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有機合成化学協会誌3月号:鉄-インジウム錯体・酸化的ハロゲン化反応・両親媒性ジアリールエテン会合体・アミロイド選択的光酸素化・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー

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有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2019年3月号がオンライン公開されました。

今月号のキーワードは、

「鉄-インジウム錯体・酸化的ハロゲン化反応・両親媒性ジアリールエテン会合体・アミロイド選択的光酸素化・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー」

です。今回も、会員の方ならばそれぞれの画像をクリックすればJ-STAGEを通してすべてを閲覧することが可能です。

◯論も落ち着き、ほっと一息かと思いきや日本化学会(薬学会)年会が近づいてきましたね。

今月号の有機合成化学協会誌をしっかりチェックして、年会のための予習をしてみてはいかがでしょうか。

今月号も盛りだくさんの内容となっています。

巻頭言:Anti Biomimetics:藪をかき分けて登る

今月号は北海道大学大学院 谷野圭持教授による巻頭言です。

天然物合成で著名な谷野先生ですが、本稿では天然物合成を登山に例え、オリジナリティを生み出す秘訣を示唆しておられます。
オープンアクセスですので、必見です。

新規な鉄-インジウム錯体を触媒とする有機ニトリル化合物の C≡N 結合への選択的なダブルヒドロシリル化,ダブルヒドロボリル化およびジヒドロボリルシリル化反応

大阪市立大学大学院理学研究科 板崎真澄*、中沢 浩*

鉄カルボニル錯体とインジウムクロリドから調製したイオン性鉄錯体を触媒として用いることで、ニトリル化合物にヒドロシラン、ないしはヒドロボランが2回付加する新しい触媒系を開発!また、用いるヒドロシランとヒドロボランの量をコントロールすることで、それぞれが一回ずつ付加した交差生成体「ボリルシリルアミン」を高収率で得ることにも成功!

ハロゲン化物塩をハロゲン源とする酸化的ハロゲン化反応

大阪市立大学大学院理学研究科 森内敏之*

立命館大学薬学部薬学科 菊嶌孝太郎

単体臭素にさようなら!バナジウム触媒を用いる本酸化的臭素化反応では、使うものはハンドリング容易な臭素化物塩。酸素ガス雰囲気下、穏和な条件で有機化合物へ臭素原子を導入可能。塩素化にも利用可能な本反応は、酸化的ハロゲン化の魅力的な新手法です。

両親媒性ジアリールエテン会合体の光誘起LCST転移挙動:光変形する超分子構造体と光による物体移動

京都大学大学院工学研究科 東口顕士、松田建児*

機能性フォトクロミック分子として不動の地位を確立してきたジアリールエテン分子の最先端の化学が紹介されています。今やフォトクロミック分子は、光刺激によって色が変わるだけでなく、水中における物体のマクロな配列制御や(光ピンセットのように)物体移動すらもコントロールすることができる時代になってきたことがよくわかる魅力にあふれた論文です。

疾患原因アミロイドを選択的に光酸素化する人工触媒の開発

東京大学大学院薬学系研究科 相馬洋平*、金井 求*

生体内反応により疾病を治療する研究の一環として、著者らはアルツハイマー病の原因となるアミロイドβ(Aβ)を中心に、目的のタンパク質を選択的に光酸素化する人工触媒の開発を行いました。本稿では、夾雑系における反応の選択性、触媒の毒性、および光の組織透過性の問題を解決する精力的な試みが、わかりやすい文体で記述されています。ぜひご一読下さい。

新規カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)ボノプラザンフマル酸の合成研究

Chordia Therapeutics株式会社 有川泰由*

本論文では、消化器用剤のタケキャブ®の創薬研究が紹介されている。実際のHTSのヒット化合物から臨床化合物までのメディシナル合成を基盤とする活性と物性評価の詳細は医薬品開発の有用な情報である。また、多様性を志向したヘテロ環構築は有用な有機合成化学ケミストリーでもある。

Rebut de Debut

今月号のRebut de Debutは2件あります。全てオープンアクセスですので、ぜひご覧ください。

・化学・光刺激による分子構造の変化を利用した刺激応答型円偏光発光分子の開発(筑波大学数理物質系)千葉湧介

・ペプチドグリカン部分構造の化学合成とケミカルバイオロジーへの利用(東京理科大学理工)友重秀介

感動の瞬間(Eureka Moment in My research):アシル化を通して見えるもの

感動の瞬間(Eureka Moment in My research)の第九弾は、京都大学化学研究所 川端猛夫 教授による寄稿記事です。

アシル化反応の開発を通して得られた、もしくは現在得ている感動について書かれています。オープンアクセスです。

これまでの紹介記事は有機合成化学協会誌 紹介記事シリーズを参照してください。

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博士(理学)。大学教員。娘の育児に奮闘しつつも、分子の世界に思いを馳せる日々。

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