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アメリカ大学院留学:研究室選びの流れ

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アメリカの大学院を受験した人は、そろそろ結果が出揃うころですね。進学先を決めた人は、これから新生活に向けて準備を進めていくことになると思います。VISA申請や住まい探しなど面倒な手続きもたくさんありますが、入学までにちょっとでも考えておきたいのは、どの研究室に入るかということです。今回は、「入学先が決まってから、配属する研究室を決めるまでの流れ」について紹介します。(※大学ごとに異なる点もあるので、正確な情報は各大学のwebページなどで確認してください。)

ちなみに、渡航準備や手続きについては、こちらの記事がとても参考になります。(ご注文は海外大学院ですか?〜渡航編〜

1. 研究室を決めるのは、入学してから

アメリカの大学院を受験する場合、出願前から教授とコンタクトを取ったり、エッセイに志望研究室を書いたりなど、大学側に「どの研究室に入りたいか」をある程度アピールしていると思います。人によっては、出願前に連絡をとった教授から、ぜひ来て欲しいと熱心に勧誘を受けるかもしれません。それでも多くの大学では、入学までに配属先の研究室が決まるのではなく、入学後にいろいろな研究室を見て回る期間が与えられ、熟慮した後に選ぶことができます。つまり、大学が決まってから入学後数ヶ月までの間、どこの研究室に行きたいかをもう一度じっくり考えることができるのです。

2. 交渉すれば、早くから研究を始められる

それでは、実際にどんな風に配属先を決めるのか、大まかな流れは図1のようになっています。オファーをもらった大学に「行きます!」と返事をしたあと、そのまま特に何もしなければ、普通に秋から大学に通うことになります。ただし、早く研究を始めたい!という学生は、教授との交渉次第で夏のうちから研究ができる場合があります。

図1. 進学先決定から研究室配属までの流れの例。

私の場合は、3月末に学科のオフィスに「early enrollmentをしたい」とメール →「教授と直接連絡をとってOKをもらえれば可能」と言われる → 教授に希望の開始時期を伝えるとあっさり承諾、という流れで話が進みました。私の大学では、early enrollmentは6月15日以降、と決まっていたので、その初日から研究を始めることにしました。夏の間、研究室から生活費を出してもらえるので、金銭面で困ることはありませんでした。

夏から研究を始めるメリットは、やはり希望の研究室の教授に早くからアプローチできるという点です。人気の研究室の場合は、入学後になってコンタクトをとっても「次のローテーションの空きが出るのは3ヶ月後」などと言われてしまったりします。早いうちからその研究室に通い、働きぶりをアピールしておくのは結構大事です。また、研究室が合わないと感じた場合でも、夏から始めていれば他の研究室に移りやすいです。夏の間の研究はあくまでただのローテーションで、正式な配属先決定ではないので、そこに残らないといけないという縛りがありません。また、早めに研究を始めている分、秋以降になって「周りの新入生が配属先を決め始めている」というプレッシャーを感じることなく余裕を持って研究室を選ぶことができます。

私の大学では、他の学科でもearly enrollmentが認められているのですが、早くから来ている学生の多くは化学科の学生でした。化学工学科や生物学科では最初の数学期が丸々ローテーションに充てられているので、早くから来て研究をする必要がない、というのが理由のようです。ちなみに化学科では、4割程度の学生が入学の1ヶ月以上前から研究を始めていました。

3. 入学後の研究室選び

入学時にはオリエンテーションがあり、研究室選びの手順について細かい説明を受けます。大学によって、何月何日以降なら正式に研究室に配属できる、とか、いつ頃までに配属先を決めるのが推奨、とか、様々な決まりがあります。「2つ以上の研究室で数週間のローテーションを行うこと」「5人以上の教授と面談すること」など、配属先最終決定までにこなさないといけない要件がある場合もあります。私の大学は、「5つ以上の研究室のグループミーティングに参加する」というのが要件でした。行きたい研究室を既に一つに絞っている学生にとっては、少し面倒だと感じるかもしれませんが、いろんな研究室に知り合いができるので、後で結構役立ったりします。また、どの研究室の上級生も新入生の意志を尊重してくれ、無理な勧誘なしに中立の立場でアドバイスをくれるので、気軽に相談ができました。

研究室見学や教授との面談は自分でアポをとって進めるのが基本ですが、学科が研究室紹介セミナーやポスターセッションを開いてくれたりもします。学内の研究室について、一度に情報を得られる良い機会です。入学して最初の1ヶ月間は、授業やTAで忙しい上に、このような研究室配属についてのイベントで結構バタバタしていました。どの研究室に入るかは、大学院生活やその後の進路においてかなり重要なので、忙しくなる入学前から少しずつ情報収集をしておくといいと思います。

4. 配属先の最終決定

多くの大学では、入学後の数ヶ月間が研究室選びの期間とされていて、遅くても1年目の4月頃までには研究室を決めることになります。最終的に行きたい研究室を決めた後は、教授と個別に面談して、書類にサインをもらうことで正式に配属することができます。(学生全員が志望先リストを学科に提出し、一斉に配属先が決まるという大学もあります。)ただし、研究室によっては、人気で空きがなかったり、教授の研究資金が足りないなどの理由で、受け入れてもらえない場合もあります。数ヶ月ローテーションをしてから、働きぶりを見て教授が受け入れを判断する、というケースもあります。研究室に受け入れてもらえるかどうかは、ほぼ教授の権限で決まるので、学生を募集しているかどうかや、自己資金(fellowship)が必要かどうかなど、事前に教授に確認しておくべきです。また、学生数の多い大学は研究室配属がcompetitive、逆に学生数が少ない大学は比較的自由に研究室が選べる、という傾向があるので、どこの大学に行くか迷った場合は、希望の研究室に入れそうかどうかも判断材料にするといいと思います。

5. おわりに

PhD課程の5-6年を過ごすことを考えると、どの研究室に入るかは結構大きな選択です。研究内容、メンバーの雰囲気、研究室の規模、論文が出やすいか、卒業年数、研究資金、etc…判断基準はいろいろあると思いますが、個人的には、教授との相性が特に大事だと思っています。教授と良い関係が築けると、大学院生活をよりhappyに送れます。じっくり悩んで、自分に合った良い研究室・指導教官を選んでください。

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アメリカの製薬企業の研究員。抗体をベースにした薬の開発を行なっている。
就職前は、アメリカの大学院にて化学のPhDを取得。専門はタンパク工学・ケミカルバイオロジー・高分子化学。

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