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海外化学者インタビュー

第52回―「多孔性液体と固体の化学」Stuart James教授

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第52回の海外化学者インタビューは、スチュアート・ジェームス教授です。クイーンズ大学ベルファスト校の化学/化学工学部に所属し、自己組織化、多孔性液体・固体、メカノケミカル合成の研究を行っています。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

科学が家族の中にあり、優秀な化学の先生に励まされたからです。音楽の道に向かわないと決めた後、化学は良い選択肢に思えました。幸いなことに、化学は非常に創造的な仕事であり、後悔したことはありません。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

世界中を旅し、レコーディングスタジオを故郷に持つミュージシャンです。ギターを弾き、10代は王立音楽院で勉強しました。音楽は表現できないものを表現すると言われています。私はまた共感覚者でもあります。つまり、音楽の音を形や色として見ており、それが音楽にずっと魅了されてきた理由かもしれません。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

少なくとも2つのやり方があります。まず、エネルギー、健康、クリーンな物質製造など、直面している技術的課題の解決を支援することができます。他には、刺激的で、数値的で、関連性があり、問題解決型の教育を提供することができます。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

週半ばであれば、アインシュタインですね。彼の洞察力は知的に驚くべきもので、私たちの自然観を一変させました。彼がどのように洞察を得たのかを垣間見るのは興味深いことです。週末であれば、ジミ・ヘンドリックスまたはフランク・ザッパです。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

数日前、博士課程の学生と一緒に実験しました。通常の方法では難しかった化合物の革新的精製法を発見でき、大変満足しています。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

CDは純粋に楽しめるものを選びましょう。フランク・ザッパの 「Sheik Yerbouti」 。幻想的で、陽気で、創造的な傑作です。

本は、今まで読んだことがないような、精神を拡張する非常に長いもので。おそらくはスペイン語で書かれた「ドン・キホーテ」にします。20年ほどは、没頭できるでしょう。

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原文:Reactions – Stuart James

※このインタビューは2008年2月15日に公開されました。

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cosine

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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