[スポンサーリンク]

ケムステニュース

「アジア発メジャー」狙う大陽日酸、欧州市場に参入

[スポンサーリンク]

大陽日酸は北米に次ぐ成長が見込める欧州市場に参入を果たす。同業の米プラクスエアが欧州で展開する産業ガスや炭酸ガス、ヘリウム事業の一部を買収すると発表した。取得額は50億ユーロ(約6438億円)で、大陽日酸の買収案件としては過去最高額となる。(日本工業新聞7月8日)

太陽日本酸素株式会社(大陽日酸)は、窒素や酸素、アルゴンなどの工業製品を製造する際に使う産業用ガスを製造する企業です。2014年に三菱ケミカルホールディングスが株式公開買付けを行ったことから三菱ケミカルグループの傘下に入りました。国内においては産業用ガスのトップのシェアを誇りますが、世界シェアでは第5位とグローバルではトップシェアから離れています。

産業用ガスの業界では、合併による業界の再編が続いていて、フランスのAir Liquide社とドイツのLinde社がトップシェアを争っています。両者とも買収を続けていますが、各地域で独占状態にならないように政府の勧告を受け、一部の事業を売却しています。今回の買収の背景にも独Linde社と米Praxair社の合併が関係していて、欧州委員会が欧州事業の譲渡をLinde+Praxairに要求していたからです。今回のケース以外にも仏Air Liquide社がアメリカのAirgas社を買収した際には、アメリカでの事業が大陽日酸に売却されました。合併する側から見れば、売却する事業は小さいかもしれませんが、大陽日酸にとってみれば他の地域に進出できる絶好の機会であり、その地域でシェアを伸ばせるかもしれないポテンシャルを秘めているため積極的に買収を行ったと考えられます。

 

多くの業界で、日本での製造活動の拡大が見込まれない中、大陽日酸は上記のような欧米での社拡大を狙った買収に加えてアジア諸国でも買収を行い海外収益50%を目標に事業を続けているようです。そのため近い未来、世界中の工場で多”大陽日酸”のロゴが入ったコールドエバポレーターを見る日が来ることを期待します。

各種ガスのコールドエバポレーター

関連書籍

[amazonjs asin=”4815808783″ locale=”JP” title=”見えない産業―酸素が支えた日本の工業化―”] [amazonjs asin=”B0030DEV8Q” locale=”JP” title=”トラックコレクション第6弾 大陽日酸LPGタンク車”]

関連リンク

関連記事

  1. 科学技術教育協会 「大学化合物プロジェクト」が第2期へ
  2. 肩こりにはラベンダーを
  3. 相次ぐ”業務用洗剤”による事故
  4. 富士写、化学材料を事業化
  5. 元素も分析する電子顕微鏡
  6. 頻尿・尿失禁治療薬「ベシケア」を米国で発売 山之内製薬
  7. トムソン・ロイターのIP & Science事業売却へ…
  8. 新型卓上NMR Spinsolve 90 が販売開始

注目情報

ピックアップ記事

  1. エーテル系保護基 Ether Protective Group
  2. 陰山 洋 Hiroshi Kageyama
  3. 論文・学会発表に役立つ! 研究者のためのIllustrator素材集: 素材アレンジで描画とデザインをマスターしよう!
  4. 喜多氏新作小説!『美少女教授・桐島統子の事件研究録』
  5. 光触媒を用いたC末端選択的な脱炭酸型bioconjugation
  6. ペンタレネン Pentalenene
  7. アメリカで Ph.D. を取る -Visiting Weekend 参加報告 (後編)-
  8. 国際化学オリンピック、日本の高校生4名「銀」獲得
  9. アレン・バード Allen J. Bard
  10. 医療用酸素と工業用酸素の違い

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2018年7月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

第43回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

テーマ「創薬化学の新たな潮流 多彩なアプローチで未来を創る」 日時2026年11月11日…

圧力は「設定値」だけで決まらない【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

査読に AI を使われた体験談

生成 AI の普及は加速しており、調べもの、英文校閲など研究者の皆さんも活用していることと思います。…

フィーゼルマン チオフェン合成/Fiesselmann Thiophene Synthesis

概要フィーゼルマン チオフェン合成(Fiesselmann Thiophene Synthesi…

“とび跳ねる水滴”に潜む物理 〜接触時間とエネルギー源で読む撥水・防氷のテク〜

熱したフライパンに落ちた水滴が、玉になってコロコロと走り回り、冷えた面では、結露水が合体した瞬間に跳…

AI時代に研究者がすでに持っている力・これから伸ばしたい力

論文要約や文献検索など、研究現場でもAI活用が日常化する一方、「自分の仕事の先行き」に漠然とした不安…

miHub®を活用した探索的データ解析の実践

開催概要研究開発においてデータ活用が進む中、機械学習モデルの構築や予測解析に…

“ある特効薬”のはなし ~本田宗一郎氏の回想から

Tshozoです。最近実家に戻っては色々と廃棄するなどの店じまいを少しずつ進めているのですが、中…

高分子鎖を束ねた新しい共重合体「束状共重合体」が誕生

第715回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 工学系研究科(植村研究室)に所属されていた亀谷…

2026年「有機溶媒危機」へのアンサー。北大発・メカノクロスが挑む、溶媒に依存しない新たな合成法 = “メカノケミカル有機合成”の社会実装

株式会社メカノクロスは、メカノケミカル有機合成技術の社会実装に挑む北海道大学発の…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP