[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第170回―「化学のジョブマーケットをブログで綴る」Chemjobber

[スポンサーリンク]

第170回の海外化学者インタビューは、Chemjobberです。産業界で働きながら、化学のジョブマーケットについてブログを書いています。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

私は医学博士になりたくて生物学を楽しんでいたのですが、有機化学がとても魅力的な世界であることがわかり、なかなかそこから離れることができませんでした。学部の研究員として初めて実施した反応がゴージャスなもので、それ以来、あの高揚感の再現に挑戦してきたように思います。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

医師以外ですよね?医学は魅力的だと思いますし、一人の人生をすぐさま良い方向に向かせられるのは羨ましいです。フェデックスの倉庫管理者なら楽しそうです。必要なものを必要なときに効率よく届けるというロジスティクスには、深遠な面白さがあります。レストランのオーナーも良いですが、(アンソニー・ボーディンの不滅の言葉を借りれば)「カサブランカのリックのように、ダイニングルームで小切手にサインをして歩く」というファンタジーに過ぎないでしょうね。

キッチン・コンフィデンシャル(新装版)

キッチン・コンフィデンシャル(新装版)

アンソニー・ボーデイン
¥2,035(as of 02/22 13:59)
Amazon product information

Q. 現在取り組んでいることは何ですか?そしてそれをどう展開させたいですか?

私は産業界で働いていますが、雇用主は私が何を研究しているかを明かすことにあまり興味がないのでしょう。私はプロセス化学者であり、十分な収量と純度の化合物を予算内・期限内に合成したいと思っている、と言えば十分でしょう。また、プロセスの構築や改善を通じて、会社の収益に良い影響を与えたいと心から願っています(企業っぽいコメントですが、本当にそうなんです!)。プロセスケミストとして、さまざまな分野の方と一緒に仕事をするのは楽しく、またチャレンジングです!

Q.あなたがもし、歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

J・ロバート・オッペンハイマーを選びます。リチャード・ローズ著の “The Making of the Atomic Bomb” を読んで、彼に深い感銘を受けたのです。マンハッタン計画における科学と、科学者・技術者の両方を管理するオッペンハイマーの能力は非常に優れており、ロスアラモスで衝突したであろうあらゆるエゴの内情について、ぜひ話を聞いてみたいと思っています。

The Making of the Atomic Bomb: 25th Anniversary Edition

The Making of the Atomic Bomb: 25th Anniversary Edition

Richard Rhodes
¥7,000(as of 02/23 07:20)
Amazon product information

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

今日です。共沸蒸留をセットしました。毎日研究室で働くのは誇らしく、これほど素晴らしいことはありません。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

フォーゲルの教科書「Practical Organic Chemistry」 :未だに全てを読破できていません。

Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry

Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry

Furniss
¥4,416(as of 02/23 07:20)
Amazon product information

フランク・シナトラの「オンリー・ザ・ロンリー」: 孤独になるなら、それでいいじゃないか。

オンリー・ザ・ロンリー

オンリー・ザ・ロンリー

フランク・シナトラ
Amazon product information

Q.「Reactions」でインタビューしてほしい化学者と、その理由を教えてください。

いくつか挙げられそうです。製薬プロセス化学分野でかなり著名な書籍の著者であるニール・アンダーソン氏の話を聞いてみたいと思います。彼の本はとても気に入っていて、業界の行く末について彼の考えをもっと聞きたいと思っています。また、メルク社のデュアン・バーネットは、心血管治療薬エゼチミブ(ゼチーア)の開発に携わった人物です。美しい分子で、素晴らしい創薬ストーリーです。

Practical Process Research and Development - A guide for Organic Chemists

Practical Process Research and Development - A guide for Organic Chemists

Anderson, Neal G.
¥18,353(as of 02/23 07:20)
Amazon product information

原文:Reactions – Chemjobber

※このインタビューは2011年8月26日に公開されました。

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 第173回―「新たな蛍光色素が実現する生細胞イメージングと治療法…
  2. 第45回―「ナノ材料の設計と合成、デバイスの医療応用」Youna…
  3. 第81回―「均一系高分子重合触媒と生分解性ポリマーの開発」奥田 …
  4. 第70回―「ペプチドの自己組織化現象を追究する」Aline Mi…
  5. 第135回―「量子電気力学から光と分子の相互作用を理解する」Da…
  6. 第62回「分子設計ペプチドで生命機能を制御する!!」―松浦和則 …
  7. 第12回 DNAから人工ナノ構造体を作るーNed Seeman教…
  8. 第114回―「水生システムにおける化学反応と環境化学」Krist…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 27万種類のビルディングブロックが購入できる!?
  2. 材料開発における生成AIの活用方法
  3. 松田 豊 Yutaka Matsuda
  4. 光触媒で新型肺炎を防止  ノリタケが実証
  5. 酸化亜鉛を用い青色ダイオード 東北大開発 コスト減期待
  6. ピセン:Picene
  7. 不斉触媒 Asymmetric Catalysis
  8. 人工DNAから医薬をつくる!
  9. 【日産化学 22卒/YouTube配信!】START your chemi-story あなたの化学を探す 研究職限定 キャリアマッチングLIVE
  10. 文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり : ② 「ポスト・イット アドバンス」

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

注目情報

最新記事

第10回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー…

【書評】スキルアップ有機化学 しっかり身につく基礎の基礎

東京化学同人より 2024 年 2 月 16 日に刊行された、「スキルアップ有機…

“逆転の発想”で世界最高のプロトン伝導度を示す新物質を発見

第594回のスポットライトリサーチは、東京工業大学 理学院 化学系 八島研究室の齊藤 馨(さいとう …

第17回日本化学連合シンポジウム「防災と化学」

開催趣旨能登半島地震で罹災された方々に、心からお見舞い申し上げます。自然災害、疾病、火災、事…

溶液中での安定性と反応性を両立した金ナノ粒子触媒の開発

第593回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院工学系研究科(山口研究室)博士後期課程3年の夏 …

DeuNet (重水素化ネットワーク)

Deunet とは?重水素化ネットワーク (The Duteration Network, De…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける分子生成の応用 ー新しい天然有機化合物の生成を目指すー

開催日 2024/2/21 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

有機合成化学協会誌2024年2月号:タンデムボラFriedel-Crafts反応・炭素-フッ素結合活性化・セリウム錯体・コバルト-炭素結合・ホスホロアミダイト法

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年2月号がオンライン公開されています。…

有機合成にさようなら!“混ぜるだけ”蛍光プローブ3秒間クッキング

第592回のスポットライトリサーチは、香港科技大学(Ben Zhong Tang研)の清川慎介さん(…

北九州における化学企業の盛んな生産活動

AGCは、このたび北九州事業所において、グリーン水素製造に適したフッ素系イオン交換膜の製造設備新…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP