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C

チャン転位(Chan Rearrangement)

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概要

アシロキシエステルに対して塩基を作用させることで、転位を伴い2–ヒドロキシケトエステルを与える反応。

基本文献

反応機構

反応例

R. A. Holtonはタキソールの全合成の際に、Chan転位反応を用いて環状炭酸エステル部をγラクトン部へと効率的に変換している[1]


なお、元文献では収率が中程度にとどまっている。Holton以外にこの反応を狙って全合成に組み込んだ例はないが、ReissigらがHeliquinomycinのモデル化合物の合成研究の際にセレノ化反応を行った際の副反応として報告している[2]

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

  1. R. A. Holton, C. Somoza, H. B. Kim, F. Liang, R. J. Biediger, P. D. Boatman, M. Shindo, C. C. Smith, S. Kim, H. Nadizadeh, Y. Suzuki, C. Tao, P. Vu, S. Tang, P. Zhang, K. K. Murthi, L. N. Gentile, J. H. Liu, J. Am. Chem. Soc.1994116, 1597-1598.
    DOI: 10.1021/ja00083a066
  2. C. Venkatesh, H.-U. Reissig, Synthesis200822, 3605-3614.
    DOI: 10.1055/s-0028-1083194

関連反応

gladsaxe

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スタッフで有りながらケムステのファンの一人。薬理化合物の合成・天然物の全合成・反応開発・計算化学を扱っているしがないポスドクです。

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