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合成後期多様化法 Late-Stage Diversification

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化合物合成経路の終盤で化学選択的な変換を行うことができれば、物質が生来有する構造・機能をある程度担保しつつも、多数の類縁体への直接的アクセスが可能になる。このような方法論を合成後期多様化法(Late-Stage Diversification)と呼ぶ[1-3]。(画像引用:CCHF)

とりわけ有機化合物に遍在する炭素-水素(C-H)結合を標的とする化学変換が、この実施に適する反応形式として注目を集めている。

医薬リードを対象とすることで、最適化プロセスを合理的に迅速かつ合理的に進めることもできる。

文献[3]より引用

参考文献

  1. “Divergent C–H Functionalizations Directed by Sulfonamide Pharmacophores: Late-Stage Diversification as a Tool for Drug Discovery” Dai, H.-X.; Stepan, A. F.; Plummer, M. S.; Zhang, Y.-H.; Yu, J.-Q. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 7222. DOI: 10.1021/ja201708f
  2. “C–H bond activation enables the rapid construction and late-stage diversification of functional molecules” Wencel-Delord, J.; Glorius, F. Nat. Chem. 2013, 5, 369. doi:10.1038/nchem.1607
  3. “The medicinal chemist’s toolbox for late stage functionalization of drug-like molecules” Cernak, T.; Dykstra, K. D.; Tyagarajan, S.; Vachalb, P.; Krskab, S. W. Chem. Soc. Rev. 2016, 45, 546. doi:10.1039/C5CS00628G

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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