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身のまわりの分子

ボンビコール /bombykol

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ボンビコール(bombykol)は、雌カイコ蛾(Bombyx mori)が産生する性フェロモンである。

歴史・用途

1959年にAdolf Butenandtらによって単離された化合物で、歴史上初めて同定されたフェロモンです。ボンビコールの骨格 は16炭素の直鎖、およびシス-トランスに共役した二重結合を持ちます。この化合物はごく微量でも、数キロ先にいる雄蛾を惹きつけることができます。このように「極微量で高い効果」を示すのがフェロモンの特徴です。

 

フェロモン(pheromone)という名前は、ギリシャ語のpherein(運ぶ)とhormon(興奮させる)に由来しています。フェロモンは特定の種だけに作用し、他の生物種には全く影響しません。このため害虫防除の有効な手段へ向けた応用が期待されています。

 

フェロモン研究で思い浮かぶのは、フェロモンの化学合成を数多く行った、森謙治先生。以前講演で拝見したのが、合成フェロモンを用いた虫捕獲器でした。フェロモンを中に入れておくと、対応する虫が集まってきます。殺虫剤や農薬など異なり、人畜無害なのも特徴です。

しかし合成するときは意外に大変です。フェロモンは気体状になって働くので、分子量も小さいものが多いわけです。溶媒などを減圧留去しようとすると、一緒に飛んでいってしまうことがよくあるのですね。
カブトムシのフェロモンを前かいだことがありますが、甘ったるくてくさいです。やはり人間には効かないようです(笑)。

 

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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