[スポンサーリンク]

ケムステニュース

化学の楽しさに触れるセミナーが7月に開催

[スポンサーリンク]

大阪市立大学は2021年7月31日、高校生や化学担当の先生等を対象に、化学セミナー「高校生のための先端科学研修~化学の世界に触れる~」をオンライン開催する。参加無料。  (引用:リセマム6月24日)

国際化学オリンピック日本大会プレイベント「オンライン講演会 ー化学の出会い 未来を拓く君たちへーPart 2」の申込みが始まりました!(引用:IChO2021Japan4月26日)

高校生・一般向けオンラインセミナーの開催について紹介します。

一つ目は、大阪市立大学が主催するセミナー「高校生のための先端科学研修 ~化学の世界に触れる~」で2021年7月31日(土)にZOOMにてオンライン開催されます。セミナーは3つのコースで構成されており、Aコースでは、生活の中で活躍する化学のチカラということで、元素周期表を見ながら科学技術の発展における化学の役割を解説されます。Bコースは、光で解き明かす生体分子の世界で光に関する基礎的な性質からその最先端の応用までを紹介されます。Cコースは、クロスカップリング入門で2010年に鈴木章先生、根岸英一先生、リチャード・ヘック先生がノーベル化学賞を受賞されたことで一躍有名になったクロスカップリング反応について、その原理と進化型の最先端研究について紹介されます。各コース先着順に450名までで、複数のコースを受講することもできます。高校生だけでなく、化学担当の先生や化学に興味のある方もこのセミナーに参加できるようです。

高校生のための先端科学研修」は、高校生が各分野の興味関心を深め学習意欲を高めることを目的としていて、2003年度より大阪市教育委員会と共催で実施している高大連携事業です。化学分野では、高校で習う化学の内容を、少しだけ高い位置から学んでみようというコンセプトで高校2年生向けにセミナーを開催しています。2019年までは大学で開催していましたが、2020年は中止になり、2021年はオンラインでの実施になった模様です。オンラインの長所短所はいろいろありますが、自宅などから手軽に参加できることが最大のメリットであり、他の参加者を気にする必要もないので自分の都合と興味だけが参加の条件だと思います。大学の研究室に配属されてからは専門性が高くなり、化学全体を見つめるきっかけは自分で作らない限りありません。そのため化学に興味のある高校生はもちろんのこと、少し化学を見直してみたい方にも最適なセミナーだと思います。申し込みは、7月21日までです。

二つ目は、国際化学オリンピック日本大会プレイベント「オンライン講演会 ー化学の出会い 未来を拓く君たちへーPart 2」です。今年の3月には、Part1が行われましたが、Part2が7月10日に開催されます。前回同様ZOOMでの開催で、講演と国際化学オリンピック元日本代表の経験談、分析機器の商品が内容です。今回は、国際化学オリンピック日本大会実行委員長で、京都大学 名誉教授の中條善樹先生より基調講演があり、名古屋大学 大学院工学研究科の山下誠教授が分子設計について、東京大学 大学院工学系研究科の山東信介教授が創薬化学における分子デザインについてそれぞれ研究講演されるそうです。このPart2では国際化学オリンピック元日本代表として永澤彩さん、遠藤健一さん、竹内碧さんが登場されます。また日本分析機器工業会より分析機器の紹介も予定されています。

永澤彩さんは白陵高等学校3年次に国際化学オリンピック参加し、銅メダルを獲得する活躍をされています。その後、東京大学西林研究室で博士号を取得され、現在は株式会社エア・リキード・ラボラトリーズにて研究員をされています。ケムステでは、Reaxys Ph.D Prize2019ファイナリスト選出時に紹介させていただきました。遠藤健一さんは、栄光学園高等学校2年次と3年次に国際化学オリンピック参加し、両年で金メダルを獲得する活躍をなされています。その後、東京大学塩谷研究室で博士号を取得され、現在は京都大学寺西研究室にて博士研究員をされています。今年の3月には、ケムステのスポットリサーチに登場いただきました。竹内碧さんは高知学芸高等学校3年次にに国際化学オリンピック参加し、銀メダルを獲得する活躍をなされています。現在は、東京大学大学院薬学研究科の天然物合成化学教室に在籍されています。

前回のイベントでは330人の事前登録があったそうです。このイベントに多くの人が参加し、化学オリンピックを盛り上げていければと思います。実際、化学オリンピック2021年日本大会は7月25日から始まります。東京オリンピック2020とともに日本代表の活躍をお祈りします。

関連書籍

[amazonjs asin=”4315521701″ locale=”JP” title=”ニュートン式超図解 最強に面白い!! 周期表”] [amazonjs asin=”4526077151″ locale=”JP” title=”トコトンやさしいクロスカップリング反応の本 (今日からモノ知りシリーズ)”]

高校生の研究に関するケムステ過去記事

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 旭化成ファインケム、新規キラルリガンド「CBHA」の工業化技術を…
  2. 国際化学オリンピック2016でもメダルラッシュ!
  3. 第一三共/イナビルをインフルエンザ予防申請
  4. 令和元年度 のPRTR データが公表~第一種指定化学物質の排出量…
  5. 1回の実験で高活性な金属ナノ粒子触媒
  6. リン酸アルミニウムを飲んだら爆発?
  7. エーザイ、アルツハイマー治療薬でスウェーデン企業と提携
  8. サリドマイドを監視

注目情報

ピックアップ記事

  1. プロドラッグの活性化をジグリシンが助ける
  2. ムスカリン muscarine
  3. 再転職の成功へ: 30代女性研究者が転職ミスマッチを克服した秘訣
  4. 第98回日本化学会春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part III
  5. 「赤チン」~ある水銀化合物の歴史~
  6. リピトール /Lipitor (Atorvastatin)
  7. アジサイから薬ができる
  8. リンダウ会議に行ってきた④
  9. 小さなフッ素をどうつまむのか
  10. アーサー・L・ホーウィッチ Arthur L. Horwich

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年6月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP