[スポンサーリンク]

ケムステニュース

製薬業界の研究開発費、増加へ

[スポンサーリンク]

 

Inventing a new drug costs an enormous amount of money. It’s part of the reason why the pharma industry is struggling to fill its pipelines. But we’d like to think that – however slowly – that cost is coming down.

Unfortunately it isn’t, at least according to a review from the Office of Health Economics (OHE), a UK consultancy. The organisation looked at research published over the last 30 years and found that (in 2011 prices) costs increased from £125 million per new medicine in the 1970s to £1.2 billion in the 2000s..
http://www.rsc.org/chemistryworld/2012/12/pharma-research-costs-apbi-ohe
引用:Chemistry World

 

 

新薬開発にかかる費用が年々増加の一途をたどっており、これからもその傾向は続きそうである。OHEのレポートによると1970年台には1つの新薬に付き1億ポンド程度であったが、2000年台には10倍程度になっている。

訳、要約—筆者

 

医薬品にかかわらず、メーカーにとって研究開発というのは、その会社でのものづくりの肝である。また研究者にとっては先立つものであり、仕事における待遇の重要な指標である。

簡単な創薬に関してはもう完了しており、現在の知見では難病とされているものにたいしては成功率が低いことが、研究費の増加の原因の1つに挙げられている。また科学に対するコンプライアンス意識の高まりにより、認可されるまでに以前よりも時間がかかってしまっていることも挙げられている。

R&Dcosts.png

参考:製薬R&Dにかかる研究開発費例 (単位は1万ドル、1つの医薬品(ニューケミカルエンティティ)を上市するために平均1,764億円(資本コスト11%)必要としている)[1]

 

病理に対してメカニズムの解明をまち、製薬をしていく事も大切であるが、今後は積極的に分野を隔てなく化学がその解明の一助となるような取り組みが、特に基礎研究の分野では重要であろう。

 

関連文献

How to improve R&D productivity: the pharmaceutical industry’s grand challenge,  Paul, S. M.;  Mytelka, D. S.; Dunwiddie, C.T.;Persinger, C. C.; Munos, B.H.; Lindborg, S. R.;  Schacht, A.L. Nature Reviews Drug Discovery, 2010, 9, 203. DOI: 10.1038/nrd3078

 

 外部リンク

 

関連書籍

やすたか

投稿者の記事一覧

米国で博士課程学生

関連記事

  1. 2009年度日本学士院賞、化学では竜田教授が受賞
  2. トンボ手本にUV対策 産総研など 分泌物の主成分を解明
  3. 塩野義製薬/米クレストール訴訟、控訴審でも勝訴
  4. リサイクルが容易な新しいプラスチックを研究者が開発
  5. 「女性用バイアグラ」開発・認可・そして買収←イマココ
  6. がん細胞を狙い撃ち 田澤富山医薬大教授ら温熱治療新装置 体内に「…
  7. 阪大で2億7千万円超の研究費不正経理が発覚
  8. 脂肪燃やすアミノ酸に効果 「カルニチン」にお墨付き

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 生合成を模倣しない(–)-jorunnamycin A, (–)-jorumycinの全合成
  2. 炭素をつなげる王道反応:アルドール反応 (5/最終回)
  3. 後発医薬品、相次ぎ発売・特許切れ好機に
  4. Igor Larrosa イゴール・ラロッサ
  5. 抗結核薬R207910の不斉合成
  6. 近年の量子ドットディスプレイ業界の動向
  7. 第29回 適応システムの創製を目指したペプチドナノ化学 ― Rein Ulijn教授
  8. FT-IR(赤外分光法)の基礎と高分子材料分析の実際2【終了】
  9. ブルース・リプシュッツ Bruce H. Lipshutz
  10. 【書籍】電気化学インピーダンス 数式と計算で理解する基礎理論

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年12月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

注目情報

最新記事

日本薬学会  第143年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part 2

第一弾に引き続き第二弾。薬学会付設展示会における協賛企業とのケムステコラボキャンペーンです。…

有機合成化学協会誌2023年3月号:Cynaropicri・DPAGT1阻害薬・トリフルオロメチル基・イソキサゾール・触媒的イソシアノ化反応

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2023年3月号がオンライン公開されました。早…

日本薬学会  第143年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part 1

さて、日本化学会春季年会の付設展示会ケムステキャンペーンを3回にわたり紹介しましたが、ほぼ同時期に行…

推進者・企画者のためのマテリアルズ・インフォマティクスの組織推進の進め方 -組織で利活用するための実施例を紹介-

開催日:2023/03/22 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の…

日本化学会 第103春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part3

Part 1・Part2に引き続き第三弾。日本化学会年会の付設展示会に出展する企業とのコラボです。…

第2回「Matlantis User Conference」

株式会社Preferred Computational Chemistryは、4月21日(金)に第2…

日本化学会 第103春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part2

前回のPart 1に引き続き第二弾。日本化学会年会の付設展示会に出展する企業とのコラボです。…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける従来の実験計画法とベイズ最適化の比較

開催日:2023/03/29 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の…

日本化学会 第103春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part1

待ちに待った対面での日本化学会春季年会。なんと4年ぶりなんですね。今年は…

グアニジニウム/次亜ヨウ素酸塩触媒によるオキシインドール類の立体選択的な酸化的カップリング反応

第493回のスポットライトリサーチは、東京農工大学院 工学府生命工学専攻 生命有機化学講座(長澤・寺…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP