[スポンサーリンク]

日本人化学者インタビュー

第55回「タンパク質を有機化学で操る」中村 浩之 教授

[スポンサーリンク]

第55回目の研究者へのインタビューは東京工業大学の中村浩之先生にお願いいたしました。第27回ケムステVシンポの講師です。

第43号のCSJカレントレビューでは、PartII:研究最前線 の第五章「光反応を利用したタンパク質の化学修飾」を寄稿されています。第27回ケムステVシンポに参加して、割引価格でCSJカレントレビューをGETするチャンスです。是非積極的にご参加ください!

それではインタビューをどうぞ!

Q1. あなたが化学者になった理由は?

なんとなく。大学受験で電気・情報系は人気があったので、入りやすい化学を選んだ・・・

Q2. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

パイロット:鳥のように飛んで、空から地球を見たい。初めて飛行機に乗った時、日本列島が非常に小さな島に見えると同時に、飛行機で飛ぶとあっという間に移動できる素晴らしさを感じた。もともと旅行が好きなので、世界中を旅したいと思った。

Q3. 現在、どんな研究をしていますか?また、どのように展開していきたいですか?

私は特に有機化学を専門としているが、私達の周りは有機化学のものであふれている。化学製品だけではなく、肉や野菜などの食べ物から私たち自身が有機化合物でできている。私は合成低分子を用いて、タンパク質などの働きを制御する研究、これは創薬化学につながるのですが、分子の目から生命現象を理解するような研究を行っている。細胞など生命体は、分子の集合体であり、分子が集合することで物質から生命体になる。合成化学者の究極の夢は、合成分子のみで生命体を作ること。

Q4. あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

アルベルト・アインシュタイン(1879~1955)
相対性理論をいつどのようなきっかけで考えるようになったのか?また、彼の人生を大きく変えてしまった2度の世界大戦がもし起こっていなかったら、どんな人生だったのか、聞いてみたいですね。

Q5. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

昨年11月。学生が空気に不安定な出発物質の精製が上手くいかなかったので、一緒に減圧蒸留を行った・・・結局、上手くいかなかったが、楽しかったですね・・・

Q6. もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

静かなピアノクラシック音楽:シューマンなど

Q7. 次にインタビューをして欲しい人を紹介してください。

隣の研究室の福島孝典先生。

研究者の略歴

名前:中村浩之
所属:東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所
専門: 有機化学
略歴:
平成3年3月 東北大学理学部化学科・卒業
平成5年3月 東北大学大学院理学研究科化学第二専攻 博士課程前期課程・修了
平成7年2月 東北大学大学院理学研究科化学第二専攻 博士課程後期課程・中退
平成5年4月〜平成7年2月 日本学術振興会特別研究員
平成7年3月 東北大学大学院理学研究科・助手
平成7年4月 九州大学有機化学基礎研究センター・助手
平成9年4月 東北大学大学院理学研究科・助手
平成14年4月 学習院大学理学部化学科 助教授
平成18年4月  学習院大学理学部化学科・教授
平成25年9月 東京工業大学 資源化学研究所・教授
平成28年4月 改組により現職
平成29年10月〜 大連理工大学製薬化学科・客員教授(海天学者)

spectol21

投稿者の記事一覧

ニューヨークでポスドクやってました。今は旧帝大JKJ。専門は超高速レーザー分光で、分子集合体の電子ダイナミクスや、有機固体と無機固体の境界、化学反応の実時間観測に特に興味を持っています。

関連記事

  1. 第108回―「Nature Chemistryの編集長として」S…
  2. 第五回 化学の力で生物システムを制御ー浜地格教授
  3. 第87回―「NMRで有機化合物の振る舞いを研究する」Daniel…
  4. 第33回「セレンディピティを計画的に創出する」合田圭介 教授
  5. 第91回―「短寿命化学種の分光学」Daniel Neumark教…
  6. 第10回 ナノ構造/超分子を操る Jonathan Steed教…
  7. 第47回―「ロタキサン・カテナン・クラウンエーテルの超分子化学」…
  8. 第59回「希土類科学の楽しさを広めたい」長谷川靖哉 教授

注目情報

ピックアップ記事

  1. ハリース オゾン分解 Harries Ozonolysis
  2. 有望ヘリウム田を発見!? ヘリウム不足解消への希望
  3. 【Q&Aシリーズ❸ 技術者・事業担当者向け】 マイクロ波プロセスのスケールアップについて
  4. 電池長寿命化へ、充電するたびに自己修復する電極材
  5. JSRとはどんな会社?-2
  6. マイクロ波の技術メリット・事業メリットをお伝えします!/マイクロ波化学(株)11月・12月度ウェビナー
  7. 自在に分解できるプラスチック:ポリフタルアルデヒド
  8. 【書評】奇跡の薬 16 の物語 ペニシリンからリアップ、バイアグラ、新型コロナワクチンまで
  9. マテリアルズ・インフォマティクスに欠かせないデータ整理の進め方とは?
  10. 旭化成 繊維事業がようやく底入れ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP