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スイス

バーゼル Basel:製薬・農薬・化学が集まる街

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年末ですね。スイスの学生のほとんどがクリスマス休暇を23日から、正月明けの2日まで取るので、研究室はすごくガランとしています。私もラボに残るなんてことはせずに日本に帰るべきでした。さて、今回はそんなスイスのバーゼルという町の紹介です。年末で皆さんお忙しくお疲れのこととと思いますので、しばしながら 、旅行気分を味わってください。ちょっと遅いですが、メリークリスマス。

Basel

Baselは17万人のスイスの小さな都市ですが、世界的に有名な製薬、農薬、化学系の会社が集まる街として知られています。例えばHoffmann-La Roche、Novartis、Syngenta、Lonza group、Actelion Pharmaceuticals、Basilea Pharmaceutica(2000年Rocheからスピンオフ)などが、本社、研究所を構えています。その他、Bayer、BASFなどの支社などもあり、郊外にはそれらを含む工場や中小関連企業が集まっています。

アカデミックではバーゼル大学の化学科に加え 、バイオ系Biozentrumは世界的にも有名で世界中から研究者が集まっています。また、Novartisが出資する研究所FMIや、ETHのDBSSE などもあり、日本人PhDやPost docの方も多数在籍しておられます。地域の公用語はドイツ語、街の中心部をライン川が流れ、綺麗な旧市街もあります。ではまずはロッシュから。

Basel市、ドイツ、フランスと国境を接しており、空港はフランス領内、市の中心部をライン川が流れる

ロッシュ

ロッシュの最近のニュースといえば、ロッシュタワー。2015年に約650億円かけて完成したタワーは、再建計画のほんの一部で今後、さらに高いタワーを含め研究施設などの再建が計画されているみたいです。お金ありますねー。そんなにお金あるなら、僕も雇ってくれないかなーと思ってしまいます。

ライン川の反対側から見たRocheタワー

実際にロッシュキャンパスはとても広く、大学のキャンパスほどあります。

ノバルティス

次にノバルティス。1996年に SandozとCiba-Geigyが合併してできた、誰でも知ってるメガファーマ。ちなみに地元のクラブサッカーチーム、 FCバーゼルのスポンサーです。本社はフランスとの国境沿いで、キャンパスはロッシュと同じくらいに広い敷地面積があります。また、ロッシュのタワーに負けず劣らず、国際的に有名な建築家がデザインした建物が沢山あります。

安藤忠雄の建築。NovartisのHPより

最近できたNovartisの建物。NovartisのHPより

アクテリオン

Actelionは1997年にできた製薬企業。Rocheが開発を諦めた、エンドセリン受容体拮抗薬であり、肺高血圧の治療薬のBosentanのライセンスを買い取り、開発に成功、規模拡大してきた。この会社の本社も結構面白いデザインです。

アクテリオン本社

Bosentan

シンジェンタ

農薬、種苗大手。今年、中国国有化学大手の中国化工集団による買収がニュースになりましたね。

ロンザ

LozaはスイスのWallis州の水力発電による電力を利用して、アセチレンとカーバイドの合成で始まった化学会社。現在ではナフサのクラッカーをにより得られるケテン誘導体を中心とした有機小分子のcustum synthesis だけでなく、ADCや細胞の供給などを行っています。実は筆者もインターンしておりましたが、ロンザの研究所と工場はスイスの南、Vispにあり、研究所からは毎日4000m級の山が見えるという、登山やスキーを楽しむ方にとってはこれ以上にない職場だと思います。

手前がロンザの工場群、奥側がスイスのアルプス。LonzaのHPより

アカデミック研究機関

Basel大学化学科

不斉還元で有名でもうすぐ退官するAndreas Pfaltzをはじめ、Artificial metalloenzymeで有名なThomas Ward、若手のKonrad Tiefenbacher、Olivier Baudoin、Christof Sparrなどたくさんの教授がいます。

その他、BiozentrumやFMI、ETH ZurichのDBSSEなどバイオ系の研究機関も沢山ありますが、その紹介はまたどこかで。

 

Baselの生活

Baselはスイスの中では住む家も見つけやすく、家賃も他のスイスの都市に比べて高くありません。また、物価が安い上に消費税のtax refundまでできるドイツやフランスに自転車や路面電車で買い物に行け、生活物価が比較的安くあがります。一方で、スイスの高い給料が払われるので経済的には比較的良い暮らしができ、博士課程の学生でもそれなりに貯金できます。ヨーロッパ各地へ行ける空港もバスで市内から30分程度、駅はフランス、スイス、ドイツ駅の3駅がありどの国にへもすぐに行けてしまいます。

年間の晴れの日数もスイスの中では例外的に多く、北欧でよくある毎日曇りのどんよりした日が続いたり、冬場日照時間が短かったりすることで精神的にきつくなる心配もありません。夏は少々暑いものの日本に比べたら大したことはないので、とても過ごしやすいところでもあります。さらに、アメリカと違い犯罪が少なくとても安全です。皆様、まだ次のポジションをどこにしようか迷っておられるようであれば、是非Baselも考慮に入れてみてください。お勧めします。

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東京の大学で修士を修了後、インターンを挟み、スイスで博士課程の学生として働いていました。現在オーストリアでポスドクをしています。博士号は取れたものの、ハンドルネームは変えられないようなので、今後もGakushiで通します。

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