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ケムステニュース

九大発、化学アウトリーチのクラウドファンディング「光化学の面白さを中高生と共有したい!化学の未来をピカリと照らす!」

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九州大学はREADYFORと提携し、クラウドファンディングを通じた寄附募集に取り組んでいます。この度、九州大学大学院工学研究院の楊井伸浩准教授が代表として結成した有志チーム「ピカリかがくプロジェクト」のクラウドファンディングを公開し、8月2日(水)から寄附募集を開始いたしました。 (引用:8月4日九州大学プレスリリース)

すでにケムステSlackの雑談チャンネルに投稿されておりますが、ケムステニュースでも紹介させていただきます。九州大学の教員と学生からなる有志チーム「ピカリかがく」が化学アウトリーチのクラウドファンディングを立ち上げました。

このプロジェクトの背景にあるのは、私たちが愛する化学の人気が中高生においては高くないという現状です。実際にチームでは、九州大学の近くの中学・高校に足を運び、先生方と話し合いの機会を持ったところ、高校の文理選択前までに、化学を学ぶ時間が短く化学の面白さに触れる機会が少ないという現状が分かったそうです。そこで「化学に情熱を傾ける現場の研究者の生の声を届けることで、化学の面白さを知ってもらおう!」という想いを共にする九州大学のメンバーで「ピカリかがく」というチームをつくり、行動に移すことにしました。

ピカリかがくのチームメンバー

ピカリかがくではすでに活動を始めており、福岡舞鶴高等学校・福岡舞鶴誠和中学校に協力を得て、「光で楽しむ化学」というコースを提案し、出前講義と実験体験を行ったそうです。また、地域との接点を持つためのサイエンスカフェ、第一回ピカリかがくカフェを7月17日に行い、株式会社ルミカ協力のもと、ケミカルライトが光るのはなぜか、という疑問に答えるという軸を通しながら “物が光る” という不思議を体験してもらいました。

第一回ピカリかがくカフェの様子

そして、この活動をより幅広く行うためには、資金の確保が必要であり、またこの活動を広く周知するためにクラウドファンディングを実施することを決めたそうです。実際に下記の活動を予定しており、得られた資金は動画撮影機材、動画撮影用人件費(大学院生)、HP作成費用、出前講義旅費などに充てる予定です。

・光化学に関する実験動画の作成と配信
・離島や僻地を含む中学、高校での出前授業・実験
・九州大学での実験体験
・科学館や書店などで実施するサイエンスカフェ、実験実演
・ホームページや書籍を通じた光化学に関する情報提供

3000円+システム利用料から寄付が可能で、5万円では九州大学での実験体験・ラボツアー、10万円では寄付を行った方の研究紹介動画の作成、20万円では出前授業・実験体験ができるコースも設定されています。

現在の寄付の状況ですが、開始から2日しか経過していないにも関わらず、すでに第一目標を達成しています。そのため新たに384万円のゴールを設定し、第二目標達成後の活動予定も公表されました。

・研究紹介動画の数と質の充実
・出前講義の実施回数の増加
・サイエンスカフェの実施回数の増加
・学会等の研究室以外での研究活動紹介
・サイエンスアゴラ等のイベント参加、イベント開催
・ホームページのコンテンツの充実

たくさんの応援コメントも化学の先生方だけでなく一般の方からも寄せられていて、関心の高いことがわかります。

最後に中心メンバーである宮田 潔志准教授よりコメントを頂きましたので紹介させていただきます。

クラウドファンディング、なんと二日で達成しました!
化学系のクラファンでここまで多くの方に強く賛同いただけるというのはとても気持ちが明るくなります。ただ目的はお金というより一人でも多くの人に活動を知ってもらいたい、一人でも多くの子どもの心を動かしたいということなので、何にせよ引き続き情報展開に力を入れていきたいと思っています。
『化学のプロジェクトが2日で達成しとる!すげえ!!』というのを印象として多くの関心を持っていただけると、日本の化学盛り上がってるんだなって感じで風向きを持っていけないかと考えています。引き続き拡散をご協力いただけると幸いです!! 例えば飲み会の場でちょこっと話題にしていただくとかそんな感じでも大変嬉しいです!

寄付募集は9月30日(土)午後11:00までとなっております。この活動に興味のある方、もっと化学の楽しさを中高生・一般の方に広まってほしいと考えている方は、寄付の検討をしてみてはいかがでしょうか。

関連書籍

関連リンク

ピカリかがくのメンバーが所属する研究室

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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