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フィッシャー・スペイア エステル合成 Fischer-Speier Esterification

 

概要

カルボン酸とアルコールから、酸触媒存在下加熱条件にてエステルを合成する手法。

平衡反応なので、収率良く進行させるには平衡を生成系に偏らせる必要がある。通常は一方の試薬を過剰に用いるか、Dean-Stark装置を用いて水を系外に追い出すなどの工夫がなされる。

エステル+アルコールを原料に用いると、同様のメカニズムにてエステル交換が起きる。

 

基本文献

 

反応機構

fischer_ester_2.gif

反応例

大寺触媒を用いるエステル交換[1]

fischer_ester_3.gifZnTAC24を用いるエステル合成[2]: アミンを含む基質でエステル交換を行おうとすると通常はアミド形成が優先してしまうが、ZnTAC24はエステル交換を優先して促進する。

fischer_ester_4.gif

実験手順

典型的なFischerエステル化反応[3]

fischer_ester_5.gifα-ブロモ酸、濃硫酸 (30 μL/mmol) をメタノール(2 mL/mmol)に加え、加熱環流を1時間行う。反応溶液を室温まで冷却後、濃縮する。ジエチルエーテルを加えて有機層を5%重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過後濃縮することで目的物を得る。

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Otera, J.; Danoh, N.; Nozaki, H. J. Org. Chem. 1991, 56, 5307. DOI: 10.1021/jo00018a019
[2] Ohshima, T.; Iwasaki, T.; Maegawa, Y.; Yoshiyama, A.; Mashima, K. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 2994. DOI: 10.1021/ja711349r (b) Hayashi, Y.; Ohshima, T.; Fujii, Y.; Matsushima, Y.; Mashima, K. Catal. Sci. Technol. 2011, 1, 230. DOI: 10.1039/C0CY00048E (c) Maegawa, Y.; Ohshima, T.; Hayashi, Y.; Agura, K.; Mashima, K. ACS Catal. 2011, 1, 1178. DOI: 10.1021/cs200224b
[3] Moumne, R.; Lavielle, S.; Karoyan, P. J. Org. Chem. 2006, 71, 3332. DOI: 10.1021/jo060316a

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

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