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レドックスフロー電池 Redox-Flow Battery, RFB

レドックスフロー電池 (Redox-Flow Battery, RFB) とは蓄電池の一種で,酸化還元反応を起こす活物質をフローさせる電池です.

レドックスフロー電池

レドックスフロー電池 (Redox-Flow Battery, RFB) は,一般的な蓄電池と違い,活物質と電解質が電池セル外のタンクに貯蔵され,ポンプによってセルへと循環供給される構造となっています [1].

RFBは大規模なエネルギー貯蔵システムとしての役割が期待されています[2].その理由は大きく二つあります.一つ目は設置の自由度が高く,セルのサイズや数,タンクの大きさによってスケールを制御できる点です (controllable scaling).例えばセルの数を増やせば高電圧を扱え,タンクに蓄える活物質の量を増やせば高容量の電力を扱える電池となります.二つ目はモジュール化が可能で長期利用に適している点です(modular manufacturing).欠陥部品の交換などで電池の整備ができる他,活物質をタンクに蓄えるので電池の制御が比較的しやすいと言えます.

最も研究が進んでいる RFB は,活物質にバナジウムイオンを用いたバナジウム RFB,VRFBです.正極活物質に VO2+,負極活物質に V2+,電解質に硫酸水溶液を用いて炭素電極の上での酸化還元反応により充放電が行われます.起電力は 1.25 V でその高いエネルギー密度からすでに実証実験がなされています.残された課題としては,バナジウムの毒性やコスト,腐食性などがあり,代替材料の開発研究が行われています.

 

関連文献

  1. Noack, J.; Roznyatovskaya, N.; Herr, T.; Fischer, P. Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 9776. DOI: 10.1002/anie.201410823
  2. Dunn, B.; Kamath, H.; Tarascon, J.-M. Science 2011, 334, 928. DOI: 10.1126/science.1212741

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名古屋大学大学院理学研究科 野依研究室 中研究グループで話題となった内容を紹介します.

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