[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第105回―「低配位有機金属錯体を用いる触媒化学」Andrew Weller教授

[スポンサーリンク]

第105回の海外化学者インタビューは、アンドリュー・ウェラー教授です。オックスフォード大学化学科に所属(訳注:現在はヨーク大学に所属)し、低配位後期遷移金属有機金属錯体の合成、特性評価、反応性に関する研究を行っています。この研究は、触媒作用、構造と結合、新たなエネルギーベクターにインパクトを与えます。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

そこまで面白い話はありません!学校では化学が得意で、化学の先生であるコルビン先生は、とても刺激的な人だったのです(そしていつも少し狂っていました)。先生は化学の美しさを教えてくれました。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

(今の仕事は別として)夢みる仕事は、自転車屋/コーヒーショップを経営することです。人生で情熱を注いでいる2つです。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

様々なレベルで貢献することができますが、エネルギー、新機能性材料、ヘルスケアの3つの分野は、人々の生活を根本的に変えるような大きな貢献を化学者がしてきた分野であり、今後とも貢献し続けていくでしょう。化学者であることはとてもエキサイティングなことです。次世代の科学者たちに、発見と知識の楽しさを伝えていきたいと思います。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

ニール・アームストロングです。月面を歩いた最初の人類と話すと、インスピレーションがもらえるでしょう。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

本格的な実験(2002 年)をしてから既に長い時間がたってしまいましたが、論文を発表することができました。時々、ほぼ1時間おきに研究室を出入りしていますが、(非常に優秀な)同僚が重要な新しい構造を決定したり、非常に繊細な錯体を単離したりしていて、今でも大きな興奮を覚えます。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

本:ズルをしましょう。ドーキンスの『盲目の時計職人』のページの間にこっそりと挟んで、『指輪物語』を持っていくでしょう。どちらの本も深遠なるインパクトを与えてくれました。『指輪物語』はそのスケールとビジョンで圧倒し、『盲目の時計職人』は世界の見方を永遠に変えてしまいました。

[amazonjs asin=”4152085576″ locale=”JP” title=”盲目の時計職人”][amazonjs asin=”4566023826″ locale=”JP” title=”文庫 新版 指輪物語 全10巻セット (評論社文庫)”]

CD:難しいです。『From Elvis in Memphis』にします。まさに王たるエルヴィス・プレスリーの最高潮にある作品です。またはジョニー・キャッシュのベスト盤です。(再び)ズルをして、この両方を入れたCDを焼いて持っていきます。

[amazonjs asin=”B00004T0UT” locale=”JP” title=”From Elvis in Memphis”][amazonjs asin=”B000Y2KT8C” locale=”JP” title=”The Very Best Of JOHNNY CASH Original Greatest Hit CD SICD-08015″]

原文:Reactions –  Andrew Weller

※このインタビューは2009年2月27日に公開されました。

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 第17回 研究者は最高の実験者であるー早稲田大学 竜田邦明教授
  2. 第44回―「N-ヘテロ環状カルベン錯体を用いる均一系触媒開発」S…
  3. 第14回「らせん」分子の建築家ー八島栄次教授
  4. 第30回 弱い相互作用を活用した高分子材料創製―Marcus W…
  5. 第142回―「『理想の有機合成』を目指した反応開発と合成研究」山…
  6. 第167回―「バイオ原料の活用を目指した重合法の開発」John …
  7. 第48回「分子の光応答に基づく新現象・新機能の創出」森本 正和 …
  8. 第94回―「化学ジャーナルの編集長として」Hilary Cric…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 三共、第一製薬が統合へ 売上高9000億円規模
  2. 第8回慶應有機化学若手シンポジウム
  3. LG化学がグローバルイノベーションコンテストを開催へ
  4. 第93回日本化学会付設展示会ケムステキャンペーン!Part I
  5. ピリジンの立体装飾でアルカロイドをつくる
  6. 阪大と理研ビタミン、透明な生分解性フィルムを開発
  7. ChemDraw for iPadを先取りレビュー!
  8. 「超分子重合によるp-nヘテロ接合の構築」― インド国立学際科学技術研究所・Ajayaghosh研より
  9. 材料開発の未来を語る、マテリアルズ・インフォマティクスに特化したカンファレンスが9/26(火)開催!
  10. 細野 秀雄 Hideo Hosono

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年7月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP