先端事例から深掘りする、マテリアルズ・インフォマティクスと計算科学の融合

開催日:2023/12/20 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

最新の電子顕微鏡法によりポリエチレン分子鎖の向きを可視化することに成功

第583回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 陣内研究室の狩野見 …

\脱炭素・サーキュラーエコノミーの実現/  マイクロ波を用いたケミカルリサイクル・金属製錬プロセスのご紹介

※本セミナーは、技術者および事業担当者向けです。脱炭素化と省エネに貢献するモノづくり技術の一つと…

【書籍】女性が科学の扉を開くとき:偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語る

概要米国の女性科学者たちは科学界のジェンダーギャップにどのように向き合い,変えてきたのか ……

【太陽ホールディングス】新卒採用情報(2025卒)

■■求める人物像■■「大きな志と好奇心を持ちまだ見ぬ価値造像のために前進できる人…

細胞代謝学術セミナー全3回 主催:同仁化学研究所

細胞代謝研究をテーマに第一線でご活躍されている先生方をお招きし、同仁化学研究所主催の学術セミナーを全…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP