[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ジン=クアン・ユー Jin-Quan Yu

ジン=クアン・ユー (Jin-Quan Yu、1966年1月10日-)は、アメリカ在住の化学者である。米スクリプス研究所教授。

経歴

1982-1987 East China Normal University 卒業 (L.-X. Dai、B.-Q. Wu教授)
1987-1988 Shanghai Institute of Organic Chemistry
1988-1990 Guangzhou Institute of Chemistry 修士号取得 (S.-D. Xiao教授)
1990-1994 Guangzhou Institute of Chemistry Teaching & Research Assistant
1994-1999 ケンブリッジ大学 博士号取得 (J.B.Spencer教授)
2000-2003 ハーバード大学 博士研究員 (E.J.Corey教授)
2003-2004 ケンブリッジ大学 研究員
2004-2007 Brandeis大学 助教授
2007-2010 スクリプス研究所 准教授
2010- スクリプス研究所 教授

 

受賞歴

Raymond and Beverly Sackler Prize in the Physical Sciences, 2013
Fellow of American Association for the Advancement of Science, 2012
Fellow of the Royal Society of Chemistry, 2012
Mukaiyama Award, Society of Organic Synthesis, Japan, 2012
ACS Cope Scholar Award, 2012
Bristol-Myers Squibb Award, 2012
Novartis Early Career Award in Organic Chemistry, 2011
Hirata Memorial Medal, 2010
CAPA Distinguished Faculty Award, 2009
Eli Lilly Award, 2008
Alfred P. Sloan Research Fellowship, 2008
Amgen Young Investigator’s Award, 2008
Journal Award for Synlett & Synthesis, 2006
Camille and Henry Dreyfus New Faculty Award, 2004
Royal Society University Research Fellowship, 2003
Junior Research Fellowship of St John’s College, University of Cambridge, 1998
Sino-British Scholarship, 1994
President’s Award for Outstanding Students, Chinese Academy of Sciences, 1990

 

研究概要

パラジウム触媒を用いるC-H活性化反応の開発

とりわけカルボン酸のようなユビキタス配向基を用いるC-H活性化、アミノ酸配位子を用いる加速効果を見出した点、活性化の難しい数々のC(sp3)-H結合活性化を成し遂げた点で高い評価を受けている。以下はその一例[1]。

CHact_JQ_Yu_1.gif開発した反応の優れた化学選択性を活かして、抗HIV活性を持つリゾスペルミン酸の全合成を達成[2]している。

lithospermic_acid_2.gif

 

近年では巧妙に設計されたend-on型ニトリル配向基を用いることで、これまで実現困難とされていたメタ位選択的な触媒的C-H活性化反応を実現した[3]。

Yu_JQ_5

コメント&その他

1. 近年Nature, Science誌への論文発表を連発している。高いプロダクティビティーから想像できるようにとてもアクティブな性格。気さくで人間的にも素晴らしい研究者。

2. 平田メダル受賞の際、地震直後にもかかわらず日本を訪問してくれた。残念ながら受賞講演は中止になってしまい、1泊で帰国となってしまったがその心意気に感謝。
3. 学生には1人5個のテーマを用意するという。10人いたら50個用意しなければならないため、あまりグループは大きくしたくないといっていた。
4. 名前のJin-quan Yuは中国名だとユー・ジン=チュエンに近い発音になるが、米国だとほとんどがスペルのままクアンと発音している。仲の良い人は彼をジンと呼ぶ。

名言集

 

関連動画

 

関連文献

  1. (a) Wang, D.-H.; Engle, K. M.; Shi, B.-F.; Yu, J.-Q. Science 2010, 327, 315. DOI: 10.1126/science.1182512 (b) Engle, K. M.; Wang, D.-H.; Yu, J.-Q. Angew. Chem., Int. Ed. 2010, 49, 6169. DOI: 10.1002/anie.201002077 (c) Engle, K. M.; Wang, D.-H.; Yu, J.-Q. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 14137. DOI: 10.1021/ja105044s
  2. Wang, D.-H.; Yu, J.-Q. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 5767. doi:10.1021/ja2010225
  3. (a) Leow, D.; Li, G.; Mei, T.-S.; Yu, J.-Q. Nature 2012, 486, 518. doi:10.1038/nature11158 (b) Wan, L.; Dastbaravardeh, N.; Li, G.; Yu, J.-Q. J. Am. Chem. Soc. 2013, 135, 18056.  DOI: 10.1021/ja410760f (c) Tang, R.-Y.; Li, G.; Yu, J.-Q. Nature 2014, 507, 215.  doi:10.1038/nature12963

関連書籍

リンク

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. キャロライン・ベルトッツィ Carolyne R. Bertoz…
  2. ジョアンナ・アイゼンバーグ Joanna Aizenberg
  3. トム・スタイツ Thomas A. Steitz
  4. ロルフ・ミュラー Rolf Muller
  5. クレイグ・クルーズ Craig M. Crews
  6. ハロルド・クロトー Harold Walter Kroto
  7. M.G.フィン M. G. Finn
  8. スチュアート・シュライバー Stuart L. Schreibe…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. カスケード反応 Cascade Reaction
  2. 酵母菌に小さなソーラーパネル
  3. エシュバイラー・クラーク反応 Eschweiler-Clarke Reaction
  4. メチルトリメトキシシラン (methyltrimethoxysilane)
  5. 井上 将行 Masayuki Inoue
  6. アブノーマルNHC
  7. 分子の聖杯カリックスアレーンが生命へとつながる
  8. 「水素水」健康効果うたう表示は問題 国民生活センターが業者に改善求める
  9. ペンタレネン Pentalenene
  10. 2007年度ノーベル化学賞を予想!(5)

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

工程フローからみた「どんな会社が?」~タイヤ編 その1

Tshozoです。今回の主役はゴムで出来ている車両用タイヤ。通勤時に道路で毎日目にするわりに…

感染制御ー薬剤耐性(AMR)ーChemical Times特集より

関東化学が発行する化学情報誌「ケミカルタイムズ」。年4回発行のこの無料雑誌の紹介をしています。…

有機合成化学協会誌2019年1月号:大環状芳香族分子・多環性芳香族ポリケチド天然物・りん光性デンドリマー・キャビタンド・金属カルベノイド・水素化ジイソブチルアルミニウム

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2019年1月号がオンライン公開されました。今…

リチウムイオンバッテリーの容量を最大70%まで向上させる技術が開発されている

スマートフォンや電気自動車の普及によって、エネルギー密度が高く充電効率も良いリチウムイオンバッテリー…

学部4年間の教育を振り返る

皆様、いかがお過ごしでしょうか。学部4年生の筆者は院試験も終わり、卒論作成が本格的に始まるまでの束の…

ダイセルが開発した新しいカラム: DCpak PTZ

ダイセルといえば「キラルカラムの雄」として知られており、光学活性化合物を分離するキラルカラム「CHI…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP