[スポンサーリンク]

ケムステニュース

脱法ドラッグ、薬物3成分を初指定 東京都

[スポンサーリンク]


脱法ドラッグを規制する薬物乱用防止条例を4月に施行した東京都は25日、条例に基づき、麻薬と同様の作用がある薬物3成分を初めて知事指定薬物に指定した。周知期間を経て、実際の規制が始まる6月から3成分を含む製品は製造・販売などが禁じられる。


 都によると、指定されたのは通称「2C―I」「MBDB」「5―MeO―MIPT」と呼ばれる成分で、いずれも幻覚・興奮作用があり、吐き気や不眠などの健康被害の危険がある。 (引用:朝日新聞)


自分で勝手にいっちゃってる人はどうでもいいが、他人に被害を与える可能性が少しでもあるかぎり、このようなものはなくなって欲しい。このような化学物質が最も悪質な化学物質といえるだろう。ところで脱法ドラッグというのはなくなるのだろうか?どうして構造を考えて幅広く規制しないのか?見れば一目瞭然です。規制する方ももう少し考えて欲しいと思う。


今回規制されたドラッグについて構造をみてみればなぜ出回る前にはじめに規制できないのか?と疑問に思うでしょう。

2-CI

 化学名は 2,5-ジメトキシ‐4-ヨードフェネチルアミンです。 現在麻薬に指定されている2-CB(ツーシービ)、医薬品として指定されているが、同じく脱法ドラッグのひとつである2-CT-2(別名ホワイトラブ)とはI(ヨウ素)かBr(臭素)か、EtS(エチルチオ基)かの違いしかないことがわかります。すべて、 人の脳に作用して幻覚・妄想等を引き起こす 物質です。

2C-I

 

 

 【MBDB】

 化学名はN-メチルーα―エチル-3, 4-メチレンジオキシフェネチルアミン。MDMA(通称エクスタシー)と非常に構造が類似しています。メチル基かエチル基かということだけです。こんなんでは次はブチル基(C3つ)が出てきます。きりがありません。

MBDB

 

 

【5-MeO-MIPT】

 化学名3-[2-(メチルイソプロピルアミノ)エチル]-5-メトキシインドールミプティーキューブと呼ばれているらしいです。規制されている5-MeO-MIPT(通称 フォクシー )とは1つのイソプロピル基がメチル基になっているだけ・・。

5-MEO-MIPT

 

 

 

 

つい最近まで合法ドラッグと呼ばれていたものは脱法ドラッグと言い換えたらしい。確かに、合法ドラッグというと法で認められているようでおかしな言い方ですね。規制も特許のように幅広く規制して欲しいものです。

ところで、いろいろとネット上でこれらについて検索している際に、多くの販売サイト、紹介サイトを見つけました。ほんとにこういうことにネットが使われていると考えると腹が立ちます。こちらの規制もできないものでしょうか?

関連書籍


依存性薬物と乱用・依存・中毒―時代の狭間を見つめて

有機溶剤、覚醒剤からヘロイン、コカイン、エクスタシーまで、依存性薬物の特徴とその作用をわかりやすく解説し、乱用・依存・中毒に陥る人間と薬物との関係、薬物依存の実態を明らかにする。
 


MDMA大全―違法ドラッグ・エクスタシーの全知識

違法ドラックの代名詞ともなりつつあるMDMAに関する情報を、誕生、流通経路、効果、症状、使用法、歴史などあらゆる角度から分析、解説した。最新非合法ドラックの専門書。

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 三菱ケミカル「レイヨン」買収へ
  2. ウクライナ危機で貴ガスの価格が高騰、半導体業界も緊張高まる
  3. 化学メーカー発の半導体技術が受賞
  4. 米ファイザー、感染予防薬のバイキュロンを買収
  5. 科学的発見を加速する新研究ツール「SciFinder n」を発表…
  6. タンチョウ:殺虫剤フェンチオンで中毒死増加
  7. 排ガス原料のSAFでデリバリーフライトを実施
  8. 米メルク、シェリング・プラウを4兆円で買収

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 有機合成化学協会誌2021年12月号:人工核酸・Post-complexation functionalization・芳香環の触媒的不斉水素化・ルテニウムカーバイド錯体・無溶媒触媒反応
  2. REACH/RoHS関連法案の最新動向【終了】
  3. 「有機合成と生化学を組み合わせた統合的研究」スイス連邦工科大学チューリヒ校・Bode研より
  4. 第58回―「集積構造体を生み出すポリマー合成」Barney Grubbs教授
  5. チオール架橋法による位置選択的三環性ペプチド合成
  6. 中分子創薬に挑む中外製薬
  7. 酵素の動作原理を手本として細孔形状が自在に変形する多孔質結晶の開発
  8. カネボウ化粧品、バラの香りの秘密解明 高級香水が身近に?
  9. 大幸薬品、「クレベリン」の航空輸送で注意喚起 搭載禁止物質や危険物に該当
  10. フラノクマリン -グレープフルーツジュースと薬の飲み合わせ-

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP