[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第170回―「化学のジョブマーケットをブログで綴る」Chemjobber

[スポンサーリンク]

第170回の海外化学者インタビューは、Chemjobberです。産業界で働きながら、化学のジョブマーケットについてブログを書いています。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

私は医学博士になりたくて生物学を楽しんでいたのですが、有機化学がとても魅力的な世界であることがわかり、なかなかそこから離れることができませんでした。学部の研究員として初めて実施した反応がゴージャスなもので、それ以来、あの高揚感の再現に挑戦してきたように思います。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

医師以外ですよね?医学は魅力的だと思いますし、一人の人生をすぐさま良い方向に向かせられるのは羨ましいです。フェデックスの倉庫管理者なら楽しそうです。必要なものを必要なときに効率よく届けるというロジスティクスには、深遠な面白さがあります。レストランのオーナーも良いですが、(アンソニー・ボーディンの不滅の言葉を借りれば)「カサブランカのリックのように、ダイニングルームで小切手にサインをして歩く」というファンタジーに過ぎないでしょうね。

キッチン・コンフィデンシャル(新装版)

キッチン・コンフィデンシャル(新装版)

アンソニー・ボーデイン
¥2,198(as of 02/01 22:10)
Amazon product information

Q. 現在取り組んでいることは何ですか?そしてそれをどう展開させたいですか?

私は産業界で働いていますが、雇用主は私が何を研究しているかを明かすことにあまり興味がないのでしょう。私はプロセス化学者であり、十分な収量と純度の化合物を予算内・期限内に合成したいと思っている、と言えば十分でしょう。また、プロセスの構築や改善を通じて、会社の収益に良い影響を与えたいと心から願っています(企業っぽいコメントですが、本当にそうなんです!)。プロセスケミストとして、さまざまな分野の方と一緒に仕事をするのは楽しく、またチャレンジングです!

Q.あなたがもし、歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

J・ロバート・オッペンハイマーを選びます。リチャード・ローズ著の “The Making of the Atomic Bomb” を読んで、彼に深い感銘を受けたのです。マンハッタン計画における科学と、科学者・技術者の両方を管理するオッペンハイマーの能力は非常に優れており、ロスアラモスで衝突したであろうあらゆるエゴの内情について、ぜひ話を聞いてみたいと思っています。

The Making of the Atomic Bomb: 25th Anniversary Edition

The Making of the Atomic Bomb: 25th Anniversary Edition

Richard Rhodes
¥4,700(as of 02/01 22:10)
Amazon product information

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

今日です。共沸蒸留をセットしました。毎日研究室で働くのは誇らしく、これほど素晴らしいことはありません。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

フォーゲルの教科書「Practical Organic Chemistry」 :未だに全てを読破できていません。

Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry

Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry

¥6,628(as of 02/01 22:10)
Amazon product information

フランク・シナトラの「オンリー・ザ・ロンリー」: 孤独になるなら、それでいいじゃないか。

オンリー・ザ・ロンリー

オンリー・ザ・ロンリー

フランク・シナトラ
Amazon product information

Q.「Reactions」でインタビューしてほしい化学者と、その理由を教えてください。

いくつか挙げられそうです。製薬プロセス化学分野でかなり著名な書籍の著者であるニール・アンダーソン氏の話を聞いてみたいと思います。彼の本はとても気に入っていて、業界の行く末について彼の考えをもっと聞きたいと思っています。また、メルク社のデュアン・バーネットは、心血管治療薬エゼチミブ(ゼチーア)の開発に携わった人物です。美しい分子で、素晴らしい創薬ストーリーです。

Practical Process Research and Development - A guide for Organic Chemists

Practical Process Research and Development - A guide for Organic Chemists

Anderson, Neal G.
¥19,681(as of 02/01 22:10)
Amazon product information

原文:Reactions – Chemjobber

※このインタビューは2011年8月26日に公開されました。

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 第62回―「再生医療・ドラッグデリバリーを発展させる高分子化学」…
  2. 第47回―「ロタキサン・カテナン・クラウンエーテルの超分子化学」…
  3. 第14回「らせん」分子の建築家ー八島栄次教授
  4. 第40回「分子設計で実現する次世代バイオイメージング」山東信介教…
  5. 第17回 研究者は最高の実験者であるー早稲田大学 竜田邦明教授
  6. 第94回―「化学ジャーナルの編集長として」Hilary Cric…
  7. 第55回―「イオン性液体と化学反応」Tom Welton教授
  8. 第54回「光を使ってレゴブロックのように炭素と炭素を繋げる」吉見…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 売切れ必至!?ガロン瓶をまもるうわさの「ガロテクト」試してみた
  2. グラフィカルアブストラクト付・化学系ジャーナルRSSフィード
  3. 【マイクロ波化学(株) 石油化学/プラスチック業界向けウェビナー】 マイクロ波による新事業 石油化学・プラスチック業界のための脱炭素・電化ソリューション
  4. ChemSketchで書く簡単化学レポート
  5. 第2回慶應有機合成化学若手シンポジウム
  6. 海洋生物の接着メカニズムにヒントを得て超強力な水中接着剤を開発
  7. リチウムイオン電池 電解液の開発動向と高機能化
  8. 【21卒イベント】「化学系学生のための企業研究セミナー」 大阪1/17(金)・東京1/19(日)
  9. ペプチドの特定部位を狙って変換する -N-クロロアミドを経由するペプチドの位置選択的C–H塩素化-
  10. 「オプジーボ」の特許とおカネ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

注目情報

最新記事

リサイクル・アップサイクルが可能な植物由来の可分解性高分子の開発

第694回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院理工学府(跡部・信田研究室)卒業生の瀬古達矢…

第24回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

粉末 X 線回折の基礎知識【実践·データ解釈編】

粉末 X 線回折 (powder x-ray diffraction; PXRD) は、固体粉末の試…

異方的成長による量子ニードルの合成を実現

第693回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科(佃研究室)の髙野慎二郎 助教にお願…

miHub®で叶える、研究開発現場でのデータ活用と人材育成のヒント

参加申し込みする開催概要多くの化学・素材メーカー様でMI導入が進む一…

医薬品容器・包装材市場について調査結果を発表

この程、TPCマーケティングリサーチ株式会社(本社=大阪市西区、代表取締役社長=松本竜馬)は、医…

X 線回折の基礎知識【原理 · 基礎知識編】

X 線回折 (X-ray diffraction) は、原子の配列に関する情報を得るために使われる分…

有機合成化学協会誌2026年1月号:エナミンの極性転換・2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA)・細胞内有機化学反応・データ駆動型マルチパラメータスクリーニング・位置選択的重水素化法

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2026年1月号がオンラインで公開されています。…

偶然と観察と探求の成果:中毒解毒剤から窒素酸化物を窒素分子へ変換する分子へ!

第692回のスポットライトリサーチは、同志社大学大学院理工学研究科(小寺・北岸研究室)博士後期課程3…

嬉野温泉で論文執筆缶詰め旅行をしてみた【化学者が行く温泉巡りの旅】

論文を書かなきゃ!でもせっかくの休暇なのでお出かけしたい! そうだ!人里離れた温泉地で缶詰めして一気…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP