[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ゲイリー・モランダー Gary A. Molander

[スポンサーリンク]

ゲイリー・A・モランダー(Gary A. Molander、1953年2月9日-)は、米国の有機化学者である。ペンシルバニア大学化学科 教授 (画像:The Molander Group)。

経歴

1975 アイオワ州立大学 卒業
1979 パデュー大学 博士号取得
1979-1980 パデュー大学 博士研究員
1980-1981 ウィスコンシン大学 博士研究員
1981-1988 コロラド大学ボールダー校 助教授
1988-1990 コロラド大学ボールダー校 准教授
1990-1999 コロラド大学ボールダー校 教授
1999-現在 ペンシルバニア大学 教授
2001-2006 ペンシルバニア大学 Allan Day Term Professor of Chemistry
2007-現在 ペンシルバニア大学 Hirshmann-Makineni Professor of Chemistry

受賞歴

2015 ACS Herbert C. Brown Award for Creative Research in Synthetic Methods

2014 Boron in the Americas Frontier Award

2013 Council for Chemical Research, Research Collaboration Award

2009 Outstanding Alumni Award, Purdue University Department of Chemistry

2006 Christian R. and Mary F. Lindback Award for Distinguished Teaching, University of Pennsylvania

2003 ACS Philadelphia Section Award

1998 ACS Arthur C. Cope Scholar Award

1989 American Cyanamid Academic Award

1987 Alfred P. Sloan Foundation Research Fellow

研究概要

有機トリフルオロボレート塩を用いる有機合成法の開発[1]

有機トリフルオロボレート塩(R-BF3–)は、熱・空気・湿気に安定で扱いやすい結晶性ホウ素化合物であり、ボロン酸・ボロン酸エステルの保護体と見なすことが出来る。触媒的クロスカップリングや可視光レドックス触媒法などとの組み合わせによって、幅広い合成法へと発展している。

遷移金属触媒への1電子トランスメタル化法の開発[2]

有機トリフルオロボレート塩と可視光レドックス触媒から生じた炭素ラジカルをニッケル触媒へとトランスメタル化させて、1電子移動型のクロスカップリング法をMacMillanらと同時期に開拓した。未解決課題であった炭素ラジカルの不斉制御へと繋がりうるブレイクスルーである。

Molander研HPより引用

 

関連書籍

[amazonjs asin=”B00D5962R8″ locale=”JP” title=”Handbook of Reagents for Organic Synthesis, Catalyst Components for Coupling Reactions (Hdbk of Reagents for Organic Synthesis)”][amazonjs asin=”3131664215″ locale=”JP” title=”Stereoselective Synthesis Set – Workbench Edition (Science of Synthesis)”]

関連論文

  1. Review: (a) Molander, G. A.; Ellis, N. Acc. Chem. Res. 2007, 40, 275. doi:10.1021/ar050199q (b) Molander, G. A. J. Org. Chem. 2015, 80, 7837. DOI: 10.1021/acs.joc.5b00981
  2. Tellis, J. C.; Primer, D. N.; Molander, G. A. Science 2014, 345, 433. DOI: 10.1126/science.1253647

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. フレデリック・キッピング Frederic Stanley Ki…
  2. アリ・ワーシェル Arieh Warshel
  3. ジョアン・スタビー JoAnne Stubbe
  4. カール・ジェラッシ Carl Djerassi
  5. ジョージ・フェール George Feher
  6. 硤合 憲三 Kenso Soai
  7. ウィリアム・モーナー William E. Moerner
  8. ジョン・グッドイナフ John B. Goodenough

注目情報

ピックアップ記事

  1. ガラスのように透明で曲げられるエアロゲル ―高性能透明断熱材として期待―
  2. MEDCHEM NEWS 32-4 号「創薬の将来ビジョン」
  3. マテリアルズ・インフォマティクスにおけるデータの前処理-データ整理・把握や化学構造のSMILES変換のやり方を解説-
  4. エチレンをつかまえて
  5. 電気化学の力で有機色素を自在に塗布する!
  6. ハンスディーカー反応 Hunsdiecker Reaction
  7. 誰でも使えるイオンクロマトグラフ 「Eco IC」新発売:メトローム
  8. 梅干し入れると食中毒を起こしにくい?
  9. ペラミビル / Peramivir
  10. 2015年化学生物総合管理学会春季討論集会

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2018年7月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

Pdナノ粒子触媒による1,3-ジエン化合物の酸化的アミノ化反応の開発

第629回のスポットライトリサーチは、関西大学大学院 理工学研究科(触媒有機化学研究室)博士課程後期…

第4回鈴木章賞授賞式&第8回ICReDD国際シンポジウム開催のお知らせ

計算科学,情報科学,実験科学の3分野融合による新たな化学反応開発に興味のある方はぜひご参加ください!…

光と励起子が混ざった準粒子 ”励起子ポラリトン”

励起子とは半導体を励起すると、電子が価電子帯から伝導帯に移動する。価電子帯には電子が抜けた後の欠…

三員環内外に三連続不斉中心を構築 –NHCによる亜鉛エノール化ホモエノラートの精密制御–

第 628 回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院薬学研究科 分子薬科学専…

丸岡 啓二 Keiji Maruoka

丸岡啓二 (まるおか けいじ)は日本の有機化学者である。京都大学大学院薬学研究科 特任教授。専門は有…

電子一つで結合!炭素の新たな結合を実現

第627回のスポットライトリサーチは、北海道大有機化学第一研究室(鈴木孝紀教授、石垣侑祐准教授)で行…

柔軟な姿勢が成功を引き寄せた50代技術者の初転職。現職と同等の待遇を維持した確かなサポート

50代での転職に不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、長年にわたり築き上げてきた専門性は大きな…

SNS予想で盛り上がれ!2024年ノーベル化学賞は誰の手に?

さてことしもいよいよ、ノーベル賞シーズンが到来します!化学賞は日本時間 2024…

「理研シンポジウム 第三回冷却分子・精密分光シンポジウム」を聴講してみた

bergです。この度は2024年8月30日(金)~31日(土)に電気通信大学とオンラインにて開催され…

【書籍】Pythonで動かして始める量子化学計算

概要PythonとPsi4を用いて量子化学計算の基本を学べる,初学者向けの入門書。(引用:コ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP