[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

シリカゲルはメタノールに溶けるのか?

[スポンサーリンク]

 

 

 実験で困ったときにインターネットを活用する人も多いかと思います。例えばシリカゲルカラムにおける溶媒の選択で、メタノールの使用に関して調べてみますと、メタノールを使うとシリカゲルが溶けるという話があります。溶けているのはシリカゲルではなく無機塩だという話もあります。一体どちらなのでしょうか?また、こんなときはどうするべきでしょうか?


まず、シリカゲルがメタノール溶けるかどうかに関して結論から言ってしまいますと、”シリカゲル”はメタノールに溶けることがあります。→シリカゲル溶解の正体

これはモノによるようですが。例えば筆者の研究室で使用している関東化学の球状シリカゲル・中性ではメタノール100 %で使用しても問題なく分離出来るようですが、酸性の球状シリカでは溶解することがあるようです。もしシリカが溶けて混入してしまった場合の対処方法としては、エバポレータなどで溶媒を留去した後に、目的物のみが溶ける溶媒に溶解させて濾過することで取り除けます。また、モノによっては無機塩が出てくるということもありますが、こちらは目的物をチャージする前に溶離液を十分に流しておけば問題ありません。

こういった情報はメーカーに問い合わせることで、多くの場合すぐに得ることができます。インターネット上でも簡単に色々な情報を得ることが出来るため、インターネットに頼りがちですが、インターネット上の情報は時として不確かで曖昧であります。筆者の周りでは意外にメーカーに直接問い合わせる人が少ないように感じます。初歩的な質問をするのが恥ずかしいと思うこともあるかもしれませんが、より確実性の高い情報を得るために、メーカーに問い合わせることも必要ではないでしょうか。大抵の場合は親切に答えてくれると思います。

関連リンク

シリカゲル – Wikipedia

カラムクロマトグラフィー – Wikipedia

関東化学

Avatar photo

shiba

投稿者の記事一覧

学生。化学以外にも歴史とか好きです。至福の時は、良い実験結果が得られた時と美味しいものを食べてるとき。

関連記事

  1. リンだ!リンだ!ホスフィン触媒を用いたメチルアミノ化だ!
  2. 蒸発面の傾きで固体膜のできかたが変わる-分散液乾燥による固体膜成…
  3. 分子研「第139回分子科学フォーラム」に参加してみた
  4. アレノフィルを用いるアレーンオキシドとオキセピンの合成
  5. 文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり : ③「ポス…
  6. 普通じゃ満足できない元素マニアのあなたに:元素手帳2016
  7. 「遷移金属を用いてタンパク質を選択的に修飾する」ライス大学・Ba…
  8. サイエンスアゴラの魅力を聞くー「日本蛋白質構造データバンク」工藤…

注目情報

ピックアップ記事

  1. アルコールをアルキル化剤に!ヘテロ芳香環のC-Hアルキル化
  2. 研究室でDIY!~エバポ用真空制御装置をつくろう~ ④
  3. 化学反応を“プローブ”として用いて分子内電子移動プロセスを検出
  4. ガンマ線によるpHイメージングに成功 -スピンを用いて化学状態を非侵襲で観測-
  5. 第107回―「ソフトマター表面の物理化学」Jacob Klein教授
  6. リングサイズで性質が変わる蛍光性芳香族ナノベルトの合成に成功
  7. 【経験者に聞く】マテリアルズ・インフォマティクスの事業開発キャリアへの挑戦
  8. 生体分子と疾患のビッグデータから治療標的分子を高精度で予測するAIを開発
  9. オルガネラ選択的な薬物送達法:②小胞体・ゴルジ体・エンドソーム・リソソームへの送達
  10. こんな装置見たことない!化学エンジニアリングの発明品

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年9月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP