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分子の動きを電子顕微鏡で観察

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有機分子が動く様子を、電子顕微鏡を使って分子構造が目に見える形で直接観察することに初めて成功したと、東京大の中村栄一教授や産業技術総合研究所の末永和知研究チーム長らが23日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。
分子が回転したり、前後に振動したりする動きは滑らかではなく、ぎくしゃくとしていることが判明。分子の動きを解明する技術は、医薬品や工業製品の開発に役立つと期待される。
これまでは、有機分子を薄い膜状にして電子顕微鏡で見ようとすると、分子が電子線で壊れてしまった。研究チームは、細胞膜の主成分の脂質に似た有機分子を、観察の目印となるホウ素などを使って合成。電子線の影響を抑えるため、直径1.2ナノメートル(ナノは10億分の1)の筒状炭素分子、カーボンナノチューブの中に入れて観察する工夫をした。 (引用:
Yahoo! ニュース)

 

2月頃にプレスリリースが出まして、マスメディアが取り上げたのはその頃ですが、Science誌のページ番号がついたようなので(Science. 2007,316, 853)、いま一度。

 

“Imaging of Single Organic Molecules in Motion”

Koshino,M.; Tanaka,T.;  Solin, N.; Suenaga, K.; Isobe, H.; Nakamura, E, Science, 2007,316, 853.  DOI: 10.1126/science.1138690

High-resolution transmission electron microscopy revealed nearly atomically precise images of stepping conformational change and translational motion of single hydrocarbon molecules confined in carbon nanotubes. One or two C12 or C22 alkyl chains were tethered to a carborane end group and then embedded in the nanotubes. Images of the hydrocarbon chains interacting with each other and with a graphitic surface provide information on three-dimensional structures and dynamic molecular interactions that cannot be obtained by other analytical methods.

 

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東京大学大学院理学系研究科 中村栄一研究室

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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